阿用小学校


地域の人とのかかわり 人の生き方に触れる

2023-06-09 19:36:56
 7日に5年生は総合的な学習の時間で「大東のお茶について学ぼう」という活動を行いました。大東町内のお茶屋さんに来校いただき、茶葉の栽培、お茶のおいしい入れ方について学びました。年度当初に家庭科でお茶の入れ方を学びましたが、プロに教わること、茶葉の栽培の流れについて知ったことが相まって、前回より背筋が伸びて「よし、家で入れるぞ」というような意気込みを感じられました。40種類もの製品を開発して販売しておられること、店頭ばかりではなくインターネットなどを活用してより多くの方にお茶に触れてほしいと願っておられることなど、今まで知らなかった「お茶」を通して、人の「生き方」について学んだようです。その後、本校の校務技師に「こうやって学校の花壇や庭をきれいにされているのは、お花が大好きだからなんですよね。」と一緒に草をとりながら5年生のある子が聞いたようです。少しずつですが、夢=職業という考えから、誰かのために〇〇という願いを持つ・実現する=職業へと意識が変わってきたと思われます。
 昨日、1、2年生は笹取りの活動をしました。昨年度紹介しました、地域の方に今年度もお世話になりました。子どもたちが安心して活動できるように、道を開けるためにたくさんの草を刈っていただきました。学校の周辺は雨が降っていましたが、笹取りの子どもたちのところはほとんど雨が降ることなく、立派な笹をとることができたようです。大きな笹をたくさん、自分たちで協力してとれたことに「成長」を感じました。そして、今日は、その笹を使って笹巻づくりをしました。地域のボランティアの方にお越しいただき、一緒に笹巻をつくりました。「そうそう、そうやってみるんだよ。」「あぁ、そこは難しいよね。ちょっとやってあげるよ。」「これは、自分でやってみなさい。」など、ボランティアの皆さんは子どもたちの反応を見ながら、その子にあったアドバイスの仕方をされていました。ゆでたての熱々の笹巻を一緒に食べました。勢いあまって、笹についたおもちやお皿についた砂糖醤油までなめる子がいました。給食では食欲があるように見えない子も、大事そうに、嬉しそうにボランティアさんと一緒に食べていました。笹取りのために整備をしてくださる方も笹巻づくりを教えてくださる方も、「阿用地区の子どもだから」といって、笑顔で子どもたちにかかわってくださっています。子どもたちは、真剣なまなざしやあふれるほどの笑顔、元気のよい挨拶くらいしかお礼はできないのに、毎年子どもたちのためにと時間を割いていただいています。こうした地域のみなさんの「誰かのために」という心意気を、この子たちがもう少し大人になった時にハッと気づいてくれればと思っています。

いつもの通りの授業風景です

2023-06-07 14:14:20
 今日は本市教育委員会の学力育成学校訪問が2時間目にありました。1年生は、図工「いろいろならべて」という表現活動でした。一人数百枚の色紙を担任が用意し、それを自分の「素敵だな」と思うように並べていく活動でした。1枚目の写真は、すべて並び終えた時の様子ですが、訪問にこられた指導主事に「これはね、スカイツリーだよ。」「ここをつなげたの。」などと自慢げに話していました。2年生は、算数で「身のまわりのものの長さをはかろう」という活動でした。長さを測ることが5月にはブロックを並べるなどしかできなかったけれど、6月になってから「cm、mmを学び、ものさしで測れるようになった」ことをいかして、たくさん試してみる活動でした。測る前に予想を立てていました。生活に役立てる算数としては重要な活動です。
 3年生は、理科で「モンシロチョウとアゲハチョウを比べて、同じところや違うところを表にまとめよう」という活動をしていました。教科書を見ながら、モンシロチョウとアゲハチョウの卵から成虫になるまでの生長の相違点を探していました。一人ではなかなか難しく、時間がかかりましたが、ペアになって協力しながら探していました。4年生は、4枚目の写真ですが、算数で「あよっ子の安全を守れ」という活動でした。本校の1年間におけるけがの件数が750件余りあることを知った子どもたちは、今まで算数で学習していたグラフでデータをあらわす活動を生かして、どこでどのようなけがが多いのかをグラフに示し、注意喚起をするという願いをもちました。データの処理を黙々とする子どもたちの様子は、算数なのか児童会活動なのかわからないくらいの「生活」に根付いたものでした。
 5年生は、算数で「小数×小数の筆算の仕方を考えよう」という活動をグループでしていました。整数×整数で出した答えをどれだけ割ればよいのかを考えていました。小数×整数で学んだことを生かしながら、喧々諤々の様子での話し合いでした。担任が、困ったグループや意見が分かれたグループに発表をするようにしているので、学級全体が必死に考えることになっていました。6年生は、分数の複数のかけ算を簡単に解ける方法を考える活動をしました。約分だということを知った子どもたちは、担任が出した超難しい(と思わせる)問題が解けて「あっ、なあんだ」と叫んでいる様子にお邪魔しました。算数の「すっきりする」瞬間に出会えました。
 本校への訪問の際に、いつも「子どもが楽しそうに授業をしている。それは教職員が楽しそうだから」ということを言っていただきます。教職員が「楽しそう」にできるのは、前日までの教材、子どもへの真摯な向き合う姿勢があってこそです。

みんなで創る プール掃除

2023-06-05 16:50:47
 今日の5、6時間目(1~3年生は5時間目のみ)にプール掃除を実施しました。昨年度までは、高学年だけで実施していましたが、今年は全校で取り組むこととしました。理由は、全校児童が使うプール掃除を全校で行わないことは「自分たちで創りあげる学校」ということにならないのではないか、さらに高学年にとっては「なぜ自分たちばかりが汚いプール掃除をしなければならないのか」という「やらされ感」を持っているのではないか、という考えからです。
 プール掃除の前に2年生の子が、「校長先生もやるんですか?やらないといけませんよ。だって大人だもん。」と言いましたので、「だから大人の2年生もプール掃除をすることになったんだね」というと「そうだよ!」と嬉しそうに応えていました。
 しかし、プールを見ると入るのに二の足を踏むほどの汚さでしたので、2枚目の写真のような姿を2、3年生がするのは当たり前でしょう。しかし、1年生の「プールサイドにあるいらないものを取り払う隊」(3枚目)の働きを見た子どもたちは、だんだんと真剣みを持っていきました。水をかける役、磨く役などの役割分担を作ったり、息を合わせて一直線にきれいにしようとしたり、自分たちで工夫をし始めていました。2、3年生でどれだけできるのかと思ったのですが、杞憂でした。子どもたちの持つアイディアややる気はとても素敵でした。
 大プールは4~6年生が行いました。5枚目の写真のように、膝をついてまでして床をきれいにしていました。「くさい」「汚い」という声も聞こえながらも、自分たちがきれいにしないとプールに入れないという危機感を持って取り組んでいました。水をかけたりかけられたり、プール内で転んだり滑ったりすることは、実は「楽しい」ことでもあります。(これくらいの楽しさがないと、あの汚いプールの掃除はやってられないこともあります。)
 最後のシャワーでは、やり切った感満載で気持ちよく水浴びをしていました。しかし、一度ついた汚れやにおいはシャワーなどでは消えることはないでしょう。きっと、ご家庭でご迷惑をおかけしていると思います。お手数をおかけしますが、どうぞ洗ってやってください。
 50人の子どもたちの力できれいにしたプール。先日の運動会に次いで、みんなで創りあげたという満足感を持つことができました。

音楽会の練習 演奏から合奏へ  ICTの利活用

2023-06-02 17:03:25
 今日の3時間目が始まる5分前に音楽室をのぞくと、3、4年生がもう座っていました。そして、担任の先生から「今までは音楽会の曲の演奏をしていたけれど、今日から合奏をするよ。だから、今までなら『できたね。よかったね。』だったけれど、これからは『合わせるためには、違っているところを直して』というように、厳しくなるよ。」という話を聞いていました。段々と背筋が伸びていくのがわかりました。1枚目の写真は木琴・鉄筋グループの練習風景です。先日まで、教職員が隣にいてもらってやっていましたが、「今日も頑張るよ」とリーダーの掛け声のもと、練習を始めていました。「自分たちで」できることへの喜びや自信が見られるメンバーでした。「おれ、完璧だよ。」というつぶやきも聞かれました。2枚目の写真は、リコーダーパートの練習風景です。パートリーダーから気を付けること、目標などの説明がありました。その後、練習時間を考えて、1番できていないところだけを集中的にやっていこうと話し合いで決定しました。「ここは、〇〇のようにしたほうがいいよ。」「これは、ぼくの演奏を聞いてみて。それを真似てみて。」と声を掛け合いながら「自分たち」で練習をしていました。きっと、「心に響く」合奏になっていくと思います。
 3枚目の写真は、2年生の算数の長さの学習の一コマです。竹ものさしを使って、cmとmmを使って長さをあらわすにはどうすればよいのかを話し合っていました。竹ものさしの実物ではなく、学習用のビッグタブレット上の「竹ものさし」ですので、個々の考え方を共有することができますし、測るときの考え方を書き込むこともできます。1mmが10個集まって1cmになることがよりわかりやすくなっています。
 4枚目の写真は、1年生の学習用タブレットへの挑戦風景です。先日紹介したとおり、初めての学習用タブレットを渡してもらい喜んでいた1年生が、自分たちで検索エンジンを開いて、ひらがな練習アプリでひらがなの練習をしていました。「お気に入りの追加」という作業もできるようになったようです。「わかった」「できた」の積み重ねをしている1年生ですので、できなくても「もう少しやってみればできる」と思ってトライし続けてきた結果だと思います。
 5枚目の写真は、2年生と5年生が合同で行った「プログラミング」の学習です。様々な指令をつなぎ合わせてミッションをクリアしていく活動です。プログラミング思考は、見通しをもつこと、行動の順序性を考えること、失敗しても粘り強く取り組むよさを知ること、などを必要としています。2年生だけでは難しいですが、5年生と一緒に、段取りを考えながらミッションをクリアできるように試行錯誤を繰り返していました。2年生と5年生が、うまく自分の言葉を使って、折り合いをつけながらミッションクリアに向かっている姿は、本校がめざしている課題解決能力の育成の一端をあらわしているようです。
 3枚目から5枚目の写真のように、本校ではICT利活用を頻繁に行っています。話を聞く・話す、自分事として真剣に取り組むといったことが基本としてできると、ICTの利活用はより一層効果が見られると思います。6枚目の写真は、6年生のローマ字に挑戦している様子です。中学年の時に一生懸命覚えたのですが、忘れたところもあるようです。「これでは、タイピングが遅くてタブレットで考えを書いたり、検索したりするときに困るだろうな。」という校長の一言で、より一層自分事として取り組もうとする姿が見られました。これも、ICTの利活用とそれ以外の学習とのつながりの重要性を物語っています。

自分の方法で 自分から取り組む 振り返ることのよさ

2023-05-31 17:19:33
 今日6年生の教室に入ると、いつも以上に真剣な雰囲気が漂っていました。1枚目の写真のように、漢字ドリルに書いてある字をひたすら「一、二、三…」と画数を言いながら空書きしていました。覚えたという自信がついた子から担任のところに行っていました。「はい、この字を書いて」「次は、この字の熟語を3つ言って」と担任が問題を出します。何度も書く子、集中して1回書く子、ミニテストを自分でやる子、様々な方法で漢字を覚えていました。すると、3年生教室でも同じような光景が見られました。自分のわかる漢字とそうでない漢字を明確にするための自己テストをしていました。これでわからない字「だけ」を練習していくようになっていますので、いつも以上に真剣で、今までに習った感じを総動員して思い出していました。双方とも、担任が示した方法で「やらされる」のではなく、自分自身の方法と今までの経験を使って漢字を覚えていますので、自分への責任が重大になってきます。自分自身の手で「漢字力」をもぎ取っている気迫が感じられました。
 3枚目の写真は5年生の運動会の取り組みについての振り返りです。今回の運動会は、集団の力、自分や友達を生かす力、自分で考える力、協力する力を伸ばすことが目標でしたので、それぞれの力がどれだけ身についたのかを自己評価していました。自分の取り組み方が5段階でどれだったのかを、一つ一つ吟味しながら選んでいっていました。その結果をグラフにあらわしていますので、自分がどの力が伸びて、どの力をこれから伸ばしていけばよいのかが一目瞭然となります。それはとても緊張することのようで、ここにも真剣な雰囲気が漂っていました。4枚目の写真は、1年生の4月からの生活目標の振り返りの様子です。入学してから、ほとんどの子が運動会でのことが目標になっていましたので、どれだけがんばったのかをしっかりと考えてかいていました。「どうして速く走れるようになったのかな」と担任に聞かれた子は、「だってね、ぼくは腕をね、右、左ってね」と自分なりに考えた走り方を説明していました。それを友達はうれしそうに聞いていました。がんばったことを、みんなで穏やかに聞きあっている姿がとても印象的でした。
 自分が考えたことやこだわったことを確かめることや、自分の取組をふり返ることは、自分を理解するためにとても必要な活動です。さらに、そうした自分を知る活動は、学習でのまとめにおいても発揮されます。5枚目の写真は5年生の理科のまとめの様子です。植物の成長に必要な「モノ」は何かを予想して、確かめた結果をまとめていました。自分の予想と同じところ、違うところをしっかりと見極めて自分の学びとしてとらえていました。
 6枚目の写真はロング昼休みの音楽室の光景です。自主的に集まった3、4年生の子たちは、担任の先生とともに何度も音楽会で演奏する曲の通し練習をしていました。「結構うまくなったんじゃないかな」「あとはEのところだな」などと、自己分析をしながら練習をしていました。先程の漢字練習ではないですが、「やらされ」ていないので、とても楽しそうです。そして、めきめきと上達していましたし、練習の質も高かったです。
 家庭で「宿題しなさい」といわれないと取り組まないということをよく聞きます。残念ながら、「やらされ」感を持った時点で、成果が見られないことが、今日の本校の様子からも証明されました。