阿用小学校


生きて働く知識・技能の育成のためには

2022-06-17 15:48:44
 1枚目の写真は、5年生の算数での子どものノート(タブレット)です。「0.4mのリボンは120円。1mでは?」という問題でした。写真にある図を使って説明していました。式は120÷0.4=300ですので、答えは300円ですが、ある子は「1より0.4が大きいのはおかしいじゃないかな」とつぶやいていました。確かに、この図ですと、1mより0.4mが大きくなり、答えは120円より少ないことになってしまうことが言いたかったのだと思います。2枚目の写真は、6年生の授業でのノートです。「3/8mのホースの重さは4/7kg。1mの重さは?」という問題でした。式は「4/7÷3/8=4/7×8/3」となるはずです。なぜ、わる数を逆数にしてかけるのかということを理解することも含め、この図が理解してかけるようになることは大変重要なことです。1枚目の図と、見方・考え方は同じです。つまり、1枚目の写真の図を見て「おかしいじゃないかな」と気付き、つぶやいた子は素敵なことに気付き、これから深い学びへと進むチャンスを生んだと言えます。
 こうした見方・考え方は、保育園などでの「泥団子1個、2個・・・」と数えたり、「お母さんには2個あげる。お父さんには1個。」などと分けたりする遊びが非常に重要な経験と言われています。その経験を、足し算や引き算に活かしていくはずです。はじめは、「3+5=」を右指3本、左指5本出して8本という作業から始めていきます。これを数字で覚えるだけですと、恐らくこうした1、2枚目の写真のような図はうまく書けないと思います。
 はじめは、指や実物を使って計算していくことを経ていかないと、結局その子が「やってみよう」という気持ちになって解いていくことにはつながりません。3枚目の写真は、3年生の総合的な学習の時間の様子です。「ローマ字表」を使いながら、インターネットでの調べ活動をしていました。ローマ字をしっかり覚えておかないといけないという考えもありますが、こうした子どもの必要感のなかで、子ども自身が面倒くさくても一字一字、表とにらめっこしながら入力していくことが大切だと考えます。
 4枚目の写真は、5年生の理科ですが、全員が頭とつきあわせて「メダカ」を探していました。どんなことにも意欲的に取り組む学年ですが、この時間は特に目の色が変わっていました。教科書やタブレットで「メダカ」について学ぶことも考えられますが、やはり実物にこだわる姿勢が素晴らしいと思います。4年生は、総合的な学習の時間で「川」についてイメージするワードを関連づけて図に表していました。生まれてから身に付けてきた多くの雑然とした「川」の知識を、自分なりに図で整理することで生活と学習が結びついていくと思います。一見、時間がかかっている、面倒くさい、前の学年の学習のようで簡単のように見えることが、学びには非常に大事であると再認識させられる1日でした。
 最後の写真は、1年生の5時間目の道徳の様子です。絵から譲り合いについて考える授業でしたが、9名全員が背筋をぴんと伸ばして授業に取り組んでいました。たった2か月ですが、給食が終わっても、こんなに姿勢よく取り組める体力がついたことに喜びを感じました。
 

一人一鉢

2022-06-16 15:23:42
 本校が教育課程の重点的な取組のひとつとして田、畑、花壇での栽培活動があります。その一貫として、「一人一鉢」があります。本校校務技師が種から育てたほうせんかや百日草を子どもたちが、決められた場所に植えていきます。本日は、先陣を切って2年生が植えていました。1年生から植えていること、畑も毎日通っていることもあり、手慣れた様子で植えていました。この活動を通して、一人一人が責任を持って毎日水やりやお世話をすることを通して、生命の尊重や自然への親しみを育てることはもちろん、全校での取組ですから、一人の努力の重さを確信することができることから「努力」する心地よさを味わったり、重要性を理解したりすることもめざしています。
 1、2年生は百日草、3、4年生はマリーゴールド、5、6年生はダリア、全校でほうせんかを植えます。子どもの送迎や公開授業の時に、ぜひご覧いただければ喜びます。その際、本校校務技師が、雨の日も夏日の炎天下の日も、黙々と土作りの段階から一人で100余の花を種から育てていることも思い出していただくと喜びます。こうした取組により、「命をつないでいる」ことの実感をもってくれることを望みます。
 昨日から、本校は家庭訪問です。子どもたちは5時間目を終えて、全校一斉に下校しています。一斉下校の際には、児童代表が自分が感じた素敵な行動をしていた友だちのことを紹介します。そして、その後、「そういった姿は阿用小学校が大切にしている〇〇だと思うので、みなさんもこれから取り組んでほしい」と言った内容を結びにかえて話します。子どもが子どものことを褒め、それを全校に広めようとする、そうしたあいさつを、どんな子どももできることは、とても素晴らしいことです。明日、どんなことをいうのか、今から楽しみです。
 保護者の皆様には、お忙しい中お時間をつくっていただき、ありがとうございます。

「学び」の積み重ね 

2022-06-15 17:25:45
 今日、「食の指導」として1年生に栄養教諭が来校されました。給食がどのようにしてつくられ、食べた後の食器や残飯がどこへ行くのかを実物や動画を交えて説明していただきながら、「みんなでいっしょに楽しい給食にするには、どんな約束が必要なのか」を考えました。食べる際に気をつけることとして、子どもたちからは、手悪さをしないで残さず食べることやコロナ禍らしい静かに食べることの発言が出ました。先生も褒めておられましたが、「お椀につくご飯粒をきれいに食べる」という意見がありました。先生は、説明した給食センターのことを踏まえて、「そうしてご飯粒をきれいに食べてくれるだけで、給食センターで働くみんなは『楽になってよい』と喜ばれるよ」とおっしゃいました。加えて、『そうした、みなさんが給食を作っている私たちへの思い』は伝わるものですよ」と笑顔でおっしゃっていました。とても深い一言でした。1年生の子どもたちは、自分たちのしていることが、これだけよいことなんだと言うことを実感するにはもう少し時間が必要かもしれませんが、素敵なことにこだわる1年生の子どもたちだと思います。
 4、5枚目の写真は、3年生の係活動の様子です。クラスのために何かをする「係」の準備をしていました。「これは、~をして、みんなを楽しませようと思っています」「これは、お笑いですよ。3年生のみんなはお笑いが好きですから」とうれしそうに話してくれました。人を楽しませる自分を楽しんでいる3年生の表情はとても生き生きしていました。運動会や全校での活動で、全校のために自分のできることは何かと考えててきぱきと動いている3年生の姿も凜として好きですが、目尻がずっと下がって、表情が崩れながら「みんなのために」と取り組んでいる3年生もうれしくなります。1年生、3年生のこうした「誰かのため」に何かをする(考える)ことの良さを味わう活動を通して、将来の「社会に貢献できる」ことができる大人へと成長していくことが分かります。
 6枚目の写真は、4年生のわり算の筆算の学習の写真です。この前の時間では、120÷4を図や今までの学習したことを使って、「10を12個、12を10個・・・」などと数のまとまりを考えながら、今までに習ったわり算でできるようにしていました。そして、これは、わり算の筆算を順を追って解いていく「取扱説明書」のようにして「72÷3について」考えていく学習でした。まず、「7÷3で2をたてて」「ちょっと待って、「7」というのは」「本当は70で、10が7つのことです」などと、「取扱説明書」の意味を子どもたちと確認しながら解いていっていました。人の「理解」の仕方の特徴は、実物で実際にやること、図や表、写真などで考えたり覚えたりすること、言葉を話したり聞いたりして考え、覚えること、順を追って(段取りをして)考えたり覚えたりすることの4つがあると思います。学年を追って、様々な教科、内容で、こうした4つの特徴の「理解」の仕方で、多くの知識、技能をはじめとした資質・能力を身に付けていくことで、将来自分なりに活用することができる力となっていくと言われています。こうした4年生の授業を本校は大切にしていこうとしています。
 1年生、3年生の先に挙げた活動も、同様で、今日学んだことがすぐに効果が現れることはないですが、様々な経験を通して、社会に貢献しようと主体的に行動することができる力につながっていくと考えます。

笹巻き 食文化のつながり

2022-06-14 17:00:00
 今日は、寿会女性部から8名の方にボランティアとしてお越しいただき、1、2年生が笹巻き体験を行いました。はじめに、「〇〇自治会の~です。よろしくお願いします」と緊張した面持ちでそれぞれが自己紹介をしました。2年生は、昨年度も行っていますので、「昨年度一緒なグループだったよ」とボランティアさんとお話しする場面も見られました。笹巻きの作り方について説明を聞いた後、ボランティアの方にお餅をこねてもらいました。「がんばれ」と声援を送っている子どももいました。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、手袋をしての作業ですので、こねる作業は子どもはしませんでした。
 そして、笹にまく作業を子どもとボランティアの方で行いました。ただでさえ、細いひもを結ぶのは難しいのに、手袋をしているので子どもたちは悪戦苦闘していました。ボランティアの方は、「うん、そうやって、そう!がんばって」と声援を送ったり、できるところまで代わりにやってから子どもに渡したり、それぞれの子どもの気持ちや願いに沿った形で教えていただいていました。「教えてください。」とはっきり言って教えてもらう子もいれば、「うーん」と言って教えてもらうことを待っている子もいました。中には、家族の話をしている子もいました。
 振り返りでは、ひもを結ぶことが難しくてもがんばったことや、ボランティアの方に教えてもらったり一緒に作業できたりしてうれしかったことなどを、敬語を使いながら話していました。ボランティアの方は、子どもたちといっしょに活動できたことが楽しかった、うれしかったとおっしゃいました。中には、ご自分のお孫さんはもう大きくなったから、子どもの声を聞くだけでとても元気になれると言ってくださった方もいらっしゃいました。
 笹巻きは、子どもの健康を祈ったり、田植えが無事行えたことを祝ったりするための昔から大切にされてきた文化です。こうして、そうした昔からの人々の願いを含めて、子どもたちに受け継がれていくことは、非常に大切です。子どもたちは、砂糖醤油やきなこで食べると言っていました。ぜひ、家族で笹巻きを食べながら、そこに込められた大切な「心」について話していただくと喜びます。
 さて、給食でカレイがでました。中には、何も残さず食べている子もいましたし、身を残さず骨だけにしている子もいました。「〇〇ちゃん、食べるのがうまいね」などという声がすると、どのクラスでも何人かは「あっ、もう少し食べてみよう」と骨についた実を箸できれいにとって食べようとします。魚を食べる、もったいないので「きれいに」食べるというのも、我々が受け継いできた大切な食の文化だと思います。気のせいか、笹巻きを行った1、2年生の方が、上学年よりきれいに魚を食べていたような気がします。 

歯みがきと笹巻き

2022-06-13 18:44:32
 明日は、1,2年生は笹巻きを地域の方と行います。本日は、地域の方のご厚意により、笹とりをさせていただきました。およそ20年近く、毎年笹を取りに行かせていただいております。今年も、1、2年生が笹を取りに行かせてもらい、その後本校家庭科室までトラックで搬送をしていただきます。その際に、「もう来年の笹とりは始まっている」とおっしゃいました。1枚目の写真にあるように、大変立派な笹を毎年ご用意いただいています。立派な笹は、自然に育つわけではありません。しっかりと育つためには、日頃の管理が必要なのです。また、子どもたちが笹を取りに行けるように道をきれいにしていただいていますが、それも日頃の管理が必要なのです。「阿用の子どもたちのために」という言葉で済まされるほど、簡単なことではないということを改めて感じました。そうした積み重ねで、毎年本校の子どもたちは笹巻きの体験ができ、地域の文化に触れることができています。1番はじめに体験させていただいた「子ども」達もそろそろ親の世代になっていますが、こうした立派な笹で20年近く笹巻きを作らせていただいていることは、本校のみならず地域の誇りだと思います。
 さて、3枚目のグラフは、現在3年生以上の子どもたちの令和元年からのむし歯の総数です。グラフを見ていただくと分かるように、今年度急激に減っていることが分かります。(その分、治療済みの歯が多くなっています。)これは、様々な要因がありますが、大きなものとして「歯と口の健康づくり」を昨年度から始めたことが考えられます。学校歯科医師さんのご理解とご協力のおかげで、昨年度、歯科検診を年に2回(今年度も予定)行いました。また、毎日、給食後には、歯みがきの動画や音楽を流して一定時間、適切な方法で歯みがきができるようにしています。長期のお休みの間は、個人タブレットを活用して歯みがきチェックもしています。こうした取組を毎日行っていることが、むし歯の減少につながったと考えます。当然ですが、保護者の皆様が、しっかりご家庭でも歯みがきについても声がけをしたくださったり、歯科検診後にお仕事を休まれて受診してくださったりしていただいたことが、子どもの心に根付いていった結果だと思われます。
 歯みがきと笹巻き、一見関係ないことですが、子どもの育ちは、日頃の我々の関わりが非常に関係することがわかるエピソードだと感じました。
 明日、1、2年生は、本校の伝統「笹巻き」を体験します。そうした、地域のみなさんの「日頃の関わり」によることを知らせることも、我々の大きな仕事だと考えています。