阿用小学校


楽しみを見出す

2023-12-19 17:50:54
 最近1年生の教室を通ると、書き取りテストをしているはずなのに「歓声」が上がっていることがよくあります。「あぁ、こりゃ難しいわ。」「ナイスな問題作ったね。」といった会話が聞こえてきます。黒板を見てわかりました。子どもたちが問題をつくっているのです。商品や企業の名前がありますので掲載できませんが、「ディスカウント」や「スマッシュ」など、かなり難しい問題を作成しています。「明日はどんな問題を作ろうかな。」「明日はお菓子のテーマがいいな。」などと、いつの間にか「テスト」を楽しみにしていました。そんな1年生が、午後にまた楽しそうに書き順テストをしていました。「問題を出します。『ネ』。はいいくよ。『1』、『2』。」という子と、それに従ってホワイトボードに「ネ」を書く子がいます。ホワイトボードに書いた瞬間に、「正解。」という声が聞こえます。これも、カタカナの中でも難しい字を見つけて問題を出すという才能が必要です。
 2枚目の写真は5年生の算数の活動です。5年生は様々な四角形の面積を学習しています。「あっ、これ簡単。」「もう2つ求め方が思いついた。」「ぼくは誰もが一番最初に考え付く方法から書いてみようかな。」などという声が聞こえてきます。初めのころは、四角形の図形の書いたプリントが配られると、ものさしを持って図形とにらめっこしていました。そのうち、ものさしで図形の中や外に線を引いたり、図形そのものを回転させたりして、自分が知っている面積の求め方で解けないかを何度も確かめるようになっていきました。台形の面積の公式を覚えるより有益でかつ楽しく学べる活動だと思います。
 3枚目は3年生の国語の意見文を書く活動の様子です。「物語を味わうには本とテレビ、どちらがよいか。」という「問い」に対しての意見文を書いていました。完成した作文を読んでいると、「先生。これ見てください。私、次の意見文をつくっているんです。」と話しかけてきました。そして、「(4枚目の写真)これ見てください。その意見文を作った時の表を参考にすれば簡単じゃないかなぁと思って、表をつくっているんですよ。」と嬉しそうに紹介してくれました。「最初に作った表さえあれば、後は応用するだけだから、『何でも来い!』だね。」と言うと、「そうだね。」とまたまたうれしそうに返してくれました。
 5枚目の写真は今日の給食です。ケーキでした。本当は、1年生と6年生の子のケーキを楽しそうに食べている様子を紹介したかったのですが、あまりにもアップで採ったので、割愛します。お口や指にべっとりとクリームをつけて食べる子、それを嬉しそうに見ている子、やはり仲間と食べることは楽しいことです。お行儀も大切なマナーですが、まずは楽しくみんなでワイワイ食べることも食の基本だと思います。
 最後の写真は5、6年生の書写の様子です。書初めの練習を始めました。明日は3、4年生です。6年生のある子は、「最高にうまく書けました。」と笑顔で下校していきました。さて、3学期に提出される「作品」を見るのが楽しみです。

やっぱり楽しいな

2023-12-15 14:29:11
 今日の5校時に2年生教室へ行くと、いつになく緊迫した雰囲気になっていました。学級活動で今学期の「お楽しみ会」の内容決めをしていました。自分のしたいことと友だちのしたいこと、当然違います。そこがおもしろいです。多数決をしますが、「なかなか結果が受け止められないのでは。より険悪なムードになっているのではないかな。」と思いながら別の学年の教室に行きました。すると、2枚目の写真のように静かに「お楽しみ会を成功させるための」ワークシートを担当ごとに考えていました。自分のしたいことをすることが目的ではなく、学級のみんなが楽しむことが目的ですので、結局何をするかではなく9人で楽しくすることが大切だということを、しっかりとらえていることがよくわかります。
 3枚目、4枚目の写真は3年生の活動の様子です。体の性と心の性について考える活動でした。まず担任が体と心の性について一人ひとり捉え方が違うことを説明しました。するとある男の子が、「ねぇ、みんなそれぞれ違っていいんじゃないの?」とぼそっと言いました。その後の活動で、「泣かない」「力が強い」「髪が長い」などのことを男の子らしいこと、女の子らしいこと、どちらも言えることの3つにわけた活動が4枚目の写真です。この子は、どれも「男の子」「女の子」で分けることではないという考えを持っていました。ほかの子が3つにわけていてびっくりしたようです。しかし、よくよく考えてみると「どれも『男の子』でなくてはいけないことはないのではないか。」という結論に至ったようです。そこで、「みんなそれぞれ違っていいんじゃないの。」という最初のつぶやきが生きてきたと思います。しっとりと「自分事」として考える7人の素敵な「学び」でした。
 5、6枚目の写真は、4年生の理科の活動です。「温度が上がると体積は大きくなるか」という「問い」を確かめる実験をしていました。通常の温度では、鉄の玉がスムーズに通る輪があります。子どもたちは、鉄の温度が上がれば、体積が増えるので輪に玉が通らなくなるのではないかという予想を立てました。そこで、熱湯の中に鉄の玉を入れて輪を通すと、スムーズに通ってしまいます。全員で意気消沈の様子でした。それが、写真にあるようにボンベガスコンロで熱すると、玉が通らなくなります。うれしくて、どのグループも驚きの表情です。全員が、予想が正しかったことが証明されて、非常に喜んでいました。担任も私も「一班くらいはいくら熱してもスムーズに通ればよいのだが。」と思っていましたが、実験方法が正しかったのでしょう。全員の笑顔で授業が終わりました。
 どの活動も、学級全体が「心の安全」があるからこそみられる姿だと思います。こうして思う存分楽しめることこそ、学校の醍醐味だと思います。

全校児童による学年ごとの「8の字跳び」

2023-12-14 16:07:51
 連日縄跳びのことを紹介していますが、今日は全学年がそろって「8の字跳び」を業間体育で取り組んだ様子をお伝えします。各学年の取り組み方がおもしろくて見入っていました。1年生は、まず長縄を跳び越える術を知らないので、担任が一人ずつにアドバイスをしています。3年生以上は試行錯誤をしながら少しずつ調整しています。縄の長さ、回す速さ、跳ぶ場所、待つ場所などを少しずつ意見を出し合いながら作戦を変えていっていました。
 2年生は、担任はずっと体育館の後ろで見守っていました。(子どもたちが「回してください。」とか「教えてください。」とか言わないので)なかなかうまく続きません。そこで9人は知恵を絞って、他の学年の跳ぶ様子をしっかり見つめ、よい所を盗もうとしています。そして、「あっ、こうするといいんじゃない。」と言っては試していました。そんな中で、6年生は6人ですので、子どもだけで回すと跳べる人数は4人となります。そこで担任が回すことにしたようです。1~5年生に負けるわけにはいきませんので、他の学年とは違った「熱」がこもっています。それにつられて担任もだんだんとヒートアップしてきました。恐らく本人は気づいていないと思います。
 その後、「社会を明るくする作文」と「全島根小中学校図画作品展」の表彰をしました。担当から「名前を呼ばれるということはとても素敵なことなので、思い切り大きな声で返事をしましょう。」という声がけがあったこともあり、気持ちの良い返事をしました。賞状をもらう子も、今までの様子を思い出して、リハーサルなしであったにもかかわらず、きびきびとしたとてもうまくもらうことができました。そうした姿を、ほかの子どもたちが自分たちのことのように、または「次は自分が。」という気持ちを持って、つまり「自分事」として見つめていました。
 6枚目は終礼の様子です。友だちの今日1日の素敵なところを発表するという活動をしていました。しっかり発表する友だちの方を向いて聴いていました。こういう雰囲気で終礼をすると、気持ちよく帰宅でき、明日も頑張っていこうという見通しが持てそうです。

子ども同士で 深める広げる意味

2023-12-13 15:00:00
 今朝ある男の子が登校直後に、養護教諭に対して「足の付け根が痛くて…」と足を引きづりながら訴えてきました。その後保健室で養護教諭が詳しく聞いていると、近くを通った4年生の女の子と6年生の男の子が心配して「どうしたの?」と聞いてきたそうです。そして症状を聞いたお兄さん、お姉さんは「昨日初めて業間体育で縄跳び(1枚目の写真)したよね。〇〇ちゃんも一生懸命跳んだんでしょ?。」「うん、跳んだよ。」という会話の後、「だからだよ。ぼく(私)も筋肉痛だよ。」とお兄さんたちは言います。「なるほど。そうか。一生懸命跳んだから痛いんだ。今日はなわとびやめといたほうがいいの?」と男の子はキラキラした眼で聞きます。すると「筋肉痛は体を動かさないと、余計に痛いんだって。今日も跳んだ方がいいと思うよ。」とアドバイスをしました。「よぉし、今日も練習するわ。」と引きづっていた足で走って保健室を出ていきました。業間や昼休みの体育館では、1月に実施する縄跳び大会に向けて、個人又は学級で練習をしている様子が見られます。「先生。みててよ。」先生、大繩とび回して。」と、担任たちは3時間目以降の授業の準備を度外視して(させられて)つきあっていました。担任たちが「なわとび大会に向けて練習しなさい。」と指示してやっているのではないので、とても生き生きした表情を見せています。
 4枚目の写真は4年生教室の休み時間の様子です。子どもたちが、前の時間にわからなかったところを黒板を使って「あぁでもない。こうでもない。」と話し合っている様子です。5枚目は5年生の国語の様子です。グループで話し合った後に、友だちの考えと出会って自信が芽生えてたくさんの子が発表したい気持ちになっています。子ども同士で声を掛け合ったり、意見を交換し合ったりすることで子どもたちはやる気が出たり、理解しやすかったりすることがわかります。
 そうした子ども同士が関わりながら高め合えるようになることの基盤となるのは、やはり家庭での役割(仕事)を責任を持って取り組むことだと言われています。1年生は、生活科で「お仕事」(お手伝いと言わないところが素晴らしいですね。)についての振り返りをしていました。子ども扱いして、なんでも「してあげる」、なんでも「教える」「しつける」ということではなく、一人のいなくてはならないかけがえのない存在であることを尊重してみると、案外子どもたちは、大人が思っている以上の力を発揮するものです。

夢を持つ 自分らしさを出せる安心感

2023-12-13 13:15:30
 先週の水曜日に、健康委員会主催の「あよっ子ショー」を実施しました。今回の委員会のメンバーが考えた児童会活動です。自分が得意だと思うことを全校に披露するという初の試みでした。果たして出場する子がいるのかなと危惧していましたが、ふたを開けるとたくさんの出演者(参加者)がいました。自分が得意なマット運動、社会体育で培ったバレーやサッカー、野球の技などの披露をしました。また、ピアノの披露をした子もいます。
 きっと、披露する前はドキドキしていたと思います。いつも練習をしていて、近くの友だちや保護者の方に「うまい。」と言われたことはあっても、全校児童に受け入れてもらえるのかどうかは心配です。加えて、うまくできるかどうかも気になります。1年生の作文で、「6年生の〇〇さんが『うまい』と言ってくれてうれしかった。」と書いてあるのを読むと、そんな気持でも挑戦した子どもたちに感心します。
 5、6枚目の写真は6年生の披露の様子です。どうも6年生の学級では、「せっかくの『ショー』だから、みんなが盛り上がるようなことを披露しなくちゃね。」といって、「演目」を考えたようです。そこで「手品」と「こま」を選んだようです。6年生が1年生の時、こまが回せなくて休み時間はずっとこまを練習していたことを思い出します。だからこそ、1年生がこれから生活科でこまなどに挑戦することを見越して披露することにしたのでしょう。
 私事ですが、小学校1年生の時に友だちにこっそり「陶芸家になりたい。」と告白しました。すると、その友だちは「君は不器用だし、絵も下手だから無理だよ。」と笑顔で言われたことを思い出します。私も本校の子どもたちに披露すれば、ひょっとして「陶芸家」になれたのかもしれません。
 自分らしさを表現することはかなり勇気がいることですが、こうして受け入れてくれる仲間がいることで、「自分てすごいんじゃないかな。」と思うことができます。それが「上手」かどうかではなく、「すごい」と思って続けたり、また次のことにチャレンジすることの方が大切だと思います。そうしたことの積み重ねが、キャリア形成、社会的職業的自立のための資質・能力の育成だと思います。