阿用小学校


学んだという実感を得ること

2023-11-07 08:58:27
 今日2年生教室をのぞくと、一人ひとり得意な九九を披露していました。友だちは固唾をのんで聞いていました。その後、ビッグパッド(大型テレビ)に出されたタイマーを見ながら九九を言っていました。時間内に言えるように挑戦していました。できなかった子に対して担任は、「その悔しさは今ではなく、明日できるように頑張るエネルギーに変えて。」と優しく話しかけていました。「2×2」がどうやって「4」になるのかを考えるなど、かけ算の意味を実物や図などを使って学ぶことが重要ですが、こうした地道に練習していくことで何かができるようになる、できない場合はほかの方法で試してみるという体験は10歳までにたくさんすればするほど、後々の勉強や生き方に効果があると言われています。根性で時間をかけて必死にやらせる、「これができなかったら~はだめだよ」といった罰を与えるなどということではなく、子どもが「覚えたい」という願いを持ちながら試行錯誤することに意義があると考えます。がんばれ!2年生。
 4年生の教室に入ると、国語で物語文「ごんぎつね」の学習をしていました。「ごんはどんな性格なのか。」を考えていました。「きっとさみしがり屋さんなのではないかな。」「いたずら好きじゃないかな。」などと発表していました。ほかの子は「あぁ、そうか。」「えっ、そうかなぁ。」と思ったり、思わず声に出したりしながら聴いていました。4枚目の写真は、「一つの花」という物語文の学習での初めのころの「なぜ『一つの花』という題名なのか」という問いに対する自分の考えを貼ったものです。学習の途中に教室に入ると、「あぁ、なるほどね。〇〇ちゃんの言いたいこと、わかったよ。」「だから、お父さんは〇〇したんだ。」などと様々な発見をしていく子たちの姿をみました。恐らく、「一つの花」の学習後に書いた同じ問いへの答えは変化しているのだろうと思います。双方を見比べて、自分自身の「読みの深さの変化」に酔いしれていってほしいと思っています。
 5枚目の写真は、本日松江市にあるサンラポーむらくもで島根県教育委員会が開催した「優れた教育活動表彰」式でいただいたものです。昨年度までの2年間、本校が取り組んだ歯と口の健康づくりについての教育活動に対しての表彰です。知事などの来賓の方もおいでになりました。
 先日実施した開校150周年記念式典、およびそれまでの準備で見せた子どもたちの「自分事として取り組む」姿勢は、「歯と口の健康づくり」で培ったことが大きく影響していると思っております。表彰されたから終わりにするのではなく、2年間の取組を子どもたちのより一層の成長に生かしていきます。

豊かな表現となる条件

2023-11-02 17:00:00
 今日は午後から市の研究大会があるので短縮授業となり、ノーチャイムでの生活となりました。そのこともあってなのか、いつも以上にゆったりと子どもたちが取り組んでいるように思えました。
 1、2枚目の写真は2、3時間目で1年生が行っていた図工の「スタンプ」の活動です。担任が、木の葉に絵の具を塗っていくと「わぁーきれい。」「すごーい。」「どんな葉っぱにしようかな。」などと一人ひとりがイメージを膨らませていました。その後、校庭に出て「自分だけの」木の葉を拾ってきました。形や大きさを見て思い思いの色を塗り、画用紙のどこに「スタンプ」するのかを考えながら取り組んでいました。紙面の都合上1人しか紹介できませんが、この子はとても明るく軽やかな色合いで、踊っているような楽しそうな感じに「スタンプ」をしていました。列をつくって並んでいるよう「スタンプ」している子、様々な色を重ねて塗っている子など思いのこもった作品ができていました。「どの葉っぱが好き?」と聞くと、「これ、だってねぇ。…」とお話が続いていくところからも、子どもたちの思いがあふれていることがわかりました。
 3、4枚目の写真は、2年生の図工の様子です。ここでは一転して、誰も教室にいないかと思うくらい静かに色塗りに没頭していました。「かさ地藏」のストーリーに入り込んでいる子、色にこだわっている子、塗り方が納得いかなくて困っている子、速く塗ることに関心が向いていて担任から「競争じゃないよ。」と言われながらがんばっている子など、ここでもよりよい「作品」にしようと取り組んでいる姿が見られました。
 5、6枚目の写真は5年生の5年生の社会科の授業の様子です。先日、ホシザキ電機に工場見学したことをもとに、工夫や努力していることを付箋に書き上げる活動をしていました。見学メモをじっと見ながら思い出している子、頭に残っていることを思いつくまま書き出している子、速く多く書けるように単語にまとめて書いている子、わかりやすくなるために丁寧に文章で表している子、見学に行っていないのに教科書を見て想像して書き出している子、どの子も時間を惜しんで書き出していました。「あ、あの時にホシザキ電機の〇〇さんがいっとらいた。あれって何だったかな。」と、親切にお教えいただいたホシザキ電機のみなさんの「ご厚意」に少しでも応えようとする5年生の心意気を感じました。
 〇〇をしたい、もっと良くしたいなどという子どもの心から生まれる「願い」は豊かな表現に欠かせません。また、校外で得たにおい、音、人柄などを含めたたくさんの情報も、表現を豊かにする条件です。先日の3年生の学年発表でも証明されました。こうしたときに、一生懸命考えたり、試行錯誤したりした結果が表現として表れてきます。

国際交流 児童総会

2023-11-01 17:00:00
 今日の3、4時間目に、1、2年生は、国際交流員さんとともに国際交流の一環としてベネズエラ料理「アレパ」をつくりました。「アレパ」とは、「すり潰したトウモロコシから作る伝統的な薄焼きパンで、コロンビアベネズエラを中心に様々な国で食べられている。チーズクアハーダアボカドなどを添えたり、分割してサンドウィッチにするなど様々な食べ方がある。サイズ、トウモロコシの種類、加える材料によって調理法が異なる。(ウィキペディアより)」そうです。子どもたちは粉を練ったり、焼いたり(揚げるに近い所もありました。)していきました。1、2年生は、調理活動に慣れていることもあり、全員が積極的に国際交流員さんと話しながら作っていきました。3枚目の写真は、その後のスペイン語での自己紹介の様子です。「アレパ」を一緒に作って食べたおかげで、全員がすらすらとスペイン語で自己紹介をしていきました。
 昼休みには児童総会を行いました。3つの委員会が「どんな学校にしたいのか」「そのために何をするのか」などを発表しました。ほかの子たちは、その発表への質問や委員会の活動についての要望を発表しました。自分事としてよりよい学校にしていこうという気持ちは伝わってきましたが、何か心にグッとくるものがありませんでした。先般の開校150周年記念式典を終えた後で、ハードルが上がっているのかもしれません。しかし、何かきれいな言葉が頭上を通り過ぎているような感じがありました。児童総会が終わってから、子どもたちにそうした感想を言いましたが、子どもたちからは「ちゃんと考えているんだけれど。」といった反応が返ってきました。やはり、私の杞憂だったのかなと自戒しているところもあります。自分たちで創りあげる学校生活の「一丁目一番地」はこの児童総会です。これからの50人の姿を静かに見守っていこうと思います。
 6枚目の写真は児童総会前の表彰の一コマです。先日の蓮花寺登山マラソンの各学年の1位へトロフィーを送りました。1年生もしっかりと礼儀正しくトロフィーをもらうことができました。「いつか自分がもらうときには。」とこれまでの表彰の時の友だちの様子を見ていたのでしょう。何気ないことでも「自分事」としてとらえることで力は発揮できるのだと感じました。

まだまだ成長します

2023-10-31 17:00:00
 先週の土曜日の開校150周年記念式典が終わり、一段落して子どもたちも少しだらっとするのではないかと思って登校すると、1時間目から学びに向かう姿がたくさん見られました。1、2枚目の写真は、5年生です。社会科の学習で木次町にあるホシザキ電機に見学に行きました。どんな製品を、どのように作っているのかなどを工場見学を中心に行いました。今後わかったことを自分なりに整理していくと思います。帰って早速、「ホシザキ電機の製品のトレードマークをお店で探してみよう作戦」の説明を担任がしていました。探す気満々の子どもたちがたくさんいるのを見て、ホシザキ電機さんの丁寧で優しい説明が子どもたちの心に刺さったのだなと思いました。
 3枚目の写真は、実は1年生の活動の様子です。わざと見えないようにしていますが、来週実施する学年発表の練習風景です。1年生がこだわって飼育していた生き物について発表するようです。あまりにもかわいくて笑ってしまいましたが、よりよい発表にするべく「もっとはじめの『ぼ』をはっきりと大きな声で言ってごらん。」と担任のアドバイスが入りました。式典の練習があったためになかなか体育館での練習ができなかった1年生。入学前までに保育園等で生活発表会を自分たちで創りあげてきましたが、体育館という広い場所での発表です。まだまだ伸びしろはありそうです。それにしてもかわいいです。
 4枚目の写真は、4年生が書いたメッセージカードです。式典で学年発表を行った3年生へのねぎらいのメッセージをつくったようです。読んでみると、3年生が練習を重ねて成長していったことへの称賛がほとんどでした。恐らく自分たちが来月学年発表をすることが段々と気になってきたのだと思います。なんだか、自分たちの学年発表をがんばるきっかけとなったような気がすると担任がいっていました。
 5枚目の写真は6年生の学活の様子です。「成長を加速するには、あえて課題点をあげて考えてみよう」ということがめあてとして書いてありました。半年を過ぎ、これからは中学生になる時期でもありますし、自分たちが学校をつくりだしていく正念場でもあります。そうした中で、学級と一人ひとりが今まで以上の成長をしていかなければなりません。「まぁいいか。」では済まされません。そういった状況を理解しているのか、これから知っていくのかわかりませんが、真剣に考えていこうとしていました。自分たちの悪い所を探していくことは結構エネルギーがいることです。あえてそこに挑戦する6年生に脱帽です。
 6枚目の写真は2年生です。「先生、新刊の手洗い場って、どこをきれいにすればいいと思いますか。」と聞こうとする途中で、「だめだよ。(担任の)先生は、ぼくたちが使っているところをぼくたちがきれいにしなくちゃいけないって言われたんだから!ぼくたちで考えないといけないんだよ。だから、先生、ごめんなさい。お騒がせしました。」という子がいました。そこで、実際に手洗い場に行って「あぁでもない。」「こうでもない。」と相談している様子です。
 150周年記念式典が終わりゴールだと思っていたのは、私だけだったようです。子どもたちはまだまだ成長し続けようとしています。

150年の歴史の一コマを刻む

2023-10-28 15:48:45
 今日、本校開校150周年記念式典を実施しました。およそ140名の会となりました。昨日の荒天が嘘のような晴天に恵まれました。およそ1年前から始まった本式典をはじめとした記念事業が形となり、尽力いただいた皆様への感謝の気持ちがより強くなりました。
 その中でも圧巻だったのが、本校児童の発表でした。昨日の準備もそうですが、本校は教職員が高いハードルを求めますが、それを目標として自分たちで考えて努力・協力していった成果が発表に現れました。3日くらい前から緊張が漂っていた3年生へ、直前の全校でのエールによってとてもよい表情で発表を迎えることができました。発表をしている中でも、自分たちで声を掛け合ったり、目で合図をしあったりして成長を続けていました。体調が悪く、一昨日まで休んでいた子もいましたが、そんなことを感じさせないほどの堂々とした発表でした。また、それを見つめる(見守る)全校の子どもたちの温かいまなざしも素敵でした。式が終わってすぐに「校長先生。泣いた?」と嬉しそうに聞く3年生。脱帽です。
 それから全校での詩の群読は、手前味噌ですが、ため息が出るくらい圧倒されるものでした。ある来賓の方からは、「50人とは思えないですよね。あれは300人くらいの声ですよ。」と言っていただきました。一人ひとりが、責任を持って分担する言葉に感情を込めて、心の底から出る声を出しますので、聞いている人にストレートに伝わってきたのではないかと思います。終わったあとには、何か1歳くらい成長したような、自信に満ちた表情になっていました。
 6枚目の写真は、本校が保存していた明治後期からの卒業写真をデータ化したものを披露している様子です。大先輩の様子だと見入る子どもたち、「これは自分たちのころだ。」と見入る大人たち。11月下旬位からパスワードによる公開をします。ご家族またはご親族でご覧ください。
 たった50名の子どもたちが、「あの150周年記念式典の時の発表はすごかったなぁ。」と数十年たっても言われるような「新たな歴史」を創りました。