阿用小学校


イメージしたものを素直にあらわす

2023-06-29 17:05:09
 今日の3時間目は、5、6年生がプール、4年生が校外活動の「阿用川巡り」で校舎には1~3年生しかいませんでした。3学年しかいないからなのか、校舎中がとても静かでした。それぞれの教室に行ってみると、静かな理由がわかりました。どの学年も図画工作の学習を行っていたからです。
 1、2枚目の写真は1年生の様子です。箱などを重ね合わせることで何かをイメージして表す活動でした。図工室にストックしてある箱の中から、自分が「これ」と思ったものを選んで、切ったり重ねたりして「基地」「かえる」「ケーキ」などを作っていました。箱などの形や手触りなどからどんどんとイメージが膨らむようで、話しかけてもなかなか反応してくれないくらいに没頭していました。
 3、4枚目は2年生の様子です。2年生も箱などを重ね合わせてイメージを膨らませていく活動ですが、「ぷくぷく浮かぶ」ことが条件となっていました。「観光船」や大砲をつけた「船」など、箱などからイメージできるものを作っていました。しかし、肝心なのは浮くかどうかです。せっかく作った「作品」が、重かったりつけていたテープがはがれてしまったりして思い通りにいかない子もいました。「少し改良しては浮かせてみて」の繰り返しを粘り強く取り組んでいる子もいました。
 5、6枚目の写真は3年生の様子です。箱の中に自分なりの「世界」をつくる活動です。「家」だったり「カフェ」だったり、思い思いの「世界」を作っていきました。今日のめあては「完成させよう」でしたので、ほとんどの子が今まで以上に細かな作業をしていました。はじめは、家庭で用意してきた素材からイメージを膨らませていくことが難しく、「つくってはやめ」を繰り返していました。自分がイメージする「世界」となかなかマッチしないようで、不完全燃焼の様子の子もいましたが、今日は「先生、これ写真に撮って。」「ここはね、すごく難しかったんだ。」などと自慢げに話す様子がたくさん見られました。
 本校の子どもは、こうした表現活動において「没頭」して、自分の思いを素直に表していこうとします。いつもは、大きな声で発表したり、友だちの意見に反応したりする明るい雰囲気ですが、黙々と取り組むことができます。こうしたメリハリをつけることができることも素晴らしい力だと思います。

思いよとどけ

2023-06-28 17:32:39
 今日の昼休みに、2年生が学年発表をしました。国語で学習した「なまえをみてちょうだい」を2年生バージョンにした劇を披露しました。生活科で探検したところの中からみなさんに教えたい施設の紹介、今月の詩の暗唱、自分たちができるようになったことの紹介など盛りだくさんの内容でした。先日もホームページでお伝えしましたが、「自分で考え、みんなでやってみる」ことを大切に、自分たちができることを精一杯伝えようとしていました。担任は、直前の練習で、「今日は雨が降っていて、体育館の屋根に当たった雨の音がとてもうるさくなります。きっと、みんなの声は聞こえなくなります。」と言いました。加えて、「激しい雨になると、もっと大きい音になります。どう?みなさんに、自分たちの声を聴いてもらいたい?」と言いました。子どもたちの表情に真剣さが増して、今までで一番大きな声でリハーサル最終を終えました。それなのに校長から「リハーサルの出来は、98点。」と言われ、悔しくて、どうすればよりよくなるのかを必死に考えていました(4枚目の写真)。こうした、「より一層よいものをみんなでめざす」ことができるようになった2年生の成長がうれしくてたまりませんでした。
 そうしたこともふまえ、練習以上に大きな声とふりをみなさんに見てもらえました。そうした、「精いっぱい」の「あよっ子魂」は全校の子どもたちに響き、5枚目の写真のように、多くの子どもたちの感想発表につながりました。感想発表をする子も、それを聴く子も、それぞれを大切にしていることが表情を見てもわかります。みんなに自分たちの成長をみてもらいたいという思いが全校に届きました。
 19日からプールの授業を始めていますが、運が悪く、5、6年生は一度も入ったことがありませんでした。今朝も、「今日も雨だから、プールは入れませんか。」「5、6年生にプールの神様はいないんですか。」と教職員に訴えるように、悲しそうに言っていました。「雨が降っていても、水温と気温がある程度高かったらOKになるから、『入りたい』という思いをプールの神様に届けなさい。」などと、気休めのように子どもたちに返すしかありませんでした。それが、6枚目の写真の通り、入ることができました。思いが届きました。
 

ストーリーテリングからの学び

2023-06-27 18:13:33
 今日の2~4時間目にストーリーテリングを、低、中、高学年の3つに分けて実施しました。ストーリーテリングは、画像や身振り手振りなしの、聴覚的情報だけで話の内容を理解する活動です。我々は、様々な情報を受け取り、自分の心と頭で理解していきます。現在では、情報機器も豊富になり、情報のほとんどを画像などの視覚的なものを手助けにして理解していきます。子どもたちは、スマートフォン等のデジタル機器の発達で、大人よりその傾向が見られます。加えて、自然体験や人間関係の希薄さが相まって、なかなか聴覚的な情報のみで、場面を想像したり、登場人物の心情をおもんばかったりすることができにくいと言われています。そういった状況を踏まえ、「おはなしの森」のみなさんは、少しでも子どもたちに物語を味わう楽しさを感じてほしいと、話すときの声色、スピード、間、声の大きさや高低などあらゆることを駆使してお話をされます。一冊の本を記憶するだけでも難しいのに、子どもたちの表情や反応を見ながら、瞬時により一層工夫を重ねながら話を進めていかれるようです。だからこそ、「素直な表情や反応」を出す子どもとそれを感じ取れる「おはなしの森」のみなさんとの人間関係がとても重要となってくるとおっしゃっていました。
 5、6枚目の写真は、4年生の社会でのごみ処理についての学習の様子です。「ゴミは臭くて汚いのに、ごみを処理する人はどんな気持ちで仕事をされているのだろうか」という自分たちでつくった問いについて考えていました。人の役立つことをしているから、地球環境を守る大切な仕事だからという「予想」を立てていました。その後、そうした大切な仕事をしていただくごみ処理をする人に対して「お礼として」できることは何かを考えていました。ごみを少なくする、リサイクルをするなどの「案」が出ました。ここで終わらないのが、この子たちの良い所で、「わかったような気がしているけれど、何にもわかっていないな。もっと詳しく知る必要がある。」という「結論」を出したようです。早速「今日の自学は、これを調べるぞ。」と言っていたようです。「わかった。これはね、~だよ。」「〇〇すればよい。」という「予想」や「案」を素直に出せ、加えて「結局わかってないんだよね。」と結論付けて、次の学びへとつなげることができる人間関係があるからこその姿だと思います。これもストーリーテリングで大切にしておいでである「人間関係」に通じるものを感じます。
 6枚目の写真は、6時間目のクラブ後の様子です。地域の方に教わって革製の「ミニランドセルのキーホルダー」を作ったようです。それを友だちに見せていました。ほかにも、職員室にきて「先生、見てください。私が作りました。先生にはあげません。」と「報告」してくれる子がたくさんいました。世界に一つしかないキーホルダーを作った喜びを素直に表すことができること、温かい人間関係の基盤であると思います。さらに、それが「深い・広い」学びの原点だということをストーリーテリングから学びました。

子どもたちの切磋琢磨

2023-06-26 18:06:54
 6月15日までは体育館から音楽会の練習の様子から活気を感じられていましたが、それが終わった途端、2年生のピンと張りつめた大きな声が体育館に響くようになりました。(1枚目の写真が練習の様子ですが、様子がわかってしまうと、当日のお楽しみがなくなりますので、極力小さくしました。)明後日の28日に実施する学年発表の練習のために体育館を利用しているようです。練習後は、「私の大きな声が聞こえましたか。」「昨日よりうまくなったことがわかりましたか。」と質問攻めにあうくらいの「本気度」が伝わってくる毎日です。2枚目の写真は、よりよい学年発表にするために、「声」と「練習」、「家」という3つの視点のめあてをを考えた思考ツールのクラゲチャートです。一人ひとりが今までの練習をもとにどんなことをこだわるとよいのかを考え、発表をしていました。3枚目の写真は、それぞれの発表を黒板にまとめて書いていました。ある子は、「水曜日が楽しみ。どんどんいい発表になっているから。」と笑顔で言っていました。運動会から続く、自分で考え、みんなで創る発表会にしようという気持ちが伝わってきます。4枚目の写真は、2年生の廊下の様子です。高学年では「当たり前」の帽子の白い所が見えるようにかけることが、2年生で見られるようになりました。本校ならではですが、自分たちで考えて行動しようとする意欲が高くなると、全員の帽子の白い所がみえるようになります。一人ひとりの表情も「大人」になってきました。
 5、6枚目の写真は、先日の3年生の算数の続きです。教室の横の長さを正確に測るという課題に取り組む様子です。最初は、「メジャー持って」「はい、教室の端っこまで行って」と結構簡単にしようとしていました。しかし、担任の「先週はうまくいかなかったんだよね。どうすればよいのかな。」という声がけで、表情が変わりました。「ちょっと、ぴんと張って。」「そうまっすぐに。」「線(板と板の間)にそって。」などという会話が聞こえてきました。
 大人の「ちゃんとやって」という声よりも、数百倍の威力があるのが、子ども同士の「よりよくなりたい」という気持ちでの切磋琢磨だということを教えてくれた、2、3年生の取組でした。

自分なりに考える 意味を解釈する大切さ

2023-06-22 17:00:00
 今日の3時間目に図工室をのぞくと、1年生が長い紙にとても楽しそうな絵を描いていました。長い紙をみて、自分が描きたいものをイメージを膨らませて描いていったようです。たった6人ですが、びっくりするくらいのアイディアが出ていました。1枚目の写真は、「カラフルのはしごを私と猫とネズミががんばって登っている」様子を表したようです。真っすぐな線を長く引くだけでも大変なのに、はしごを描き、そこから自分なりのストーリーを創り出していくところがとても素敵です。2枚目の写真は、「リュウグウノツカイ」を表したようです。実は、この机にはおさまらいほどの「大きくて長い」ものになっています。この子は、そのほかにもロケットなど5枚描いています。その中でこの長い「リュウグウノツカイ」を飽きることなく、ずっと赤で塗り続けています。粘り強く塗りたいという願いをしっかり持ち続けることができたことが素晴らしいと思います。3枚目の写真は、「跳び箱をとんだ〇〇さん(自分の名前)」という題の作品です。一つ一つの段の色を変えて塗ることにも工夫をしていますが、とても高い跳び箱なのに跳べた喜びを表しているところがこの子らしいところだと感心しました。4枚目の写真は、相互評価の様子です。こんなに、一人ひとりが思いをもって取り組んでいたので、友だちの作品のよさもしっかり見つけられたようです。よい所を褒められた子は非常にうれしそうな顔をしていました。
 6年生の教室に行くと、「割る数が分数の時の計算の仕方を考えよう」という算数の活動をしていました。小学校で一番納得がいかない、「割る数の分数の分子と分母をひっくり返してかける」という「難問」に挑戦していました。5枚目の写真は、ある子が「わかった!」と言って立ち上がった瞬間です。「計算の仕方」を理解するということではなく、なぜ「分母と分子をひっくり返してかけるのか」という意味を解釈することが大切です。この「わかった!」が、計算の仕方なのか、その意味の解釈ができたのかがわかりません。算数ではとかく、計算ができるようになることが目標のようにとらえられがちですが、こうした意味を解釈することが算数の醍醐味です。
 6枚目の写真は、3年生の算数の様子です。「長いものの測り方を考えよう」という活動でした。メジャーを使って教室の縦と横の長さをはかったようです。同じ横の長さをはかったのに、2グループが同じ長さになっていないということが判明したようです。「どちらかが測り方が違うのか、それとも2つとも違うのか」を次の時間に考えるようです。ここでも、メジャーのめもりを適切に読むことができるようになることが最終目的のように考えられがちです。先程の割り算も同じですが、この子たちが大人になるころはAIの台頭で、そんな技能はひょっとして人間には必要ないもの、日常生活では使わないものになっているかもしれません。それよりも、長い距離を測るときには、〇〇という道具を使う、始点と終点を結ぶ直線が、測る長さと平行であることなどの「測る際の考え方」が重要になってきます。図らずも2つのグループの数値が違ったことで、こうした「測る際の考え方」にたどり着きそうです。