阿用小学校


学ぶ楽しさを「創る」

2023-12-05 16:52:25
 今日1年生教室に入ると、とても楽しそうにビッグパッドを使って説明しあっている姿が見られました。算数で図の様子を式に表す活動でした。「だってね、じっとしている鳥さんグループがね8羽いるでしょ。それから飛んでいっているグループは6羽でしょ。」と説明すると、「うん。うん。」と続けます。同じ図ですが、1枚目の写真の黒板に書いてあるように、式が3種類出たようです。「どの式が正しいのでしょうか。」という「問い」ではなく、「それぞれの式はどんなことを考えて作った式でしょうか。」という「問い」に対しての説明です。立式していない子が「きっとこの式はね。~だと思うよ。」と想像したことを説明すると、また立式していないほかの子が「違うと思うよ。これはね。」と説明を始めます。大盛り上がりです。図に表された鳥の数え方、グループの分け方、問われていることへの考え方などを、「正誤」ではなく、想像していくことに楽しさを感じたようです。
 続いて2年生教室に入ると、昨日に続いてかけ算の式(5×9)の文章問題作りをしていました。日常生活の中で、ひとつ分に5つあるものを探すのは難しいようです。「えぇっと。」と空を見上げる子、発見して喜ぶ子、様々です。普通自動車が5人乗りであることを発見した子がいました(写真3枚目)。よく見つけたなと感心しました。また、日常生活にある数を見つけたものの、問題にする方法を忘れたので、昨日のノートをじっくり見て「応用」しようとしている子がいました(写真4枚目)。
 算数は、日常生活に何気なく存在する数や量、形などを、合理的に整理したり、分類したり、法則を探したりすることが醍醐味であると思います。算数=〇、×という考えが吹っ飛ぶような「学び」を1、2年生までにどれだけするかが、その後の「算数」「数学」への「学び」が違ってくると思われます。
 そうした「算数」を楽しんでいる最中に、5、6年生は県の学力状況調査を受けていました。ある6年生は、昨年度「算数はやりたいですが、国語は絶対にやりたくありません。苦手なんです。」と言っていました。「今年はどう?」と聞くと、「(昨年度嫌い度が10とすると、今年は)5に減った。」と答えてくれました。また、ある5年生は、「難しいと思って受けたけど、難しいのは間違いないけれど、思ったよりは難しくなかった。」と言っていたようです。楽しんでテストを受けることは至難の業ですが、「テストを受ける自分」を客観的にみられるようになってきたことに、「学び」の足跡が見えます。

熟考する大切さ

2023-12-04 17:00:00
 今日5年生教室に入ると、子どもたちが明らかに心の中で「ウーッ。」とうなっているのが聞こえてくるような気配がありました。文章を表すグラフはどれなのかを考えていました。しかし、2枚目の写真のように3種類のグラフがあるのですが、何を表しているものなのかがわからないと答えることができません。縦軸が「生物の種類」で横軸が「かく乱の大きさ」を表しています。縦軸の値が大きくなれば「生物の種類は大きくなる」、横軸の値が大きくなれば「かく乱の大きさは大きくなる」ということを、関連させて読まなければいけません。例えば、「生物の種類が大きくなるほど、かく乱の大きさが大きく(小さく)なる。」などという文章になります。パッと見て、パッと答えが出るとか、マニュアル通りに進めていけば答えが出るというのではなく、「ちょっと待てよ。どういうことだろう。」「落ち着け。少しずつ当てはめて考えようか。」という「熟考」が必要です。
 3枚目の写真は、2年生が「4×8」の問題をつくっていました。恐らく、それまでに「1箱4個入りのチーズがあります。8個買うと、チーズは何個でしょう。」という問題を解いてきたのですが、逆に式から問題をつくるとなると、「ちょっと待てよ。どういうことだろう。」「落ち着け。少しずつ当てはめて考えようか。」ということになります。5枚目の写真の子のように、図に描いてみて自分の作った問題があっているかどうかを確かめていました。
 世の中が便利になり、本当に我々人間が「熟考」しなくても、なんとなく生活はしていける世の中になってきました。しかし、今まででは解決できないような前途多難なこともたくさんおこっている世の中でもあります。生成AIなどによって、何も考えなくても答えが出る半面、フェイクニュースのように嘘もたくさん拡散されていったり、AIに仕事を取られていったりすることもあります。頭と体と心をたくさん使った「熟考」を躊躇するかどうかは、今後の生活に響いてくるでしょう。
 6枚目の写真は、3年生の国語、物語文「モチモチの木」の学習の様子です。豆太の心情の変化を様々な描写から読み取る、つまり「熟考」です。なんだか楽しみにしている3年生の姿を見てほほえましく思えました。

日々の積み重ね 特別な時に特別なことでなく

2023-12-01 17:00:00
 今日は2学期としては珍しく、どの学年も校外に出たり、校外から来ていただいたり、全校児童での行事がありませんでした。「あわただしく毎日が過ぎている。」というのが2学期の状況でした。
 そんな中でどのように過ごしているのかが、実はその学校の力量を示します。1年生(1枚目)は書写の学習です。2年生(2枚目)は生活科で来週全校対象で1、2年で実施する「秋のおもちゃまつり」の準備です。3年生(3枚目)は算数で「重さを数で表す」活動です。4年生(4枚目)は算数のテストでした。いつも元気よく活発な意見を交わしている4年生が静かなので写真を撮ってみました。6年生は(5枚目)国語で説得力のある説明をするためにはどうすればよいかを考える学習をしていました。5年生は、というと6枚目の写真で紹介します。5年生は、1学期からずっと廊下にかける帽子がきれいに「白」にそろっています。私の経験上、落ち着いて生活していると帽子を裏返しにしているのか気持ち悪く感じ、表の「白」にする傾向があります。そうした意味で、余裕を持って生活していることがうかがえます。
 お気づきの通り、どの写真の子も学びに向かって真剣な「姿勢」をしていることが分かります。姿勢がピンとしているかとか、床に足がついているかとかではなく、「学ぼう」「もっと知ろう」「より多くの考えはないのか」などという「姿勢」です。
 大きな声ではきはきと発表する、自分の考えを臆せず表現できる、じっくり考え行動する、などという表面的に見て「すごい。」と思われることは、こうした日々の生活の積み重ねだとつくづく感じます。

10日間の成果はいかに! 第2回歯科検診

2023-11-30 16:36:46
 今日は今年度2回目の歯科検診を行いました。先日実施したブラッシング指導後、10日間の「チャレンジ歯科検診10デー」を経ての「緊張」のひとときでした。検診の前には、なぜ検診をするのか、どんなところを見ていただくのかを再度確認をして、校医さんにみていただきます。その後、結果を踏まえて歯科衛生士さんに一人ひとりがこれからの歯みがきのアドバイスをいただきます。先日のブラッシングの際に自分で立てた目標、そしてその実現のためのチャレンジが功を奏したのかどうかが問われるというのは、日ごろの書き取りテストや計算テスト以上に緊張することだと思います。特に、いつもちゃんと磨いていると思っていたのに、染め出しをしてみがき残しが思った以上にあったなど、ショックを受けている子にとっては、「リベンジ」となります。4枚目の写真のように、検診の前には「〇〇ちゃん、どうしてた?ちゃんとみがいていた?」などと友達の取組と比べたくなるのもよくわかります。
 個々については、後日お知らせします。全体的には、磨き方はうまくなっていると言っていただきました。前回、苦手だったところや雑にやっていたところを、正しいみがき方で丁寧に磨いている子がとても多かったようです。たった10日間だけ意識してみがくだけでも歯や歯茎はきれいになってくるようです。しかし、いくらみがき方がよくなっても、甘いものを食べる、飲む頻度が高いとか、ずっと食べ続けているとかすると、虫歯になる可能性はどうしても低くならないそうです。「野菜たっぷり」などと銘打ったジュースでも、たくさんの果糖類が含まれていることがあるそうです。歯みがきプラス食生活で、歯と口の健康をつくっていかなければいけないと校医さんから教えていただきました。これから、クリスマスケーキやジュース、年末年始のごちそうとジュースとお菓子など、誘惑は増える一方です。みんなで声を掛け合って、みんなで歯と口の健康づくりをしていきましょう。
 5枚目、6枚目は5時間目に実施た防犯教室の様子です。毎年、雲南警察署生活安全課の方と阿用駐在所片岡さんにお世話になっています。今年のテーマは、不審者かどうかを見極めるということをプラスされました。雲南市でも「毎日元気よくあいさつをしている近所の子に声をかけたのに、不審者扱いされた。」という事案があるようです。確かに危険から身を守ることは大切ですが、近所の方との声の掛け合うことも治安を守ることとなります。「一緒に行こう。」「車に乗ろう。」など言われたり、不用意に近づいてきたりしなかったら「大丈夫」だと考えてよいのではないかということを、全校で考えました。毎回、警察署の方に「阿用の子は、反応がよくて、あいさつも素敵で、元気をもらえる。」といっていただきます。そして、「こういう元気な声であいさつできることが一番の防犯です。」と付け加えていただきます。
 日ごろからの子どもたちの「伝統となりつつある」あいさつが、また評価していただきました。

新たな道を拓こう 小小・小中交流活動

2023-11-30 16:04:22
 昨日、来年度大東中学校区の小学校の6年生が集まり、小小・小中交流を実施しました。およそ90名が集まりました。まず大東中学校長から、中学校の概要の説明を受けました。「生徒、教職員一同が待っている。」と心強い言葉をいただきました。そのあと、「他校の友だちをたくさん作ることが目的だよ。」という説明を受け、小学校5校の教員が代わる代わるゲーム等をしました。
 毎年「バースディーチェーン」というゲームを行います。言葉を発することなく、誕生日の速い人から順番に並んでいくという内容です。毎年、緊張も相まってしゃべったり、ふざけて笑ってしまいゲームに消極的になったりする子がいます。よいことではないですが、初めて出会う大集団でいきなり黙ってゼスチャーだけを使って、積極的にコミュニケーションをとることは6年生の発達段階から考えると、非常に難しいことです。それを、今年度の6年生たちは、本当に静かに取り組みました。本校の子どもたちのほとんどは、あったことも話したこともない子に対して、自分の誕生日を指でアピールし続けていました。けなげでもあり、本校代表という自覚でもあり、緊張感からどうにか逃れようとがんばっている姿が見られました。
 3枚目の写真は、ゲーム後の自由時間の風景です。実は20分間「も」ありました。というのも、「自分の学校の友だちとは話さないようにしてください。」との条件があったからです。本校の子どもたちはどうするのかなと思ってみていると、顔見知りの他校の友だちと探して話しかけていました。緊張感が高まる「自由時間」であったことは間違いないと思います。また、自由時間の条件はもう一つありました。「自由時間の後、〇時〇分には、自分が体験したい教科ごとに集まって、2列で並んでください。先生たちは一切指示を出しません。きっとみなさんならできます。」と言われました。その結果が、4枚目の写真です。静かに時間通りに並んでいました。6年生らしい姿が90人近くでも発揮できたことが素敵でした。
 その後は、中学生の授業風景を見たり、授業に参加したりしました。
 これをきっかけに、中学校生活へのイメージを沸かせていくと同時に、大きな期待と不安が押し寄せてくると思います。小学校と中学校では勉強や生活の仕方を変えないといけないとか、小学校は教職員が一人ひとりの面倒をしっかり見ているが中学校では自立させるためにそんなことはしないとか言われます。実際は、子どもたちが中学生になった時に感じることなので、どうかは言えませんが、どんなに環境が変わっても、自分のよさをしっかり把握すること、6年間で学んだことを精一杯発揮できるようにしておくことなど、毎日の学びや生活をより一層よくしていこうとする姿勢を忘れないことが大切だと思います。