阿用小学校


思いを込めて「自分だけの作品」をつくる

2023-11-28 17:11:54
 一昨日お弁当の日だったことは本ホームページで紹介しました。1枚目の写真は6年生の子の「作品」です。今どきの「キャラ弁」に挑戦したようです。海苔とチーズをうまく使って表しています。本人は照れもあり、どのように作ったのかを詳しく教えてくれませんでしたが、友だちが「先生。すごいでしょ。かわいいよねぇ。」と言うと、うれしそうにそれを聞いていました。2枚目の写真は、2年生の子が、「先生。私ね、5時から起きて作ったんだよ。一番見てほしいのはね、四隅にね、ブロッコリーを入れたところなの。それからね、卵焼きがうまくできたよ。ぷるっぷるっになったよ。」と目を輝かせて教えてくれました。一人ひとりが、「作品」を作るにあたってたくさんの工夫や努力があったのだと思います。
 本日は市の図画作品展の審査会がありました。残念なことに出品数は児童数の割合で決められています。さらに「賞」が決められてしまいます。そうした決められた「結果」で子どもの作品を評価する方法もありますが、本校の子どもたちの「作品」への取組を知っていただき、世界にたった一つの「自分だけの作品」ができるまでをイメージしていただければ幸いです。
 3枚目の写真は1年生の図工での「葉っぱのスタンプに挑戦」の導入の様子です。担任が葉っぱでスタンプができることを紹介したときの子どもの「乗り出している」姿がとても印象的です。「ぼくは、〇〇の形の葉っぱを〇色で塗ってみよう。」などとイメージを膨らませているようです。その証拠に、この後すぐ校庭に行ってお気に入りの葉っぱを探していました。4枚目の写真は2年生の「かさ地藏をかこう」の活動の様子です。いつもは「先生。あのね。」と話しかけるのですが、図工になると「もくもく〇〇子ちゃん。」に変身します。ただひたすら自分の世界に入り込んで、イメージしたことを画用紙に載せていっています。いつもは明るく元気な2年生教室が、誰もいないかのように静かなのは図工の活動の時が多いです。5枚目の写真は4年生の「除雪機をかこう」の活動の様子です。ひかりの当たり具合などを絵の具の濃淡で表したり、自分が見てほしい所を詳しく描いたりするといった工夫をしてみようと思案しているようです。隣の子が、その子の姿を温かく見守っているのも印象的です。どの子も、どうすれば自分の表したい除雪機の様子が伝わるのかを試行錯誤を繰り返しながら模索していっていました。最後の写真は、5年生の総合的な学習の時間で取り組んでいる「大東窯で自分の焼き物をつくろう」での、絵付けの様子です。素焼きをしていただいた後、焼き上がりを想像しながら色を塗っていました。画用紙などに塗る時とは質感が違うので、思うように色が濡れません。丁寧に筆の行先を見ながら、塗り残しがないのかを確かめて塗っていきます。図工での描画と違ってまだ見ぬ焼き上がりをイメージしながら取り組むことは、かなり根気がいることです。「ひょっとして。」という気持ちを持って根気強くしていかなければいけません。
 こうして、子どもたちが作る「作品」は、一人一人が願いを持って、失敗を繰り返しながら取り組んでいってできあがるものです。きっと、「作品」の数だけストーリーがあるはずです。世知辛い世の中で、この「ストーリー」が埋没して、「うまい」「下手」などということになってしまいます。どうぞ、世界に一つだけの「ストーリー」に耳を傾けてやってください。

お弁当の日  人権に関する授業公開と研修会

2023-11-26 16:25:48
 今日は日曜日の登校日で、子どもたちは1日、平日と変わらず、いいえむしろいつも以上に楽しく生活していました。(3年生は残念ながら学年閉鎖となってしまいました。)本日は、「お弁当の日」として、自分で弁当作りに携わっていく活動を行いました。自分でお米を研ぐところから行い、おかずも全部作っている子も結構たくさんいました。1枚目の写真は1年生の様子です。初めての「お弁当の日」ですので、「みてみて!」という気持ちがより強くありました。「何をつくったの?」というと「えっとねぇ。ぼくはねぇ…。」と一つ一つ説明してくれました。本日はこのほかにも行事が目白押しなので省略します。
 午後からは、「性の多様性」についての授業公開をしました。2年生(写真2枚目)は、自分らしさについて見つめ、その後クラスで発表会をしました。こういう機会がないと、自分の「好きなもの」について考えませんし、ましてやほかの人の「好きなもの」なんて気にしないでしょう。そうした活動を通して、「自分らしさ」を見つめなおしていくことにつながっていったと思います。4年生(写真3枚目)は、どうして本当の自分と学校での自分は違うのかを考えていました。「やっぱり恥ずかしい。「嫌われるんじゃないのか。」と100%のうちの数%しか本当の自分を出していない「自分」に気づいていきました。「性」という視点で、自分らしさをどのように表現していくのか、選択していくのかも、「自分」を出していく中で大切にしていくことであることに気づいていったのではないかと思います。5年生(写真4枚目)は、「誰にでも優しいトイレ」について考えていく活動を行いました。今までの学習や経験を生かして、誰もが幸せに生活できるために「自分」ができることを考え始める、よいきっかけとなったと思います。6年生(写真5枚目)は、心と体の生が違う子が幸せに生活できるためにはどうすればよいのかを考えていました。担任の「こうした子が阿用小学校に転入してきたら?」という問いに、「難しいなんてことはないと思います。」という応えが即返ってきました。「難しい。」といって拒絶してしまうのではなく、こうした6年生のような気持ちでいることが大切だと感じました。その後、少しずつ考えを深めていくうちに、難しさも感じてきた6年生の「真剣さ」も大切にしていきたいです。(1年生は、紙面の都合上割愛します。自分も友だちも「好きなこと」を大切にしたいということを考えていきました。)
 その後、多賀法華さんと結輝さんのご講演をいただきました。「誰もが自分らしく生きられる社会にするために」という演題で、ご自分たちのご経験を中心にお話しいただきました。地域の方にも参加いただき、「自分事」としてとらえていくきっかけをいただきました。「あぁ、子どもたちにも聞かせてやりたいなぁ。」と思いました。

1日1日を大切にしてきたんだなぁ

2023-11-22 17:00:00
 今日の3時間目に1年生は、2年生を招待して「秋のおもちゃまつり」を開催しました。先般、2年生に招待してもらった「おもちゃまつり」でとても楽しませてもらったお礼を兼ねての会でした。2枚目、3枚目の写真のように、1年生も2年生も楽しそうに活動をしていました。1年生は、これまで「ゲーム」として2年生に楽しんでもらえるのか、説明をわかってもらえるのかなど、友だちと試行錯誤を重ねて取り組んできました。今年度は、自分たちで木の実を採ってきてもいるので、より一層思い入れが強く、2年生が楽しんでいる姿を見るにつけ、笑顔がこぼれていました。振り返りの際には、2年生から「喜んでもらえるために、1日1日を大切にして工夫してきたことがよくわかりました。」などと、日々の工夫や努力を褒めてもらい、とてもうれしそうでした。また、1年生からは「2年生が楽しんでくれてよかった。きっと最初のゲームの説明をわかってもらえたからだと思う。ぼくたちの『説明力』があがったな。」という感想がありました。木の実を使ったおもちゃ作りに取り組む中で、より楽しくするには、より多くの人が挑戦してくれるにはと考えながら、おもちゃの形や大きさを「あぁでもない、こぉでもない。」と繰り返していたところを2年生が見ていたのではないかと思うような2年生の「お褒めの言葉」をもらってとてもうれしそうでした。
 昼休みには4年生の学年発表を行いました。国語で学習した「ごんぎつね」の(音楽)劇でした。練習中に何回かお邪魔しました。いつも「先生、どうですか?ぼくたちの発表は?」とまっすぐな眼をした11名が聞いてきました。いくつかアドバイスをすると、「先生、当日は絶対泣きますよ。私たちの劇は、絶対感動的ですから。」とかなり自信を持った発言をしていました。が、今朝は「先生、だめです。もう緊張して、どうしましょう。」と弱気な発言をする子ばかりでした。そんな11名が、発表が始まると、堂々とした眼をして凛とした声でセリフを言います。いつも以上に、間をあけたり、抑揚をつけたりして、それぞれの登場人物になり切っていました。見ている子どもたちは、一瞬でも見逃してはいけないような気持で見たり聞いたりしていました。午前中の2年生の言葉(1日1日を大切にして工夫してきたこと)を思い出し、涙腺が緩くなっていきました。きっと、4年生は「自分たちが真剣に思いを表現すれば、きっと受け止めてくれるだろう。」と安心しているから、恥ずかしさや緊張から逃げないでできたのでしょう。また、見ている子どもたちは、4年生の一生懸命さをしっかり受け止められるくらい、自分たちも一生懸命取り組んだ経験を思い出したのでしょう。その相互作用が、より一層よい発表にしました。
 6枚目の写真は、発表直後の4年生の様子です。この発表は、本校の近年の発表ではなかったスタイルです。その状況で、子どもたちは手探り状態だったと思います。担任からはたくさんの「厳しい指摘」を受けて、くじけそうなことがたくさんあったでしょう。それを乗り越えて得た喜びを実感している様子です。
 1日1日を大切にして工夫、努力していることを、子どもたちが察することができるようになってきたことがわかった、印象的な1日でした。

七転八起開始 歯みがき編

2023-11-20 17:35:18
 今日、全校児童対象でブラッシング指導を学校歯科医の歯科衛生士さんにしていただきました。お二人の方は今回が初めてで緊張しておられましたが、子どもたちの真剣なまなざしに少しずつ慣れてこられたように見えました。まず、歯みがきをなぜ丁寧にしないといけないのか、どうすれば丁寧な歯みがきになるのかを教えていただきます。2年生以上の子どもたちは、一昨年度以降、本校は歯と口の健康づくりに取り組んでいるので「歯みがきはちゃんとやっているに決まっているよ。」と自信満々です。しかし、染め出しをしてみると、液が残っている歯、つまりみがき残しの歯があることがわかります。私が結果を聞くと、子どもたちは悔しそうに「この歯とね、この歯に残っていたんだ。でもね、後はね、きれいだったんだよ。」とか、「去年はね、〇〇だったけれどね。」などと自分のみがき残しについて説明してくれました。
 3枚目の写真は1年生の教室での様子です。ブラッシング指導が終わってすぐに、これから10日間の間の目標を立てたところでした。自分で歯みがきできると思っていたから、余計に悔しかったのでしょう。どのようにすればよいのかをしっかりと教えてもらったようです。「こちょこちょみがき」「ちょこちょこみがき」など自分でネーミングした「ていねいなみがき方」を1日3回、絶対にやっていこうという決意が見られました。さて、帰宅後にそうした様子を子どもたちが話しているのか、楽しみです。ぜひ、お読みの方は、子どもの歯みがきの「仕上げ」をしてやってください。小学校6年生までは「仕上げ」が必要だと言われています。ちょっと数分です。膝の上に頭を置いて、「〇〇ちゃん、今日も頑張ったね。」「今日食べたごはんで何が一番おいしかったの?」などと話しかけながら、子どもさんの歯みがきの「仕上げ」をしてみてください。歯とともに、親子関係も磨くことができるかと思います。
 昨日、アヨ祭りに3年生の子どもたちが出演しました。開校150周年記念式典で発表した劇を地域の方にも見ていただきたいという阿用地区振興協議会の皆様の願いのもと披露することとなりました。プロジェクターなどが本番直前になって消えるという大ハプニングがありましたが、子どもたちは何事もないかのように堂々と演じ切りました。保護者、地域の方がやさしいまなざしで見ていただいていたことが、写真から伝わってきます。3年生は、この後突然の自己紹介やインタビューにも臨機応変に対応していました。自分たちで練習して自信をつけ、みなさんに「すごいね。」と言われ自信をつけ、また自分たちで協力して何かに取り組み自信をつけ、といったプロセスでどんどんと成長していきました。全校児童の作品も展示させていただきました。「子どもたちの日々の学習していることがわかってよかったわ。」「楽しそうに作っていったんだなぁとわかる作品ですね。」などというお褒めの言葉をいただきました。こうした地域の皆様の「子どもへのやさしいまなざし」が、本校の子どもたちの「心の基地」であることは間違いありません。あらためて感謝します。

自らの手でつかみとると

2023-11-17 17:00:00
 先日(15日)、5時間目に県教育委員会の指導主事を迎えた研究授業を5年生が行いました。社会科の工業についての学習で、「なぜこんなに難しい製品の発売に挑戦したのか。」という問いについての解決を行いました。日本中ではこの学習を自動車の生産で行いますが、本校は地元のホシザキ電機さんの取組で学ぶことにしました。この時間は、9時間の学習のうちの7時間目で、ホシザキ電機さんが誰のためにどんなことを考えて製品を開発、生産、販売しているのかを考えるという、この学習の「肝」の部分です。
 3枚目、4枚目の写真のように、子どもたちは付箋に自分の考えをたくさん書き、グループで分類していきました。友だちと同じ意見でも違う意見でも、書いた付箋を分類しながら貼っていくのはかなり度胸がいることです。「この意見って、私と同じだ。」と言われるとうれしいですし、「この意見ってどんな意味かな?ひょっとして〇〇のところに貼るんじゃなくて△△のところじゃないかな。」などと言われるとしっかり自分の意見についてみんなが考えてくれることへの責任を感じるのだと思います。5枚目の写真は、グループで意見を出し合った後、自分の広がったり深まったりした意見を発表する様子です。挙手する子の姿勢がピンとしているところがとても印象的です。一番初めは全員が挙手していました。
 太平洋ベルト地帯にしか大きな工場はないと「諦めていた」子たちが、地元に世界に通用する工場があったことを発見して、調べたり考えたりするうちに、より一層自慢すべき工場であることに気づいていきました。そして、先に紹介したような方法で自分の意見を広げたり深めたりしながら学習を進めてきた5年生です。ある子は、恥ずかしさを押して、顔を真っ赤にして挙手して意見を述べていました。ある教員はこの5年生の姿を見て「全員が主人公の授業だ。」と評していました。こうなると、教師の出番は少なければ少ないほど、子ども自身が学びをつかみ取っているので、子どもの学びはよりよいものになっていくと考えられます。
 6枚目の写真は1年生の生活科の様子です。自分たちで育てたヒマワリなどの種分けをしていました。ある子が、「ぼくたち、チームワークだもんね。」と言いながら活動していました。この頃、1年教室の前を通ると子どもがたちが「チームワーク」という言葉を言っていることがよくあります。きっと、1年生の学年発表で、1年生の6名がつかみ取った「学びの言葉」なんでしょう。算数でも、自分たちであみだした引き算の方法があるようです。これも学んできた「チームワーク」の活用のおかげでしょう。