阿用小学校


一人ひとりが創りあげる記念式典 準備編

2023-10-25 16:53:21
 今日の2時間目に3年教室をのぞくとピンと張りつめた雰囲気で話を聞いていました。「150周年記念式典まであと4日です。これから練習の時に気を付けることは、この3つだったよね。」と担任が話しています。子どもたちは、うなづいて「はい。」と応えています。学年発表の練習で気を付けることは何かを確認しているようでした。この前、校長に「今でも声が大きくなって、それぞれのセリフも覚えたね。でも今までの2000倍がんばらないといけんな。あなたたちなら、それくらいがんばればもっともっとよい発表になるんだけど、どうする?」と聞かれて、より一層やる気を出したようです。2枚目の写真のように、他の学級の担任にも見てもらっています。様々な視点からのアドバイスを聞き逃すまいと真剣に聞けるようになってきました。
 そうした3年生の子どもたちのやる気の基盤は、写真の3枚目、4枚目のようなことだと考えます。3枚目の写真のように、学年発表をどのようにしていきたいのか、そのためにはどうすればよいのかを「思考ツール」を使って整理しました。さらに、それを友達同士で見合ったり、他の学年に見てもらうことで、自分が書いた目標とそれに向けた努力に責任を持つようになります。今回の発表は、社会科と総合的な学習の時間で得た自分たちの知識をより多くの人に知ってもらいたいという願いから始まったものです。地域の方の説明を聞きながら、たくさんの見学もしました。そうしたときの「楽しさ」を味わってほしいということが、この子たちのやる気のベースとなっています。
 5枚目の写真は、4、5年生の活動の様子です。6枚目の写真を見ていただくとわかりやすいですが、児童玄関に貼る150周年に向けてメッセージを一人ひとりが書いている様子です。「ぼくはこういうの苦手なんだよなぁ。」「えぇっ、私は好きだよ。」などといいながら取り組んでいました。担任の「得手不得手はだれにでもあるよ。それでもやることに意味があるんだよ。」という言葉に救われる子もいながら真剣に取り組んでいました。
 今日は全校で式典に向けて大掃除をしました。ある2年生の女の子が帰り際に、「先生、ここ(廊下の隅)をみてください。こんなにきれいにしたんですよ。たいへんだったから。」と自慢げに話してくれました。50名が一人ひとり「得手不得手」がある中でも一生懸命に150周年式典を自分で創りあげようとしています。

生きている実感を得る体験 蓮花寺登山マラソンといのちの楽習

2023-10-24 17:00:00
 今日の3、4時間目に本校伝統行事の蓮花寺登山マラソンを実施しました。1年生も6年生も同じ距離、しかも「登山」と冠するだけの山道を走り切るという大変「過酷な」マラソンですが、幸いにも数十年続く行事となっています。保護者の方の中には、「自分のころはね。」などと懐かしまれることもあります。そんな一大イベントですので、全校児童が集まっての準備運動でも、思わずふざけてみたりしなければならないほどの緊張でこころがふわふわしてしまう子もいました。担当からは、「ここまで長い歴史を刻んでいる蓮花寺登山マラソンの新しい歴史を今日走る一人ひとりが創るんですよ。それなのに、そんなふわふわした気持ちで悔いが残りませんか。さらに、今年は開校150周年記念の年です。誰もが体験できることではない、記念すべき年ですよ。いいの?」という「檄」が飛びました。雰囲気がピリッとした瞬間でした。
 出発がまじかになると、いてもたってもいられなくなってどうしても話したくなる子もいます。2枚目のように、本校では恒例になりつつある、「ペアでの目標発表会」を行いました。すかさずペアを見つけて「私はね、~という目標なんだけどね。」と話しかけました。それで安心したようで、3枚目のようにやる気あふれるスタートを切ることができました。
 全力で走れるところまで走ってみる子、まずはゆっくり歩いたり走ったりしてゴールで全力を出す子、今年度何度も走ったコースなので計画を立てて走っている子、スタートして間もなく転んだけれど走り切ろうとする子、先週までの体調の悪かったことが影響されて思い通り走れないことにイライラする子、走る気はあるけれど体調が悪く参加できなくて悔しく思っている子、「今日はマラソンなのにどうして家で寝ていなくちゃいけないんだろう」と思いながら風と闘っている子など50名それぞれのドラマがありました。ゴールすると、担任に「先生、私ってねぇ。」とか、言葉もなくただただ担任にべったりとくっついて「エネルギー補給」をするとか、友だちと個々の「走りの説明」とか、様々な形でマラソンをふり返っていました。校長から、「業間体育や体育以外に自分で走りこんだ人いる?。」「今朝、雨が降っていない。ショックだなぁと思いながら起きたけれど、がんばって走り切った人いる?」一人ひとりの取り組み方について聴かれた子どもたちは、「あっ、これが自分の取組だ。」と思うところを選んで手をあげていました。それぞれ取り組み方は違いますが、自分の限界と真正面から「対話」し、「生きてるなぁ。」と実感することができる行事だったと思います。
 2年生は、2時間目に3名の保健師さんをお招きして「いのちの楽習」として「生命誕生の尊さ」について学びました。残念ながら個人情報の関係から個々のアップの写真が掲載できませんが、みんな生き生きした眼で保健師さんのお話を聞きながら、自分やきょうだいの誕生について思いをはせていました。せっかく生まれてきたのだから、自分の限界に挑戦してみなくちゃ、と(無意識的に)思いながら2年生は蓮花寺登山レースを走ることができたのではないかと期待しています。

150周年記念式典に向けて

2023-10-23 17:32:30
 とうとう今週の土曜日に本校開校150周年記念式典を実施します。それに向けた、全校発表等の準備が始まりました。子どもたちが本校や150年続く本校の歴史についての願いや思いをもとに詩を作成しました。その詩を全校で発表します。「今月の詩」として自分たちが発表するところを覚えてきていますが、ステージに全校で並んで、自分の分担のところを言うのは難しいものです。担当が、どんな気持ちで開校150周年記念式典に臨むとよいのかを問うと、6年生がうまく説明してくれました。これまでの積み重ねてきてもらった歴史への感謝とこれからの未来を築いていこうとする意欲の気持ちを高めることの必要性を子どもたちの心の中に入っていったと思います。
 声は大きいし、間違いもないし、そつがないのですが、なんとなく聞いている者には先程の「気持ち」が伝わってきませんし、子どもたち自身も満足した表情をしていません。担当は、各学年でちょっと話し合ってみるよう勧めました。すると、2~5枚目のように、子どもたちだけで話し合ってアドバイスを出し合っていました。(5枚目の写真は、壁に向かって声の出具合を確かめている6年生を、後ろから見守っている担任という構図です。)この後の全体での発表は心に訴えるような発表となりました。子ども同士で高め合おうとしている姿こそ、本校がめざす「自分たちで創りあげる学校生活」の姿だと思います。
 6枚目の写真を見ていただきたいです。これは、6年生が発表しているときの全校の子どもたちの様子です。教職員が何も言わなくても、体や首を発表者に向けて聴いています。子どもが子どもを信頼しあって、お互いのよさを伸ばしていこうとする雰囲気が全校中にあることがわかる一コマです。
 まだまだ「自分たちで創りあげる」記念式典でのよりよい発表への道は続きます。非常に楽しみです。

支えることの大切さ うれしさ

2023-10-20 17:18:12
 宿泊研修で高学年がいない間、4年生は最高学年としての過ごし方を1枚目の写真のように考えたようです。具体的にどんなことをしていけばよいのかを考えていましたので、目標をイメージ化しやすかったようです。そのおかげで、2日間、生き生きと、声を掛け合って頑張っていました。下校の時に担任から、「この1週間がんばったなと思う人は手をあげて。」といわれると、4年生全員がとても早く手を挙げたことからもわかります。誰かの役に立つことが心地よくなってきた様子が日に日に感じられる4年生を、「次はぼくたちだ。」と決意を新たにしている3年生が、今後も楽しみです。
 その3年生は、来週実施する開校150周年記念式典の学校代表としての発表に向けて、日々練習を重ねています。3枚目の写真は、保護者への案内状を書く活動の様子です。発表を自分たちで創りだしているという自信が芽生え始めているので、案内文の字がしっかりしたものになっていました。4枚目の写真は、ダンスの練習風景です。3年生は入学当時からダンスには定評があったのですが、友だちとの教え合いでより一層磨きがかかってきた感じが見られます。ちょっと体調が悪い子もいますが、お互いに気遣いながら切磋琢磨する姿がたくさん見られるようになってきました。
 5時前、5、6年生が帰ってきました。開口一番「あぁ、懐かしい。」という声が出ました。やはり、2日間のたくさんの学びでの成長により、ずっと昔のことのように思えたのでしょう。「たくさんの学びがあったことを、今後の生活に生かしていきたい。」と解散式の児童代表のあいさつで言いましたが、月曜日にはもっと具体的に何を学び、何をどのように生かしていくのかが明確になるようにじっくり考えていくと思います。

出発しました あとは任せて

2023-10-19 17:00:00
 今朝、5、6年生は保護者の方に見送られながら三瓶青少年交流の家に旅立ちました。宿泊研修で学ぶことを保護者のみなさんに宣言しました。5年生の中には、初めて「親元」を離れての宿泊という子もいるかと思います。日常の学校と家庭では、結構自分でできることが増えてきたという意識があるかと思います。遠く離れたところで、自分たちで考えて、臨機応変に対応しながら生活を創りだしていく体験は、今後の成長に多大な影響を与えられると考えます。トライアンドエラーの繰り返しを2日間でたくさんしていくことと思います。
 4枚目の写真は、蓮花寺登山マラソンに向けた最後の業間体育でのマラソンの様子です。「よし、走ろう!」という意気込みがスタート地点での姿からもうかがえます。2年生のある子は、初めて歩かないで、スピードもできるだけ落とさないように走ったようです。その後、きれいな銀杏の木に登る子、落ち葉で遊ぶ子と、秋を満喫していました。5月以降の酷暑から解放され、やっと外での活動が心地よくなってきました。
 6枚目の写真は、1年生の生活科の活動です。自分たちが育てた野菜でつくったピザトーストをつくる活動をしていました。ちょうど写真を撮りに行った時には最後のピザを焼く準備をしようとしたところでした。「先生、まだできていないので、もう少し待ってください。ちゃんとありますから。」とわざわざ言いに来てくれました。まだ活動中だったので急いで家庭科室から出ました。再度行くと、次は上学年に配る準備をしていました。それなのに「先生、ピザは職員室に置いてあります。絶対食べてくださいね。」と、またわざわざ言いに来てくれました。さらに、しばらく経つと「先生、おいしかったですか?」と聞きに来てくれました。「今から食べるので見ていてください。」と冗談を言ったつもりでしたが、本当に真ん丸目玉で「おいしいですか?熱いので気を付けてくださいね。」と見つめられながら食べることになりました。
 暑い日も、夏休みの日も水やりをしてきた1年生が、自分たち以外の人のために調理をして、喜んでもらうこと、とても大切な「キャリア形成」の一コマです。