阿用小学校


準備は整った

2023-03-16 16:51:39
 学校全体が「いつでも卒業式を迎えてもよい」「しかし6年生と離れたくない」といつ気持ちが交錯する1日でした。2時間目には、最後の卒業式練習を行いました。一人ひとりが、「次はこれをもっとうまくしよう」という気持ちで取り組んでいるので、「よし、できた」という表情があちこちで見られる時間となりました。そのあと、そうじを6年生も共に行いました。ある6年生が「来週からはぼくたちはいないんだよ。」と下級生に言いながら掃除をしていました。児童玄関の子は、「明日ここは一番きれいにしておかないといけませんよね。卒業生さんと保護者の方が来られるから」と言って檄を飛ばしていました。
 その後、3~5年生は体育館等の会場準備をしました。3枚目の写真は、3年生が花を並べている様子です。卒業生の気持ちになった場合に、どう並べるとより気持ちよいのかを考えるために、卒業生役になって入退場の行進をしていました。また、4枚目の写真は記念品を並べる様子です。昨年度の写真を見てどのように並べればよいのかを、子どもたちだけで考えていました。どれも教職員の指示はありません。自分たちで考えて取り組んでいます。作業を始める前に、「この活動は、教職員の人数が少ないから手伝うというのではない。君たちがこの卒業式をつくるんだという気持ちになってほしい。」と言いました。子どもたちは「ようこそ、任せてくれました。お任せください。」という気持ちで聞いていましたので、本当に「先生、次何をしないといけませんか。」といった後ろ向きな質問は1回も聞かれませんでした。卒業式準備を通して、誰かのために何かをするために工夫する、協力する、試行錯誤するといった「学び」を続けていることに喜びを感じました。
 1、2年生の仕事は、6年生に対して「ぼくたち、私たちは登下校を安全にできます。安心してください。」と思ってもらうことでした。6年生と離れがたい気持ちを抑えて、きちんと並んで下校していきました。
 さぁ、準備は整った。あとは、ハンカチがポケットの中に入っているのかを確認するだけです。

旅立ちまでのカウントダウン 予行練習とロング昼休み

2023-03-15 16:45:13
 今日は卒業式の予行練習を行いました。本番さながらの気持ちで挑みました。ある学年は、昨日、担任に「呼びかけを練習させてください。」と懇願し、秘密の特訓をしたようでしたので、より一層うまくなっていました。「後は、泣いて言えない子やお休みの子のカバーをどうやってするか考えようか」と子どもたちが言っているのを聞くと、今年度の卒業式はうまくいったと思ってしまいます。
 そのあと、6年生たっての希望で、ロング昼休みの全校遊びを行いました。「6年生と最後のひとときを楽しもう」ということをめあてにして遊ぶ子がたくさんいました。春を思わせる穏やかな天気も相まって、温かい雰囲気ができました。1年生の子が下校前に、「あぁ、6年生さんと一緒に入れるのは明日が最後かぁ。」と大きなため息をついて帰っていきました。たった1年間でしたが、「人とのかかわりの大切さ」を1年生の心にしっかりと根付かせた6年生の素晴らしさを改めて痛感しました。
 5、6枚目の写真は、6年生の「阿用のまちを味わおう」の活動の一コマです。何気なく見たり、歩いたりしてきた風景でしたが、担任を含め8人で歩くのもこれで最後です。そして、明日は6年生として学校で過ごす最後の日です。旅立ちまであと少しです。

心を込めると その先にみえるもの

2023-03-14 16:48:28
 今日3回目の卒業式練習をしました。1枚目の写真をアップできないのが残念ですが、卒業生に向けて在校生が真剣な目をして呼びかけや歌を歌うようになりました。担当をはじめ教職員たちは、卒業式練習でよく使われる「姿勢を整えなさい」「大きな声をだしないさい」という「しなさい」指導は一切していません。ただ「どんな会にしたいですか」と言って子どもたちの願いを確認することを重点的に行っているだけです。2枚目の写真で横を向いている子が数人います。これは、上学年があまりにうまくて顔を向けずにはいられなくなったようです。「こんな上学年になりたい」という願いがあふれています。3枚目の写真は、歌を歌っているときの「指」です。「とどけ6年生に!」と言わんばかりの姿勢で歌っていました。
 4枚目の写真は6年生の卒業文集です。「私たちが、感謝の気持ちをたくさん込めて作りました。だからずっと大切にしてください。」ととても素敵な笑顔で渡してくれました。読ませてもらいましたが、感謝していること、今までの思い出、将来の夢、6年間で学んだことがふんだんに書かれていました。ある子が書いていましたが、この文集は、この子たちの6年間そのものだと感じました。5枚目の写真は、その文集を交流センターにもっていきました。卒業式にはお越しいただけないので、今までお世話になったことのお礼を言いました。夢をしっかりもって、中学校では部活動に学習にがんばってほしいと言っていただきました。また、あと6年で成人になるという心構えをもつことが大切だとも教えていただきました。そうした言葉をいただくと、地域全体で育ててもらっていることを改めて痛感します。
 最後の写真は、給食の食管等を片付ける風景です。先日から、給食センターの方へ1年間の感謝の気持ちを「形」で表そうと、食管やお盆、食器などを来た時よりきれいにする取り組みを始めました。1週間になりますが、きれいになってきているようです。これも、心を込めた先にみえた、子どもたちのよさにつながっていきそうです。

新しいスタートに向けて

2023-03-13 18:15:15
 今日から、来年度に向けて「新しい」班長さんが率いる登校班が登下校をすることとなりました。先週までと変わらない通学路ですが、班長、副班長にとっては「真新しい」と感じたのかもしれません。ある「新」班長さんは、「あぁ、緊張した」とつぶやいていました。こうして新旧が変わることで、今年度の6年生の苦労や工夫に気づくのでしょう。もう1か月もしないうちに、6人の新入生が加わります。それまでのところで、安心・安全な登校班をめざして、班全体で頑張っていってほしいと願っています。
 今日の3時間目には、2回目の卒業式練習がありました。月曜日ということもあって、表情が硬かったり疲れが見えたりする子もいました。しかし、4枚目の写真のように、うまく4、5年生が引っ張って、よりよい卒業式にして6年生に感謝の気持ちを伝えようという気持ちが体育館に広がっていき始めました。すると、曲がった背中や開いた足が段々と整えられていきます。がんばっている姿がうれしくて「さっきよりずっと良い表情になったね」と練習中にかかわらず話しかけてしまいました。それでより一層「ピン」。やはり、がんばっているところをほめられるとより一層よい「自分」になろうとチャレンジしていくのだと感じました。5枚目の写真は、最後に行った振り返りです。自分のめあてについてどんなことをがんばったのかを、ペアに真剣に話していました。一人ひとりで卒業式をつくっている雰囲気が生まれてきました。
 6枚目の写真は、2年生の様子です。学年の終わりのまとめの会の準備をしていました。とても忙しそうにしていました。次のスタートを切るための準備ですね。

響きあうことの「心地よさ」を味わう

2023-03-10 16:16:10
 今日の朝自習は、1、2年生、3~6年生に分かれて卒業式で歌う曲の歌唱練習を行いました。写真1、2枚目は3年生以上の練習の風景です。各学年で朝自習や音楽の時間を使って練習してきました。昨日紹介した5年生にとっても、練習の成果が試される場となりました。始まると、5年生が昨日は、曇りがちだったのに今日は「よしよし」という表情をしていました。3、4年生は、アルトの旋律が聞こえてきて、「ハーモニー」を感じて、心地よさそうに歌っていました。繰り返すごとに、心地よさが増すのか、より一層きれいな歌声になってきました。歌声の響きあう体育館には、朝からとても温かい雰囲気ができていましたので、職員室にいた他の教職員が思わず聞きに来るくらいでした。
 3枚目の写真は、1年生の国語のペアでの音読の様子です。段落ごとに、交互に読みあっていました。これは、意外と難しいことです。声を出して読むほうよりも、目で文字を追いながら友達の読んでいる文章を聴く、そして友達が読み終わった瞬間に自分が読み始めるという作業です。宿題等で、音読をご家庭で聞いてもらったりしていると思います。そこで身に付けたことを、ペアである2人がうまくできると「心地よさ」を味わうことができます。
 5、6枚目の写真は、4年生の理科の学習の様子です。「モーターが速く回したい」という願いのもと、乾電池を1個から2個の「並列つなぎ」「直列つなぎ」にするとモーターは速く動くようになるのか予想を立てていました。全員が、どちらのつなぎ方も乾電池が2個になるのだから、「当然」速くなるに違いないという予想を立てました。実験後、その「当然」が成り立たないことに疑問を感じた子どもたちは「なぜ直列だけ速く動くのか」を考えていました。6枚目の写真は、「直列つなぎ」が速くなる理由を体の生理現象を例に説明していました。子どもたちはなんとなくわかったようで、「うんうん」と言っていましたが、一人の女の子が「わからん」とつぶやきました。我にかえったように、ほかの子たちも「そうだ、わかるようでわからないな。」と言い出しました。この後、様々な子たちが説明をしていったようです。「疑問」と「わかりたい気持ち」と「~ではないのかという予想による説明」との攻防戦への「心地よさ」を感じていました。
 やはり、こうした様々な「響きあい」が見られるのが、学校ならではだと思います。6年生にとっては、こうしたことを小学校で味わえるのはあと1週間限りとなりました。だからこそ、より一層大切にしたいものです。