阿用小学校


生活から「学ぶ」 今までの「学び」から「学ぶ」 「学び」を生かす

2023-02-27 17:00:00
 先日、5、6年生の外国語活動で「自分の得意なことは」「自分は将来なりたい職業は」という問いを英語で答える学習をしていました。科学者、動物にかかわる仕事、図書館司書、教師、バスケットボール選手、ゲーマーなど様々な職業を英語で調べて答えていました。様々な場面で将来の職業について話す機会があるかと思います。6年生を送る会でも6年生がインタビューされて答えていました。この「問い」がとても素敵で、自分が得意なことを聞き、それを生かす職業は何かと考えるようになっています。本来、「働く」は「ハタ」が「楽」になるために行う行為です。それを自分の得意なことであれば、非常に幸せなことだと言えるでしょう。実現するかどうかなど関係なく、自分の得意なことを誰かのために生かしてこうと考えることが大切だと思います。2枚目の写真は、4年生の1/2の成人式の準備の様子です。10年間を振り返って、「たった」A3の用紙にまとめることは非常に難しいことでしょう。しかし、その狭い範囲の中で、みんなに紹介したいことを書かなければいけません。つまり、ほかの友達でもいえるようなことは書く必要ないと考えると、そこで選んだことこそが「自分らしさ」なのです。こうして気づいた「自分らしさ」こそ、先程の5、6年生のなりたい職業を考えるときに生かされることです。子どもたちは、こうやって自分の職業の選び方について、(おそらく卒園するときも聞かれていると思いますので)幼児期からずっと考え続けていると思います。
 5年生は、国語で6つの資料を用いて「食品ロス」について考えたことを発表していました。資料の中には、食品製造、飲食店などの企業の「食品ロス」は家庭の3倍であるというデータもあります。しかし、子どもたちは「もったいない」精神を大切にして「賞味」「消費」期限を見ながら「感謝」の念をもって食べていく必要があると言っていました。野菜等の皮のむき方もうまくやって無駄がないようにしなければいけないとも言っていました。真面目と言えば真面目ですが、大根やジャガイモをきれいに皮むきしている子がどれだけいるのだろう・・・とも思いました。家庭に帰って保護者の方に主張して、撃沈すればよいかと思います。
 6年生の社会科では、先日よりアメリカやサウジアラビア、中国、韓国の暮らしについて調べています。今までは、「へぇ、そんなことをしているんだ。」と「違い」を多く見つけていました。しかし、韓国になると、同じところがたくさんあることに気づいていました。そんな中で、アメリカについて調べていた時に、ある子が「感謝祭で感謝することって何だろうな。」といっていました。こんなところからも「同じ」ところが見つかると学びが深まると思います。
 最後の写真は、1年生の音楽の様子です。5本の指を駆使して、鍵盤ハーモニカの演奏を練習していました。小指を使うと自然とほかの指もついてきます。また、親指を「1」、小指を「5」としてどの指で鍵盤をたたくとよいのかが楽譜に示してありますが、なかなか覚えられないものです。できなくても必死に何度も練習をしていました。大人になれば、思い通りにできないことのほうが多いです。こうやって、思い通りに動かない指との挌闘も「将来に役立つ」学びかも知れません。

喜んでもらうためにしてきたこと 6年生を送る会

2023-02-22 17:44:09
 今日の午後、6年生を送る会を実施しました。6名の5年生が中心となって、1~4年生に様々なお願いをしながら、感謝の気持ちを全校で6年生にあらわそうと今まで準備をしてきました。スローガンを保健室前に掲示した2月の初めのころは、まだ全校が「6年生を送る会」のムードとはなっていませんでした。そのころから、5年生は各分担が責任をもって取り組んでいこうとしていました。5年生は全校を動かすような「大役」をしたことがないので、おどおどしたり、逆に何をしてよいのかわからなかったり、焦ったりしたようです。時には、思い通りにならないこともあったようです。
 各学年の「出し物」は、それぞれの学年が6年生への感謝の気持ちとはどういうことなのかとか、どのように表すと6年生に分かってもらえるのかとか、自分たちの学年らしさとは何か、などを考えたり、試行錯誤を繰り返したりしていました。「出し物」を終えた後に、「よし、終わった」という満足した表情が見られたのが、とてもうれしかったです。
 「6年生の思い出のスライド」を5年生がプレゼントしました。その際に、「私たちがあこがれている6年生さんが、どのように成長してきたのかを知ってほしいです。そして、これを知って6年生さんみたいになりましょう。」というコメントを5年生が言いました。まさにその通りで、下級生たちは食い入るように見ながら6年間の学びやくらしについて見通しをもったり、憧れをさらにもったりしたことと思います。幸せなことに、1~2年生、3年生に担任していただいた先生からのビデオメッセージもあり、6年生も自分自身を振り返り、感謝の気持ちが増していったと思います。
 温かなひとときは、全校の子どもたち、一人ひとりの「6年生に対して感謝の気持ちを伝えたい」と時間をつくって、工夫・苦労してきた「努力」「協力」の成果だと思います。入学時から見てきた子たちがこんなにも多くの下級生に憧れられて、慕われていることが嬉しくて感極まってしまいました。

ほんの少ししかお見せできませんが

2023-02-21 16:20:33
 昨日から2年生の教室に入ると折り紙を同じ大きさにきれいに切っている姿に出会います。思い思いの色を選び、自分で考えた形に切っています。昨日は「半分こ」と言って切っていました。算数の「分数」の学習のようです。昨日は1/2、今日は1/4でした。1枚目の子と2枚目の子と形が違うけれども同じ1/4です。しかし、4つ合わせるとどちらも同じ大きさです。同じ大きさの「1」を等分したものの数を分数というのですが、どうしても「〇個に分ける」の方に意識が向いてしまいます。ここで「1」を等分することが理解していないと、分数のたし算等が難しくなっていきます。こうして、同じ大きさを等分して切るという体験がこれからの学習に役立つでしょう。
 3年生の教室に入ると、「『きょとん』はありません。『親しみ』はありました。」という会話が飛び交っていました。国語辞典を使って単語の意味を調べていました。「し」の次に「た」、そしてまた「し」を探していく…という過程で「親しみ」を探し出しますので、とてもうれしそうな表情をして喜んでいます。高等学校の先生が「最近は、英語も国語も意味を調べるのは、スマホに向かって言うんですよ。」とおっしゃっていましたが、そんなに簡単だと「やった」という喜びを感じないで得た情報ですので、定着しないようです。3年生の教室内の「やったぁ」。大切にしていきたいです。
 4、5枚目の写真は5年生の算数です。4枚目の写真で発表している子が説明していることを聞いて、5枚目の写真の子が「〇〇さんは~っていうことを言いたいんじゃないかな」とノートに書いていました。6年生を送る会でこれだけ協力しているので、以心伝心かも知れません。「僕の意見は」「私は」と言っていた5年生たちが、友達の言いたいことを代わりに言おうとする姿が見られ、とてもうれしくなりました。
 6名目の写真。1~5年生に叱られそうですが、6年生を送る会の会場の一部です。少ししか見せられませんが、明日が楽しみです。

見えないものが見える

2023-02-20 17:39:10
 今日3年生の教室に入ると、「校長先生、大変です。僕たちの6年生のプレゼント。間に合いそうにありません。できるのは(今週の水曜日が6年生を送る会なのですが)来週の月曜日くらいになりそうなんです。どうしましょ。やるしかないですが」といってきました。分担を変更したり、アイディアを出し合ったりしながら、「6年生に喜んでもらいたい」という願いを実現するために協力し合っていました。3枚目の写真は、体育館での出し物の練習をしていた3年生の様子です。担任が、「もっと面白くなるようにしたら」と言ったとたんに、「こういうことですが?」といって動き始めた様子です。1枚目の写真の飾りも完成していましたが、この1日でより良いものを作り上げていったようです。
 4枚目の写真は、5年生が社会科においてスマートフォンを活用した情報の是非について話し合っている様子です。インターネットによって、様々なことを知ることができるというところまではよかったのですが、SNSによって誹謗中傷を受けたり、住所を特定されたりするようなマイナスイメージのことがわかっていきました。「そんなに悪いことがあるのなら、ぼくはスマホは使わない!」という子も出てきました。「でもね、使い方だと思うよ」という反論もありました。これから成長するにつれて情報の扱い方について、発信、受信を含めて考えていくようになっていってほしいです。
 5枚目の写真は、2年生の国語の様子です。「穴の開いているもの」についての説明文を学んでいました。何気なく見ていたものにも「穴」がある。五円玉、鉢の底などです。一人一鉢をしている子たちですので、鉢の底の穴の存在は「驚き」ではなかったようです。
 6枚目の写真は、4年生の算数の黒板です。「1」や「もとになる数」が出た場合に、わかりやすくできる「ツール」を紹介した授業の様子です。この「ツール」は、非常に大切です。本当は、2年生のかけ算のところからずっと必要な考え方です。今まで解いてきた問題がこの「ツール」であらわすと、さっと式、いいえ単位量を使った数の考え方が見えてくるというものです。これを手に入れた4年生は、鬼に金棒です。

人との直接なかかわりのよさ

2023-02-17 18:09:18
 今日の朝自習の時間に読み語りがありました。本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、2学期から読み語りをリモートでの実施としていましたので、久しぶりの「対面式」の読み語りでした。リモートでも画面に食い入るようになるくらい、お話の世界に浸っていく子どもが多いのですが、それとは比較にならないくらいな表情をしていました。読み語りを終えられた方々が「阿用の子は、高学年でもあんなに反応よく聴いていたのかな。」「子どもたちの表情を見ていると、こっちもどんどんとよい気持ちになってきたな。」とおっしゃっていました。やはり、字のごとく「人間」だということがよくわかります。「ヒト」と「ヒト」との間に、温かさや情熱などの感情が流れていくということを、子どもたちは言葉にはしませんが、感じているようです。5、6年生の読み語りをしていただいた方はこの子たちが1年生の時と比べて、「大きくなってうれしい」ということを言っていただいていました。長年お世話になっているからこその、温かいかかわりを感じられるひとときでした。
 6枚目の写真は、1~5年生の「6年生を送る会のリハーサル」の風景です。5年生が、自分たちで指示を出したり、下級生の言動に対して評価したりして、6年生への感謝の気持ちを思い切り出せるようにしていく、大切な活動の時間です。5年生は、予期せぬ出来事がたくさんあり、用意したセリフでは対応できないことがあったり、できるようになるために時間を費やすことでスケジュールがどんどんとずれていったりしていました。担任は、「この子たちにとっての『貴重な学びの場』」として、5年生の対応を複雑な思いをもちながらも見守っていました。たった6人ですので、一人当たりの分担の量もほかの学年よりも多くなります。そんな中で、人任せにしないで、気が付いたら動く、アドバイスをするなどをして協力している姿が見られました。このような5年生の姿を、自分事のように見つめる4年生のまなざしも含めて、「大人になる一歩」として大切な活動であると、あらためて感じました。