阿用小学校


温かなひととき

2023-02-15 17:00:00
 今日の昼休みに、1~5年生は、来週の「6年生を送る会」のプレゼントづくりをしました。始まる前の5年生は、表情がきりっとしていました。あらかじめ一人ひとりが書いていたメッセージカードを貼っていきました。そのあと、6年生との思い出や6年生が好きそうなもの・ことなどを絵にかいていました。5年生は、「〇〇ちゃん、うまくかけているね。」などと声掛けをとても良いタイミングでしたり、「6年生さんとなにをしたのかな。」「それをかいてみたら?」などとアドバイスをしたりしていました。下級生の中でも4年生は意識が違い、5年生が何をしているのか、5年生が困っていることはないか、1~4年生が何をしたいのかを考えて行動しようとしていました。
 さすが、そうじや田植え、稲の苗植えなど様々な活動をしてきたなかよし班ですので、「あ・うん」の呼吸で取り組むことができていました。それぞれの得意なことも知っていて、とても柔らかくて温かいひとときを送っていました。「感謝」の気持ちをあらわす瞬間とは、こうした誰かのために力を合わせて、自分たちで考えながら何かをするときなのだと、子どもに教えてもらいました。
 5枚目の写真は、「感謝」の気持ちがあふれ、飾りをしっかり貼ろうとする気持ちが大きく、糊がはみ出たようで、瞬間乾燥中でした。6枚目の写真は6年生の様子です。「1~5年生がプレゼントづくりをしていて暇でしょ。」と言って教室に入ると、「いやいや、忙しいんです。卒業文集の大詰めですから。」と言われました。忙しいと言っていましたが、1~5年生の温かい雰囲気ににた、ゆったりとした空気が漂っていました。6年生も、自分を含めて「感謝」の気持ちを込めて文集完成をめざしているのだと感じました。
 6年生を送る会、卒業式と「卒業」モードに突入しています。あわただしくなるところですが、原点は「感謝」の気持ちであふれた「温かい」心をどうあらわすかということだとつくづく思います。

見えぬもの

2023-02-14 17:33:19
 3年生以上の「今月の詩」は、金子みすゞさんの「星とたんぽぽ」です。この詩の暗唱を披露しにきた4年生の子に、「4年生にとって、『つよいその根は 眼にみえぬ。』という『見えぬけれども』あるものって何ですか。」という意地悪な質問をしました。すかさず、「4年生は、何かあったときに人ごととせずに、声をかけたり自分のこととして取り組んだりすることができるところです。」と応えてくれました。感動しました。
 その後、4年生の教室に入ると、「外国にたくさんの輸出をする日本。幸せだよね。両方とも。買いたい物を買うだけ買ってお金を使い放題の相手の国も・・・」と担任が言うと、「それは違うと思います。」と応える子がいました。これも、「見えぬけれども」あるものを想像して考えている証拠だと思います。3年生の道徳では、「いけないとわかっていることを友達から誘われたら」ということをペアで考えていました。断る役と誘う役がうまく話をしていました。これも、自分が経験していないことかもしれませんが、相手の立場になって考えている姿でしょう。
 本校は、今週から「6年生を送る会モード」に入っています。6年生に喜んでもらうためにはどうすればよいのかを必死に考えながら、プレゼントなどを作っています。「6年生の〇〇ちゃん、あの時やさしくしてくれてうれしかったな。だから感謝の気持ちを込めて」という気持ちです。相手が喜んでくれるように、心を込めることも「見えぬけれども」の一つだと思います。時には、友達や担任に「それでは、6年生の〇〇さんは喜んでくれないんじゃないかな」と言われることもあります。「見えぬけれども」あるものだから仕方がありません。こうやって、眼にみえないけれども大切にしていくべきことを、自分たちで見つけ出していくのでしょう。
 6枚目の写真は、6年生を送る会のために5年生が6年生の写真を撮っている様子です。5年生は、他の学年が取り組んでいるプレゼント等のほかに、6年生を送る会自体を企画・運営しなければいけません。今まで経験したことのないような、一大イベントです。先日から「やばい」という声が5年生の口癖のようです。先を見越しながら、計画を立てて、全校のみなさんに協力してもらうことの難しさを味わっているようです。「見えぬけれども」非常に大切な役割です。がんばれ5年生。

今日の誕生日は  歴史をつくるのは一人ひとり

2023-02-13 16:51:48
 今日の給食の放送で「今日の誕生日は阿用小学校です。全校みんなで拍手をしましょう。」というコメントがありました。全校が大きな拍手をしていました。職員室の前には、本校の150年を振り返る写真等を掲示しました。その前で「お誕生日おめでとう」といって手を振る子どももいました。
 2年生の教室に入ると、一人ひとりが思い思いに作った「大きくなってできるようになったこと」のすごろくや絵巻物の相互評価をしていました。「〇〇ちゃんは~ができるようになったんだね。」「〇〇ちゃんは~の時に、ぼくにもしてくれたよ。」などと、友達が作った作品に対してのコメントをしていました。自分がしたことやできるようになったことを振り返ると、これまで取り組んできたことや苦労したこと、喜んでもらえたことなどが整理できて、自分の成長、歴史をかみしめることができます。しかしながら、自分自身ですので、少々自信がなかったり、自己満足ではないかと思ったりします。また、自分には気づかない「良さ」もあります。そうしたところを、友達や教職員、保護者が「あなたはね…」とコメントすることで、自分自身のしてきたことの「価値」を教えてくれることによって、自信が芽生えたり、新たな自分が見出せたりします。そして、そこで得たエネルギーが新しい自分を見つけようとしていくでしょう。その証拠に、2年生のある子は「みんなが喜んでくれたりほめてくれたりしたので、これからも~をしていこうと思う。」と将来について書いていました。ちなみに2年生は、担任から「こうやって友達の良い所を見つけられるようになったことも含めて、大人になったなぁと思うよ。」といってもらって、うれしそうなむずがゆそうな表情をしていました。
 今日から、元気アップウィークです。一人ひとりが目標を立ててメディア接触などの生活を見直しながら、健康的な生活を築いていきます。自分の生活を見つめなおして、新たな自分をめざす、これも歴史を作る作業の一つだと考えます。
 150年の本校の歴史。私たち後輩たちが、こうして写真等で振り返り、「価値」を見出すことで、自分たちの未来の学校生活を考えていくことを期待しています。

磨きあい

2023-02-10 17:00:00
 今日4年生の教室の前を通ると、「センチセンチ」「はい、ぼくが!」という声が響き渡っていました。教室に入ると、算数の授業で、「たて200㎝、よこ4mの面積は何㎠でしょう」という問題の解き方を学級全体で考えていました。㎝の単位にそろえて計算すべきだということは学級全体の総意のようですが、担任は「なぜなの?」と問います。「だって200㎝を2mにして、2×4にしたとしても、後で㎠に変えるとなると『面倒』だから」という説明をします。その発表が終わるや否や、「ぼくが説明する!」といって発表をし始めました。「求められている答えがセンチ」「センチじゃなくて平方センチメートルでしょ」「そう、その㎠だから、かける数字の単位は㎝でないといけないと思います。」と説明していました。そのやり取りを、ほかの子どもたちは、時に笑ったり、時にうなづいたりして「自分事」として聴いていました。発表者が言いたいことを先読みしながら、「きっと〇〇さんは、こういいたいのではないか」ということを想定して聞いていることがよくわかります。より分かりやすく説明したい、友達と違った見方や考え方を説明したい、と思える人間関係が築けていることがとてもうれしくなる一コマでした。
 3年生教室に入ると、ちょうど「はい」という声とともに、かるたをとる音がしました。4枚目の写真です。ある2人が同時にかるたに手をやったようです。どちらの札になるのか、緊張の一瞬です。2人は、「自分が先だった」といわんばかりに、札から手を放しません。その代わりにメンバーの表情を見て、目でアピールしています。担任が「どちらかわからない場合はじゃんけん」とアドバイスを送ります。双方見つめあいながら、無言での主張が続いていました。ちょっと視線を外したうちに、新しい札に移っていました。どうももめることなく解決したようです。かるたは、逃さず聞く、聴いた一番はじめの言葉を探すために札を見渡す、一番はじめの文字を覚える、手を出す、とかなり多くの作業をいっぺんにする活動です。ですので、できない自分に腹が立つことが多いですし、とれたと思ったら友達がとっていたというのはなおさらかっとなることです。その状況で、2人で折り合いをつけたところがとても素敵だと思いました。ほかの友達もさらりとその状況を切り抜けたところも素晴らしいと思います。
 2年生は、1年間の成長したことを発表、録画していました。成長したたくさんのことの中から、どれを保護者のみなさんに伝えたいのかを話し合い、その後練習に練習を重ねてきました。私は、ちょうど「なわとび」「ダンス」「お笑い」の部分をみました。どの子も、練習してきたことが発揮できている実感がわいていくようで、だんだんと表情が明るくなり、自信が芽生えはじめました。その後の下校では、「『おれたち 私たちの』発表会」といって自分たちの頑張りについて話していました。何かを、学級全体でやり遂げること、よりよくするためにお互いにがんばっていくこと、こうした姿が先の3年生、4年生のようなしっかりとした人間関係の中での「学び」につながると思います。

本校は2月13日で150歳

2023-02-09 17:00:00
 昨日の昼休みのフレンド集会で、「阿用小学校の誕生日」の話をしました。令和、平成、昭和、大正、明治と5つの時代をまたいた、150歳で、大東町内で1番古い学校であることを知りました。子どもたちの気づきや疑問を取り上げながら、本校の歴史について話していきました。3枚目にあるように、服装、子どもの数などが違っていることを知りました。また、4枚目の写真のように、学校生活でどのようなことをしていたのかも知りました。特に、戦争中には「大人」扱いをされ、訓練や労働、軍服など、今の学校では想定できないようなことに驚きを感じていました。また、「田植え」や「蓮花寺登山マラソン」など今でも続いている行事での姿を見ると、自分と比べている様子がよくわかりました。1年生を送る会、6年生を送る会など、仲間を大切にした行事や「あいさつ運動」など、現在の子どもたちも大切にしていることがずっとつながっていることにも気づいたのだと思います。
 この話の最後には、昨日の山陰中央新報で紹介されていた「ロボコン大会 大東中全国1位」について話しました。3人のうちの1人が本校の卒業生で、ロボコン大会出場を夢見ていたことを知り、自分たちの先輩の活躍ぶりを感じていました。加えて、先日の「島根県学校歯科保健優良学校」表彰について紹介し、自分たちも阿用小学校の歴史の中に素晴らしい功績を残したことも話しました。
 6枚目の写真は、1年生が来年度入学する子たちを迎える会で使ったプログラムです。これを見ながら「校長先生、このうちどれが私が書いたでしょうか」という問題を出す1年生の子がいました。一人1枚ずつ書いたということです。こうした積み重ねで歴史が作られていることを感じさせてくれる、「問題」を出してくれました。
 150年間、1809名の卒業生がいます。その一人一人が歴史を築いてきたことをかみしめる時間でした。