阿用小学校


自らの手でつかみとると

2023-11-17 17:00:00
 先日(15日)、5時間目に県教育委員会の指導主事を迎えた研究授業を5年生が行いました。社会科の工業についての学習で、「なぜこんなに難しい製品の発売に挑戦したのか。」という問いについての解決を行いました。日本中ではこの学習を自動車の生産で行いますが、本校は地元のホシザキ電機さんの取組で学ぶことにしました。この時間は、9時間の学習のうちの7時間目で、ホシザキ電機さんが誰のためにどんなことを考えて製品を開発、生産、販売しているのかを考えるという、この学習の「肝」の部分です。
 3枚目、4枚目の写真のように、子どもたちは付箋に自分の考えをたくさん書き、グループで分類していきました。友だちと同じ意見でも違う意見でも、書いた付箋を分類しながら貼っていくのはかなり度胸がいることです。「この意見って、私と同じだ。」と言われるとうれしいですし、「この意見ってどんな意味かな?ひょっとして〇〇のところに貼るんじゃなくて△△のところじゃないかな。」などと言われるとしっかり自分の意見についてみんなが考えてくれることへの責任を感じるのだと思います。5枚目の写真は、グループで意見を出し合った後、自分の広がったり深まったりした意見を発表する様子です。挙手する子の姿勢がピンとしているところがとても印象的です。一番初めは全員が挙手していました。
 太平洋ベルト地帯にしか大きな工場はないと「諦めていた」子たちが、地元に世界に通用する工場があったことを発見して、調べたり考えたりするうちに、より一層自慢すべき工場であることに気づいていきました。そして、先に紹介したような方法で自分の意見を広げたり深めたりしながら学習を進めてきた5年生です。ある子は、恥ずかしさを押して、顔を真っ赤にして挙手して意見を述べていました。ある教員はこの5年生の姿を見て「全員が主人公の授業だ。」と評していました。こうなると、教師の出番は少なければ少ないほど、子ども自身が学びをつかみ取っているので、子どもの学びはよりよいものになっていくと考えられます。
 6枚目の写真は1年生の生活科の様子です。自分たちで育てたヒマワリなどの種分けをしていました。ある子が、「ぼくたち、チームワークだもんね。」と言いながら活動していました。この頃、1年教室の前を通ると子どもがたちが「チームワーク」という言葉を言っていることがよくあります。きっと、1年生の学年発表で、1年生の6名がつかみ取った「学びの言葉」なんでしょう。算数でも、自分たちであみだした引き算の方法があるようです。これも学んできた「チームワーク」の活用のおかげでしょう。

創りあげること

2023-11-15 12:41:23
 今日の10時になると、2年生がいつも以上に大きく丁寧な声で「失礼します。」と言って校長室隣の会議室に入ってきました。話を聞いてみると、2年生が生活科で計画している「まち探検」の行先にお電話をするということです。3か所に行くのですが、「見学させてもらえるのか。」「何か用意するものはあるのか。」「気を付けることは何か。」などを聞くことになっていました。ノートにセリフを書いて、恐らく学級で練習したことを試すようになっていたと思います。「阿用小学校の〇〇です。お時間いいですが。今度そちらに見学に行っていいですか。」と聞いてすぐに、次の質問をする友だちに受話器を渡しています。担任は「今応えておいでなのに、代わってしまったら、何を言っておられるかわからん事ない?」と言われ、子どもたちはハッとします。次は応えられることを聞いてから友達に受話器を渡しますが、また担任から「勝手に変わったらびっくりされるんじゃない?」と言われ、またハッとします。次は「次の人に代わります。」としっかりと言います。と試行錯誤を繰り返しながら、3か所に行くことができるという「交渉成立」となりました。あんなに緊張していたのに、「最初から、簡単だったわ。」という子がいました。自分たちで勝ち取った満足感を得た子がよく言うセリフです。
 5年生教室に行くと、「諸行無常の…」「春はあけぼの…」「あぁー。」などという声が聞こえています。国語の古典に親しむ学習の様子です。すらすらと覚えられる子、全く覚えられない子、意味はわかっていて大体あっているが一言一句あっているわけではない子、様々です。「こんなことをして何の意味がありますか。」と言いたくなる気持ちもあるかと思いますが、覚えることに挑戦している子どもたちは、結果は違えど生き生きしていました。
 1年生教室に入ると算数の学習でした。今まで学習した和と差の文章問題に挑戦していました。担任がつくった「5匹の〇〇と14匹の◇◇は、どちらがどれだけ多いのでしょう。」という問題です。「先生がつくられたから、きっと難しいんじゃないかな。」「いや、簡単だよ。」などと言いながら黒板に書かれた問題をノートに写していました。話しながら、楽しみながら板書を移すことができる1年生の成長ぶりが微笑ましたかったです。さて、式は「14-5」と「5ー14」の2種類が出てきました。5枚目の写真のようにペアで話し合っていました。「5から14は引けないんじゃないかな。」「あっ、そうか。そうだよね。」などと言いながら、担任の問題にまんまとひっかかってしまったことに苦笑いをしている子もいました。こうして、間違いをうまく自分のものに取り入れるところ、1年生の学びの成長を感じました。
 6枚目の写真は、4年生の人権標語の清書の瞬間の様子です。みんなに見てもらうこと、人権標語ということは心を込めるということ、名前は自分に与えられた唯一の大切なものであることから、一字ずつ丁寧に真剣に書いていました。「先生、緊張しますが、この標語、いいと思いませんか?」と笑顔で紹介してくれました。人権週間を今月末から始めますが、もうすでに始めている子がいるところが印象的でした。

願いを持つために

2023-11-09 17:00:00
 2年生教室に入ると、子どもたちが「うーん。」と思い浮かべながら、勢いよく書き出すという姿が見られました。「自分の宝物」について人にわかりやすく伝える作文を書く活動でした。「先生、私の宝物はね。」と話し出す子、(いつもはそうなことはないのに)恥ずかしそうに隠す子、全く関係なしに「鉛筆から煙が出るくらいの速さ」で書いている子がいました。家族、学校、友だち、家族に買ってもらったもの、飼っているペットなど様々ですが、やはり宝物は個々の子どもの生き方に関わっているので、その子しか書けない内容となります。
 3年生教室に入ると、外国語活動の学習をしていました。写真3枚目のように子どもたちは真剣な表情で、クリスマスカードを作っていました。しかし、色紙はALTさんが持っているので、4枚目の写真のように英語で「色」「形」「大きさ」を英語で言わなくてはいけません。先週学習したことを生かしていくのですが、自分がつくりたいカードを完成するためには英語を使わなければいけません。必死に思い出しながら、そして笑顔でALTにお願いをする姿が印象的でした。
 5枚目の写真は1年生の活動の様子です。「ぼくね。今日朝一(あさいち)で採りに行ったんだよ。」ととてもうれしそうに話してくれました。自分のイメージを膨らませながら秋の「宝物」を使って作品にしていく姿はとてもかわいく、生き生きしていました。やはり、この活動は自分で「とってきた宝物」を使うところが醍醐味です。危険だから、時間がないからと言って大人が用意した「木の実」では、これだけの姿は見られないでしょう。
 やはり、自分が大切にしているもの、願いをエネルギーにした学びは深く、広いものになります。
 昨日から元気アップウィークです。自分の将来の願いを持って取り組んでもらいたいです。

学んだことを知らせたい力

2023-11-08 16:33:51
 今日の昼休みに1年生が学年発表をしました。「9月にね。生き物を飼いました。ところがね、驚きの事件がありました。」から始まる劇を中心とした発表でした。1年生がこだわりを持って育てた昆虫などを主人公にして、それぞれの虫たちの食べ物や動き、鳴き声などを説明していきました。その後、1年生自身ができることになったことも紹介しました。ある子は、3つの役をするために4回の「お色直し」をやってのけました。衝立の奥に入るタイミングを自分で考えて、何度も何度も調整したのでしょう。ぴったりのタイミングで着替えを済ませて出ることができました。また、かなりのセリフがあったにもかかわらず、堂々とセリフを言うことができました。音読も声をそろえてできたり、学習用タブレットで字を書いたりするといったことも、どの子も「当たり前」のようにしてやっていきました。ここまでになるのに、ただただ練習してきたわけではないことが、2年生以上の子どもたちにも伝わったようです。5枚目の写真は、本校恒例の「振り返りの感想」の様子です。上学年が「学んだことを生かした発表だった。」「みんなに聞こえるように大きな声を出していた。」「今日の発表は練習したからだと思う。」などといってくれるから、うれしくてたまらなくなったようです。背中しか見せられませんが、伝わってきませんか。
 6枚目の写真は、4時間目の1年生の様子です。自分たちで保護者の方に座っていただく椅子を用意していました。今回の発表は、自分たちの学んだことを知ってもらう、伝える力をつける、チームワークをつけるの3つの目標を学級でたてていました。そうした目標のもと、学級が一つになろうとした瞬間だと思って撮った写真です。

学んだという実感を得ること

2023-11-07 08:58:27
 今日2年生教室をのぞくと、一人ひとり得意な九九を披露していました。友だちは固唾をのんで聞いていました。その後、ビッグパッド(大型テレビ)に出されたタイマーを見ながら九九を言っていました。時間内に言えるように挑戦していました。できなかった子に対して担任は、「その悔しさは今ではなく、明日できるように頑張るエネルギーに変えて。」と優しく話しかけていました。「2×2」がどうやって「4」になるのかを考えるなど、かけ算の意味を実物や図などを使って学ぶことが重要ですが、こうした地道に練習していくことで何かができるようになる、できない場合はほかの方法で試してみるという体験は10歳までにたくさんすればするほど、後々の勉強や生き方に効果があると言われています。根性で時間をかけて必死にやらせる、「これができなかったら~はだめだよ」といった罰を与えるなどということではなく、子どもが「覚えたい」という願いを持ちながら試行錯誤することに意義があると考えます。がんばれ!2年生。
 4年生の教室に入ると、国語で物語文「ごんぎつね」の学習をしていました。「ごんはどんな性格なのか。」を考えていました。「きっとさみしがり屋さんなのではないかな。」「いたずら好きじゃないかな。」などと発表していました。ほかの子は「あぁ、そうか。」「えっ、そうかなぁ。」と思ったり、思わず声に出したりしながら聴いていました。4枚目の写真は、「一つの花」という物語文の学習での初めのころの「なぜ『一つの花』という題名なのか」という問いに対する自分の考えを貼ったものです。学習の途中に教室に入ると、「あぁ、なるほどね。〇〇ちゃんの言いたいこと、わかったよ。」「だから、お父さんは〇〇したんだ。」などと様々な発見をしていく子たちの姿をみました。恐らく、「一つの花」の学習後に書いた同じ問いへの答えは変化しているのだろうと思います。双方を見比べて、自分自身の「読みの深さの変化」に酔いしれていってほしいと思っています。
 5枚目の写真は、本日松江市にあるサンラポーむらくもで島根県教育委員会が開催した「優れた教育活動表彰」式でいただいたものです。昨年度までの2年間、本校が取り組んだ歯と口の健康づくりについての教育活動に対しての表彰です。知事などの来賓の方もおいでになりました。
 先日実施した開校150周年記念式典、およびそれまでの準備で見せた子どもたちの「自分事として取り組む」姿勢は、「歯と口の健康づくり」で培ったことが大きく影響していると思っております。表彰されたから終わりにするのではなく、2年間の取組を子どもたちのより一層の成長に生かしていきます。