阿用小学校


頑張ること 楽しいこと

2023-01-27 17:04:45
 1枚目の写真は、「校長先生。みてください。僕たちの8の字跳び。新記録です。すごいでしょ。頑張ったでしょ。」と言いながら記録を見せてくれている2年生の教室での会話です。その後も、自分たちが掲げていた目標をはるかに超えたこと、なかなか記録が伸びなかったのに今日はどんどん跳べるようになったことを流れるように話してくれました。目標があるからこそ、自分たちの頑張りの過程が見えるし、頑張ったことが明確に見えるのでしょう。今日なぜこんなに跳べたのかについて今晩しっかり考えてくるのではないかと期待しています。
 こうして「自分たちは結構できることが増えたな!」「大人になっているな!」という自信がみなぎった2年生教室では、保護者の方に自分たちができるようになったことの何を紹介したいのかを話し合っていました。時間が限られているので、あれもこれも紹介できるわけではありません。しかし、「ぼくはね、ピアニカを見てもらいたいんだよ」とひそかに教えてくれた子がいました。理由まで聞けなかったので、次の時間の音楽を見に行きました。先日から始めましたが、簡単にできる曲ではなさそうです。楽譜を指さしながら「ここ。指を移動させないとだめなの。これが難しい。」と教えてくれました。担任から「最初からできるわけじゃないよ。少しずつ」と言われていますので、あきらめずに何度も挑戦していました。ピアニカを紹介したいと教えてくれた子も同じように悪戦苦闘していました。しかし、非常に楽しそうです。ここでいう「楽しそう」は笑う楽しさではなく、難しいことを挑戦して克服する楽しさのように見えます。きっと、ここがこの子の紹介したい理由ではないかと思います。その後、「あんたがたどこさ」を歌いながらボールをつく超高度な「遊び」に挑戦していました。「 (さ) でつくんだよね。」「わかっているんだけどなぁ」とこれも楽しそうに挑戦していました。
 5、6年生の教室に入ると、卒業に向けてのプロジェクトの中間の振り返りをしていました。協働性、積極性、計画性などの視点での振り返りでした。担任は子どもたちの発言を整理しながら、今後どのように取り組めばよいのかが明確になるようにしていました。その後5年生に聞くと、「次の時間から、〇〇の係の手伝いをしていこうと思う。今までやっていなかったからみんなで協力していこうと思っている」と振り返りをしっかりと次の行動に移していました。
 最後の写真は3年生の図工のようすです。「スタート」という文字を色紙を丁寧に切って貼っていました。なんとはさみで切っています。こだわりと粘り強さの勝利です。あまりにも素敵なので、途中ですが紹介しました。
 

雪の中での登校 学校生活

2023-01-26 17:25:16
 1枚目の写真は本日の朝6時前の本校の状況です。2枚目は子どもたちが登校する直前の状況です。手前味噌ですが、本校教職員が子どもたちに少しでも「学校に着いてよかった」と思ってもらえるように雪かきをしていました。昨日も全教職員で雪かきしましたが、残念ながら昨日の夕方からの降雪で一面真っ白になってしまったので、今朝は再度の雪かきでした。子どもたちの大きく元気な挨拶を聞くと、無事に登校してきたことがとてもうれしく感じました。
 3枚目、4枚目の写真のように、雪遊びを子どもたちは必死にしていました。雪の滑り台、3弾の雪ダルマなど、思い思いの「作品」をつくったり、雪合戦をしたりして楽しんでいました。
 後日じっくりお伝えしますが、3、4時間目には1年生教室で地域の「昔の遊び名人」の方にお越しいただき、「昔の遊び交流会」を開催しました。かるた、おはじき、あやとり、こま、お手玉を順番に回りながら、「名人」に教えてもらっていました。近頃、こうした、楽しむために練習しなければいけない、ルールをしっかり守らなければいけない、自分たちで作りこむ遊びを経験していない子が多いと聞きます。これをきっかけに、ご家庭でも広がっていけることを期待しています。
 最後の写真は、昨日撮影したものです。昨日、交流センターの皆様が、本校のほとんどの通学路を除雪していただきました。今回の雪は湿った雪で、通常でも難しい除雪がより一層難しかったそうです。全国のニュースで、除雪機での大きな事故が伝えられます。そうした危険とも隣り合わせのことを子どもたちのためにしていただいています。また、信号機の前の除雪をしていただいたり、登校時に子どもの後ろをスコップをもって歩いてくださったりしていただく、保護者や地域の皆様がおいでです。子どもたちが「今日1日楽しかった!」と言えるのは、こうした皆様のおかげであると、あらためて痛感しています。

浸ること 没頭すること

2023-01-23 17:00:00
 4年生教室に入ると、黙々と取り組む子、友達や担任にひたすら聞いている子がいました。図工で物語を立体であらわす活動の様子でした。1枚目と2枚目の写真は、背景等の色を絵の具で塗る子とコンテで塗る子の様子です。絵の具で塗っている子は「やまたのおろち」の力強さをあらわしたいので絵の具を選んだようです。2枚目の写真は「一つの花」のやさしさをあらわしたいのでコンテを使ったようです。双方とも物語の雰囲気をあらわすための工夫ですが、ほかの人にその思いが伝わっているのかを気にしながら何度も色を塗っていました。3枚目の写真は、昔話に出てくるじさまが集めるたきぎです。小さくて細いけれど、一本ずつ枝に見えるように立体的にして色を塗っていました。どの子も、「本物に見えるかな」「物語の様子が表れているのかな」「いや違うぞ」「これではだめかぁ」と試行錯誤を繰り返していました。
 4枚目の写真は、2年生の音楽の様子です。昔の手遊びをしています。初めてなのか、久しぶりなのか少しぎこちなく遊んでいました。「いどのまわりでおちゃわんかいたのだあ」くらいになると、「自分の指に来ますように」と願ってドキドキしています。段々慣れてくると、テンポが速くなり、歌声も大きくなっていきます。実は、この遊びは高等技術を要するものです。歌う、「鬼」の指が入るような大きさに指を丸める、リズムにのる、相手のびくびくする表情を見る、鬼は優しく友達の丸めた指のところに指を入れていく、究極的には「だあれ」のところで止めるのは誰なのかを見ていく、などと様々な能力を一斉に使わなければいけません。さらに大切なのは、友達と心を合わせていく、負けてもふてくされないなどと言うことも必要とされます。今後、2年生で流行するのか楽しみです。5枚目の写真は、1年生の音楽です。自分が選んだ楽器を使って「やさしい」音で合奏に参加する活動です。なかなか「やさしい」音は簡単ではないようです。大きな音にするには思い切りたたけばよいですが、それでは「やさしさ」は表現できません。しかし、弱くたたくと「弱弱しい」音になってしまいます。それぞれが「やさしい」音を追究していました。
 6枚目の写真は、5年生の理科の様子です。人の赤ちゃんはどうやって生まれてくるのかを調べていました。先日は、学級全体で疑問を数十個あげていました。今日はその中から自分で選んだ疑問を調べていました。疑問を完璧に応えてくれる本やウェブはなかなか存在しません。書いてあることを読み込んでいく必要があります。一人一人が黙々と資料とにらめっこをしていました。時折、疑問が解決したようで「あっ!わかった!」という声が聞こえてきました。
 こうした、自分の願いや思い、疑問に向かって夢中になって取り組む、つまり「ひたる」姿は非常に大切だと思います。

子どもが「学ぶ」時

2023-01-20 17:09:33
 今週になり、2学期後半から練習してきた書初めが廊下に貼ってあります。今日見ると、その「作品」に「〇〇がていねいだね」などといったコメントが書いてある付箋が貼ってありました。5、6年生の教室前では、真剣な面持ちで、審査員のように友達の「作品」を見ている子どもたちがいました。「全体的に見た時のバランスが良い」「〇の字がとても丁寧」「ひらがなを少し小さくしたおかげで漢字を大きく書けるようになっている」などというコメントを書いていました。それを書きながら、「結構いいと思って提出したけれど、まだまだうまくなるところがあったなぁ。もっと練習すればよかった。」というつぶやきが聞こえ始めました。いつもは教科書などの手本を見て自分の目標を立てて練習してきているのですが、友達の素晴らしいところを発見することで、新たな視点が生まれたようです。
 3枚目の写真は、3年生の算数「二けた同士のかけ算のひっ算」の活動の様子です。二けた同士のかけ算をひっ算で行うときの方法を伝えあっています。「まずね、かける数の一の位をかけるじゃん。だから十の位を指で隠すよ。それでかけられる数の一の位との計算。そう。」といって自分の指を使って説明しています。すると「あっ!なるほど。わかったよ。〇〇ちゃん。後はやるね。」といって問題を解き始めました。そのあとの様子が4枚目の写真です。そうして解いた解き方と新しい問題を見比べながら問題を解いています。「まずかける数の十の位を」と心で言いながらじっくりと説いていました。ほかの子どもたちを見ると、かけられる数とかける数のそれぞれの位の数を「たすき掛け」にするように線を引くなど、様々な方法をから自分なりの方法を選んで説いていました。教室内には、「簡単!」「できた!」などという声が聞こえてきましたが、これはただ正解が増えたとか、速く解けたとかの問題ではなく、自分なりの方法をあみだして説いていったことへの喜びのように聞こえました。
 2年生教室に入ると、ストーブのところに集まって「じさまや」「ばさまや」などと言っていました。国語の「かさこじぞう」の学習でした。6体の地蔵に傘や手ぬぐいを渡してしまったじさまはどのような気持ちだったのかをストーブを囲炉裏として追体験していました。その後、空想での餅つきをじさまとばさまが行っているときの気持ちを考える際には、ほかの絵本をの絵を見て考えていました。昨日の「おはなしの森」の方々とのお話であった、昔話の内容がわからない現代の子どもたちですが、こうした様々な体験を通して少しでも気持ちを探ろうとしていました。これは恐らく、じさまとばさまのあの人柄に接した子どもたちのじさまとばさまへの「思い入れ」が原動力だと思います。

「意欲的に」取り組むために ストーリーテリングと授業

2023-01-19 16:15:40
 今日の2~4時間目に、「おはなしの森」の4名の方にお越しいただいて「ストーリーテリング」を行いました。子どもたちの「えっ」「なんだろう」という気付きや、想像力がわくような本を選んでいただきました。子どもたちは、笑い声を出したり、友達同士で顔を見合わせたりして物語の中に入り込んでいました。前にあるろうそくに火をともして始まり、消すことで終わるという流れです。ろうそくの火を消すときには、願いを思い浮かべるようです。そういう話を聞いた後に消す係になる子はやはり緊張しますよね。「おはなしの森」のみなさんとのお話で、本の世界に入りこむと、今まで見たことがない、経験したことがないことを体験できたり、新しい見方や考え方が生まれたり、ドキドキわくわくが生まれたりするとおっしゃっていました。しかし、我々大人も「せわしない」生活の中で、子どもと一緒に「ダジャレ」を言いながら会話を楽しんだり、森でぼーっとしたりすることがない中、本の世界に入り込めるほどの経験や語彙、そして心の余裕がない状況であるのが現実であるという話をされました。「この本は、〇〇文庫だから読まないといけません」ということでは、こうした新しい世界やドキドキ感は味わえないと思います。
 3から5枚目の写真は、5時間目の3年生から6年生までの算数の授業の様子です。どの学級も、子どもたちが必死に説明をしていました。「だってね。」「なんで」などいうつぶやきがたまに聞こえながら、それにもこたえながら説明していました。頷いて聴くというよりも、自分の考えと比べながら、より深い考え方を見出そうという意欲をもって聞いていました。一人が発表すると次の友達が発表したそうにしています。双方とも、自分の言葉で説明したいという願いをもっています。こうした発表をしあい、聴きあいながら、学級全体の考えを広げたり深めたりすることができるために、「あれ」と思うような問題を設定したり、自分の立場を学級全体で表明したり、学級全体の疑問をあらかじめ作りだしたりする工夫を各担任がしています。
 6枚目の写真は、2年生の図工の様子です。図工室に入ると「シャッシャッ」と石膏板を削る音しか聞こえませんでした。この子は、2学期に生活科で飼育していた水の生き物を見ている自分を描いていました。水の中の生き物や小石、水の中の泡などを細かく掘っていました。生き物を大切に育てたという自信とそれを表現してより多くの人に見てもらいたいという願いが重なり、これほどの集中力が生まれたと思われます。
 真面目に良い姿勢で席について授業を「受ける」という考えではなく、自分事としてとらえて自分の願いや疑問のために友達とともに「解決」することが本校がめざす「学び」であることを示す1日だったと思います。