阿用小学校


学び方を学ぶ(獲得する)こと

2023-09-04 17:20:39
 今日3年生の教室をのぞいてみると、漢字の学習をしていました。漢字ドリルにある字をなぞりながら「感じた」「分析した」のちに、ホワイトボードに大きく書きます。そのあと、学習用タブレットで撮影します。撮影することもあって、緊張感があります。学習用タブレットに保存されたホワイトボードに書いた漢字の「作品」は、家庭に帰ってからも、自分のお手本となりますし、恐らく保護者のみなさんも見られます。しかし、自分で正誤を確かめることは難しいですので、友だちと見合います。「〇〇ちゃん、そこは出ちゃだめだよ。」「ていねいに書いてるね。」などという会話が聞こえます。「同じ漢字を10回書きましょう。」という漢字練習と違い、楽しみながら自分だけの「漢字作品展」ができあがりそうです。
 3枚目の写真は、2年生教室での国語の授業風景です。2年生は1学期から「発表→質問」という形でグループでの話し合い活動を行っています。今日は、自分たちの話し合い活動での様子を録画した動画を見て「分析」することにしたようです。発表の後に、「(次はだれが質問する?と心の中で自問自答している)・・・」という隙間の時間があることに関して、どう思うのかを考えていました。スムーズな話し合いをするためには、発表した人のことを考えて、質問する内容や、「間」を大切にする必要があることを実感したようです。4枚目は、その後の修正をしているところです。また、担任が録画していますので、「成果」が自分たちで評価できます。
 5枚目、6枚目の写真は、6年生の国語の授業風景です。教科書に載っている「話し合い風景」を参考にして、よりよい話し合いの仕方について考える活動でした。「話し合い風景」は2つありました。一つは個々に考えを言い放っている話し合いです。もう一つは、ある子の意見に同調するする話し合いです。6年生の子たちは、「こんな話し合いしていてはだめだよね。ぼくたちのほうが…。」と自分たちと比べて「よりよい話し合いをするコツ」を見つけ出していました。
 今日紹介した、3つの子どもの「学び」の姿は、すべて「学び方」を自分たちで考えるという「学び」です。教師が「〇〇しなさい。」と言ったとおりにするのではなく、自分たちで「方法」を見出すことに、この「学び」の価値があります。

やらされる「勉強」 願いを持って取り組む「学び」

2023-09-01 17:00:00
 今日6年生の教室をのぞくとピンと張りつめた雰囲気になっていました。1枚目の写真がその様子ですが、プリントを取り組んでいました。いつもなら、「あぁ、そうか。」「わからないなぁ。」などと、楽しみながら課題に向かっている6名が、息を止めているかのような静けさのもと、プリントに書いてる問題に向かっていました。プリントには「ハイレベルな問題」と書いてあり、納得しました。自分の力を最大限に発揮し(てもできないかもしれない)なければならないくらいの難問に出会い、ふざけるなどの逃げることをしないで、正対している姿がとても印象的でした。
 2枚目の写真は、1年生の音楽の風景です。鍵盤ハーモニカでの「初音出し」の瞬間です。恐る恐る鍵盤を押す様子です。低い音を選んだ子、高い音を選んだ子、音を伸ばしている子、弾むように音を出している子と様々です。自分が「音」を操作することの楽しさを味わい始める瞬間でした。
 3枚目の写真は、3年生の算数の様子です。10倍していくと数がどのように変化していくのかを考えていました。「大きくなる」「左に動く」などという、「見た・感じた自分の言葉」で変化について説明していました。「位」という言葉を習い、10倍していくと数がどのように変化するのかを説明できるには、やはりこうした「見た・感じた自分の言葉」が大切です。それを算数用語に翻訳していくことができるようになる瞬間でした。
 4枚目の写真は、3・4年生の体育の風景です。グループで円になり、メンバーにボールをパスする活動です。できるだけ長く、落とさないようにパスを続けるにはどうすればよいかを考えながら、活動をしていました。「いい。こうやって、ボールをしっかりつかむんだよ。」「ゆっくり投げれば取りやすくないかな。」「そんな足の方に投げたら、誰だって取りにくいよ。」などとアドバイスをしながら、どのグループも1回目より長くパスをつなげることができました。相手のことを思って、相手に応じて「パス」をするという、中学年にとって一番大切な「思いやり」を体感する瞬間でした。
 5枚目の写真は、5年生の作文作成の風景です。「社会を明るくするにはどうすればよいか」について、「社会が暗くなることは何か」「どんなことをするよ暗くならないのか」「自分にできることはないのか」など項目を立てた「思考ツール」を使って自分の考えを広げたり、整理したりしていました。「社会を明るくする」という、自分には見えにくい事柄について、自分の周りの生活や報道などで流れる事件等のニュースなどを思い起こしながら考えていました。まだ見えてこない、「社会に役立つ自分」について真剣に取り組もうとする瞬間でした。
 こうした、様々な「瞬間」の積み重ねが、生涯にわたって役に立つ力になっていくのだと思います。1番初めは、教師の「~をやってごらん。」と言って「やらされる勉強」ことかも知れません。しかし、その中で「自分事」として、自分なりに取り込もうとしたり、アレンジしたり、逆に自分流を修正したりしていきたいという「願い」が生まれてきます。そこがチャンスです。それが、生涯にわたって役に立つ「学び」になると思います。6枚目の写真は、本校の「作品展」の一部です。「理科の学習で興味を持ったから」「去年取り組んだことで疑問を持ったから」「1学期の活動で〇〇作りが楽しくなったから」などきっかけは様々ですが、ほかの人にはできない、唯一無二の「作品」ができあがっています。夏休み期間中の(「やらされる勉強」が始まりかも知れませんが)、願いを持って取り組んだ「学び」の成果を見ていただきたいです。9月5日まで展示しています。

つなげる学び

2023-08-31 17:00:00
 今日2年生の教室をのぞくと、図に書いている子どもの人数の計算の仕方を考えていました。「7+12+8」をどう計算するとよいのかを考えていました。1枚目の写真は「12+8」を先にして、「20」という答えを出す方法でした。2枚目の写真は「7」から順にたしていく方法でした。クラスで意見は分かれたようです。担任は、発表した子の考えと自分の考えのどこが同じで、どこが違うのかを明確にする発問を丁寧にしていました。そうすることで、「自分と同じ」というのが、「答え」ではなく「考え方」であることに気づいていきます。ですから、「簡単にできるのは」という最終的な発問には、「12+8」を先にする、つまり10のまとまりをつくる方がよいという結論に至ったと思います。
 3時間目が終わってから3階にいると、「先生、今から夏休みに練習した50問漢字テストをするから、見に来てください。」というリクエストを4年生の子からもらいました。3枚目の写真のように、真剣な表情で挑んでいる姿を見ると、それだけで「苦手かもしれないけれど、漢字を覚えようとする姿勢が身についてきた。」と感慨深くなります。担任は、そのテスト前に4枚目の写真のような、「ペアでもう一度チェックタイム」を設けました。すると「〇〇ちゃん、そこは横線が一本多いよ。」「惜しい、少しはみ出ているよ。」などと、子どもたち一人ひとりが「教師」となって教え合っていました。夏休み期間中に、ほぼ一人で取り組んでいたので間違った思い込みも多々あったようです。「ありがとう、これで2点(50問テストですので、1問が2点となります。)得したわ。」といった声が聞こえました。結果はすぐわかるようですが、苦手でも逃げないで40日近く取り組んだことが「大きな学び」だと思います。
 先日6年生のある子が、「先生、ぼく全然だめだ。」と言って落胆していました。聞いてみると、漢字練習を1回しかしていなかったようです。すると、友だちが、「〇〇ちゃんは、漢字ができないんじゃなくて、長く練習していなかったことがいけないんじゃない?」と言っていました。漢字がなかなか覚えられない、漢字を覚える気持ちになれないということで困っている子はたくさんいます。5枚目の写真は、3年生の漢字の取組の様子です。ホワイトボードに大きな字で書き写していました。ノートに書くより、正誤がわかりやすくて覚えやすいという子、なんだかしっくりこないからノートがいいという子と様々です。学習用タブレットのおかげで、ホワイトボードのほか、漢字のアプリや漢字ドリルなど様々な方法で漢字を覚えることができます。「ぼくだめだ。」というのではなく、漢字を覚える方法が自分に合わないことに気づくことが大切です。
 そうした、子ども一人ひとりの、強みを生かして、願いを実現させて、自分なりに学んできた「成果」を、「夏休み作品展」で公開しています。どうぞ、お越しください。

やっぱり友達と一緒は楽しいね

2023-08-30 17:03:56
 今朝、2回に上がってみると、「キャッキャッ。キャッキャ。」ととても楽しそうな明るい声が聞こえました。詳しく聞いてみると、夏休みに実施した親子活動の写真を見て、みんなが楽しそうにしていることを思い出していたようです。「先生も来ればよかったのにね。楽しかったよね、ねー。」と顔を見合わせて話してくれました。昨日は、夏休みの作品等の提出物などでそれどころではなかったようです。みんなで楽しく活動したことを、みんなで思い出すことが、とても楽しかったようです。
 2枚目(4年生)、3枚目(5年生)の写真は、夏休みの作品や体験発表の様子です。どちらも、自分のことのように聴いていました。ですから、発表し終わると、次々に、質問やよかったところをお互いに発表しあっていました。発表の中の体験は、楽しかった、面白かったという肯定的な感情もありますが、苦労したことやうまくいかなかったという後ろ向きな感情も時にはあります。それに対して、共感して話を聴くことはとても難しいことです。2学期が始まって早々に、そうしたことができることが素敵だと思いました。
 4枚目の写真は、2年生の算数の様子です。ドリルや学習用タブレット内のアプリなどを個別に取り組んでいます。夏休み期間中は、家庭で個別に取り組んでいたのと同じではないかと思うところもありますが、隣に同じ課題に取り組む友達がいるというのは「心強い」ようです。隣をたまに見ながら、安心したり、やる気を出したりしている姿が見られました。
 5枚目の写真は、1年生の「2学期のめあて」の一部です。1学期の学びや暮らしをふり返ってみたり、夏休み中に家庭で指摘されたりしたことを思い出したりして、めあてを作ったようです。一人でつくるのは難しいですが、友だちが考えているめあても「耳で聞きながら」作っていくので、勇気100倍出るのかもしれません。しっかりとした字で書いていました。
 6枚目の写真は昼休みに実施した地区児童会の様子です。猛暑が続く中での登下校です。だらだらした班行動は非常に危険です。1学期以上に、気を引き締める必要感をもってもらうとよいと思います。さらに、朝でも30度近くの気温です。集合時間等を、再度ご家庭で確認していただき、班のメンバーが長い時間待つことのないようにしてもらいたいです。

よく来たね 始まったね

2023-08-29 17:00:00
 今日から本校の2学期が始まります。恒例の、遠くからの大きな声でのあいさつは今学期も健在でした。重い、大きい荷物を持って、熱い中登校している姿を見ただけで、私たち教職員も心がワクワクしてきました。我々の顔を見るなり、「先生、ぼくねぇ」と壮大な夏休みの作品についての話を始める子、今朝の体調についてぼやく子、夏休みに発見したことを楽しく話す子、様々です。
 始業式では、「七転び八起き」を大切にして、2学期のたくさんある行事などを計画的に取り組んでほしいという話を校長がしました。今日から始まっているということを忘れるくらいに、全員が顔を上げて話を聞いている姿を見ると、2学期も「自分たちで創りあげる学校」をめざして50名の子どもたちがやる気十分であることがわかります。
 その後の学級での活動では、夏休みの宿題の提出もありました。4枚目の写真は1年生です。自分が作った作品の紹介をして、友だちがよさを伝えあう活動をしていました。5枚目の写真は5年生です。宿題の提出の光景ですが、「〇〇ちゃん、すごいわ。ちゃんとやっているねぇ。」「ぼくは、ゲームばっかりやっていたなぁ。」などとそれぞれが反省をしながらお互いの提出物を見合っていました。思った以上に、友だちがしっかり宿題をしていることにショックを受けている子、来年度の夏休みはこんなことをしたいという願いを持っている子など様々でした。
 登校した子どもたちが、半日ですが、とても楽しそうに活動しているのを見て、保護者の皆様の今朝までのご努力、ご配慮のたまものだと感じました。
 6枚目の写真は、本校の掲示板に貼ってあった「詩」です。本校の50名の子どもたちが、この詩の「こぶたはなこ」のような姿を見せてくれる予感がします。