阿用小学校


大人も学ぶ

2023-07-10 16:59:49
 7月7日の公開授業の後に、学校保健委員会と救急法講習会を実施しました。学校保健委員会では、雲南市の武田保健師さんにお越しいただき、「朝から元気!1日元気!」と題して講演していただきました。朝食をはじめ、栄養バランスのとれた食事、早寝早起き、メディア接触など幅広い視点から、どのようにすれば朝から元気になれるのかを教えていただきました。ご自分の生活を交えて、子どもの健康をどのように保っていくのかをお話しいただき、親近感を持ちながら聴くことができました。振興協議会の岩田さんもおっしゃっていた「子どもが元気でいるためには、まずは保護者が『自分の心身を大切にすること』」という言葉が特に印象に残りました。
 ご講演の後、「これからやってみよう」と思うことを、保護者、教職員、学校栄養士、振興協議会という立場が異なるメンバーが集まって考えました。お話をお聴きした後でしたので、「うちの子はね。」といって、うまくいっていること、うまくいかないことが会話として出てきました。そのあと、今後やってみようということをグループごとに話し合って決めてもらいました。「一品の中の具材を一つだけ増やす」「スマートフォンの使い方のきまりを徹底させる」などが決められました。「一緒にやってみようね。」などと、グループのメンバーがタッグを組んで、これから取り組んでいこうという意気込みを感じることができました。
 その後、救急法講習会を、雲南消防署からお越しいただき救急法について学びました。コロナ禍のため、ここ数年中止していましたので、久しぶりの開催です。今年は夏休みのプール開放がないですが、たくさんの方にご参加いただきました。お互いの「挑戦」を見合いながら、よりうまくできるように、講師の方や保護者の方のアドバイスを聞き入っておられる方がたくさんおいででした。6枚目の写真は、数名の保護者、教職員が協力し合って、心肺蘇生をしていく演習を行いました。個々が、自分のしてきたこと、引き続きしてほしいことなどを的確に話しながら、心肺蘇生を続けていく姿は、即席とは思えないくらいのチームワークでした。
 最後に、保護者の方のなかで、職場で毎月救急法講習会を開いておいでだというお話を聞きました。万が一に備えて、主催者として数年にわたって会を実施されているようです。「万が一」のために、職場の方の貴重な時間を講習会に費やしてもらうということは、とても勇気がいることだとお話されました。講習会に参加した全員が、救急法講習会の重要性やより多くの参加者が必要であることを考えさせられました。
 いずれの会でも、保護者の方々の「学び」の姿勢がとても印象的でした。興味や関心を持って、自分事として聴いたり考えたりされる姿、自分の考えをしっかり言ったり積極的に参加される姿がずっとみられました。こんな保護者の方だからこそ、子どもたちの学びは成長していくのだと確信しました。

学びの姿 みてちょうだい

2023-07-07 17:09:30
 今日は、1学期最後の学習公開でした。1年生は図工。2年生は国語。3年生は学活。4年生は社会。5年生も6年生も算数でした。保護者の方に来ていただいて、嬉しそうにしている学級、いつもより緊張している学級、いつも通りの学級、背筋が(いつもより)ピンとしている子、ちょっと後ろを見て「お母さん見てるかな。」と確認する子、興奮している子と、さまざまでした。教職員は、いつも通りの授業スタイルですし、「よそいき」のことをしてほしいと願うこともありません。日々、「こういう姿になってほしい」「こんな力をつけてほしい」と願い、授業を考えたり、学級で大切にしていきたいことを指導してきたりしています。本校の教職員の「授業観」は、いつでも「公」として、だれが来ても説明できるようにしておくことを大切にしています。
 ですから、授業公開で、できないことがあったり、姿勢が乱れたりしても、長い視点で一人ひとりの成長をみていますので、そんなことは気にしていません。もし、子どもの中で「失敗したらどうしよう」「ちゃんとしたところを見てもらいたい」という気持ちが強かったとしたら、少し考えなくてはいけません。一つは、その場限りの「よい姿」は誰のためにもならないということを知ってほしいです。「いつもの姿がいけないな」と気づいているのなら、自己の目標として日常で取り組めば、よりよい学校生活を築くことができます。たった1時間だけ修正しても、何の力にもなりません。もう一つは、「変な姿をみせたら、嫌われるんじゃないか」と思っていては、気が休まらないということです。保護者のみなさんのことを、そんな「他人」のように感じていれば、失敗を覚悟に挑戦したり、間違いを粘り強く直したりすることができなくなります。「『いい子』を演じ続けることはできません」と気付いてほしいです。
 ぜひ、今日の授業公開のことをきっかけにして、いつもの学校での姿を話していただければ喜びます。

学びの原点

2023-07-03 17:59:28
 最近の「学び」の原点を紹介します。
 1年生(1枚目)。つい最近(と思うのは失礼かもしれませんが)ひらがなを習い始めたのに、硬筆書写コンクールの「作品」づくりを始めました。プールに入って、汗だくだったにもかかわらず、よりよい「作品」にしようとがんばっています。「先生、できました。」という声が、「これは自信があるぞ。」であったり、「できるにはできたけれど。」であったり、自己評価をしながら担任に「作品」の成果を見てもらいに行っています。友だちに対しての担任のアドバイスもしっかり聞こうとしているところに「学び」の原点を感じます。
 2年生(2枚目)。振興協議会の皆様のご協力で畑と田んぼに鳥獣対策の柵を作っていただきました。2年生は、「私たちが育てている野菜を守ってくださるみなさんにお礼を言いに行きます。」とさっそうと出かけていきました。それぞれが、大きな声で「ありがとうございます。」と堂々と言っていました。聞くところによると、育てた野菜を使ったカレーを作るようです。「カレーのためにね。」といじわるでいうと、「校長先生、違いますよ。全校みんなが野菜などを作っているでしょ。私たちは代表です。」と真剣に怒っていました。眼にみえないことでも、自分たちのために働いてくださっている人がいることを想像できるところに「学び」の原点を感じます。
 3年生(3枚目)。「校長先生、ぼくたち『英語』をやっているんですよ。もう大変。」とローマ字練習帳を見せてくれました。ローマ字一覧表を見ながら、必死にローマ字で書こうとしていました。つい最近(と言っても1年生ですが)ひらがなを、五十音表で書きたい字を探しながら書いていた子たちが、「ちょっと大人になった」感じで「英語」を書こうとしています。かなり面倒くさい作業ですが、何か大人になる「儀式」として進んで習得しようとしています。こうして知識・技能を獲得することで、世界が広がっていくことの心地よさを味わっているところに「学び」の原点を感じます。
 4年生(4枚目)。教室に入ると、社会科のごみの分別について学習していました。突然「校長先生は、『分別』って知っていますか。」と質問されました。「見学行っていないからなぁ。」というと、「なるほど。それじゃぁ仕方ない。」といって、分別について見学先で得た知識を自分なりの言葉で説明していました。見学先でもらった分別の表を用いて、「資源ごみ」について説明する姿は、もはやごみ処理に従事する専門家のようです。直接対面でお話を聞くことでしか得た、「自分事」として社会に関わる楽しさを感じているところに「学び」の原点を感じます。
 5年生(5枚目)。やっと大きくなったメダカのオスとメスをグループごとに観察してスケッチしている様子です。見える体勢は子どもによって違うようですし、残念ながらメダカは元気よく動きますので、なかなかベストポジションが定まりません。集中力と忍耐力の勝負です。さらに、記憶力です。一瞬見た特徴をスケッチにあらわすのは至難の業です。しかし、グループのメンバーが特徴を言い合いながら、しっかりと描こうとしていました。見えにくいものでも、様々な力を駆使して注視していく姿に「学び」の原点を感じます。
 6年生(6枚目)。6年生は先日から社会科の歴史的分野に入りました。縄文時代的な暮らしと弥生時代的な暮らしのどちらが幸せなのか、稲作が始まって本当に幸せにになったのかなど、歴史的な事実を関連付けて、当時の暮らしやそのころの人々の気持ちを想像していきます。さらに、今の自分の生き方と当時の人々の暮らしを照らし合わせて、「幸せ」かどうかという価値を判断していきます。社会は、徹底的に事実に基づかなければいけませんが、その上で「自分にとって」「現在の〇〇の社会にとって」どのような「価値」があるのかを考えていく必要があるときもあります。むしろ、大人になるにつれ、そういった「価値判断」は重要な力だと言えます。そんな今後必要になる社会を見る眼を話し合いの中で培っていく姿に「学び」の原点があります。

イメージしたものを素直にあらわす

2023-06-29 17:05:09
 今日の3時間目は、5、6年生がプール、4年生が校外活動の「阿用川巡り」で校舎には1~3年生しかいませんでした。3学年しかいないからなのか、校舎中がとても静かでした。それぞれの教室に行ってみると、静かな理由がわかりました。どの学年も図画工作の学習を行っていたからです。
 1、2枚目の写真は1年生の様子です。箱などを重ね合わせることで何かをイメージして表す活動でした。図工室にストックしてある箱の中から、自分が「これ」と思ったものを選んで、切ったり重ねたりして「基地」「かえる」「ケーキ」などを作っていました。箱などの形や手触りなどからどんどんとイメージが膨らむようで、話しかけてもなかなか反応してくれないくらいに没頭していました。
 3、4枚目は2年生の様子です。2年生も箱などを重ね合わせてイメージを膨らませていく活動ですが、「ぷくぷく浮かぶ」ことが条件となっていました。「観光船」や大砲をつけた「船」など、箱などからイメージできるものを作っていました。しかし、肝心なのは浮くかどうかです。せっかく作った「作品」が、重かったりつけていたテープがはがれてしまったりして思い通りにいかない子もいました。「少し改良しては浮かせてみて」の繰り返しを粘り強く取り組んでいる子もいました。
 5、6枚目の写真は3年生の様子です。箱の中に自分なりの「世界」をつくる活動です。「家」だったり「カフェ」だったり、思い思いの「世界」を作っていきました。今日のめあては「完成させよう」でしたので、ほとんどの子が今まで以上に細かな作業をしていました。はじめは、家庭で用意してきた素材からイメージを膨らませていくことが難しく、「つくってはやめ」を繰り返していました。自分がイメージする「世界」となかなかマッチしないようで、不完全燃焼の様子の子もいましたが、今日は「先生、これ写真に撮って。」「ここはね、すごく難しかったんだ。」などと自慢げに話す様子がたくさん見られました。
 本校の子どもは、こうした表現活動において「没頭」して、自分の思いを素直に表していこうとします。いつもは、大きな声で発表したり、友だちの意見に反応したりする明るい雰囲気ですが、黙々と取り組むことができます。こうしたメリハリをつけることができることも素晴らしい力だと思います。

思いよとどけ

2023-06-28 17:32:39
 今日の昼休みに、2年生が学年発表をしました。国語で学習した「なまえをみてちょうだい」を2年生バージョンにした劇を披露しました。生活科で探検したところの中からみなさんに教えたい施設の紹介、今月の詩の暗唱、自分たちができるようになったことの紹介など盛りだくさんの内容でした。先日もホームページでお伝えしましたが、「自分で考え、みんなでやってみる」ことを大切に、自分たちができることを精一杯伝えようとしていました。担任は、直前の練習で、「今日は雨が降っていて、体育館の屋根に当たった雨の音がとてもうるさくなります。きっと、みんなの声は聞こえなくなります。」と言いました。加えて、「激しい雨になると、もっと大きい音になります。どう?みなさんに、自分たちの声を聴いてもらいたい?」と言いました。子どもたちの表情に真剣さが増して、今までで一番大きな声でリハーサル最終を終えました。それなのに校長から「リハーサルの出来は、98点。」と言われ、悔しくて、どうすればよりよくなるのかを必死に考えていました(4枚目の写真)。こうした、「より一層よいものをみんなでめざす」ことができるようになった2年生の成長がうれしくてたまりませんでした。
 そうしたこともふまえ、練習以上に大きな声とふりをみなさんに見てもらえました。そうした、「精いっぱい」の「あよっ子魂」は全校の子どもたちに響き、5枚目の写真のように、多くの子どもたちの感想発表につながりました。感想発表をする子も、それを聴く子も、それぞれを大切にしていることが表情を見てもわかります。みんなに自分たちの成長をみてもらいたいという思いが全校に届きました。
 19日からプールの授業を始めていますが、運が悪く、5、6年生は一度も入ったことがありませんでした。今朝も、「今日も雨だから、プールは入れませんか。」「5、6年生にプールの神様はいないんですか。」と教職員に訴えるように、悲しそうに言っていました。「雨が降っていても、水温と気温がある程度高かったらOKになるから、『入りたい』という思いをプールの神様に届けなさい。」などと、気休めのように子どもたちに返すしかありませんでした。それが、6枚目の写真の通り、入ることができました。思いが届きました。