阿用小学校


ストーリーテリングからの学び

2023-06-27 18:13:33
 今日の2~4時間目にストーリーテリングを、低、中、高学年の3つに分けて実施しました。ストーリーテリングは、画像や身振り手振りなしの、聴覚的情報だけで話の内容を理解する活動です。我々は、様々な情報を受け取り、自分の心と頭で理解していきます。現在では、情報機器も豊富になり、情報のほとんどを画像などの視覚的なものを手助けにして理解していきます。子どもたちは、スマートフォン等のデジタル機器の発達で、大人よりその傾向が見られます。加えて、自然体験や人間関係の希薄さが相まって、なかなか聴覚的な情報のみで、場面を想像したり、登場人物の心情をおもんばかったりすることができにくいと言われています。そういった状況を踏まえ、「おはなしの森」のみなさんは、少しでも子どもたちに物語を味わう楽しさを感じてほしいと、話すときの声色、スピード、間、声の大きさや高低などあらゆることを駆使してお話をされます。一冊の本を記憶するだけでも難しいのに、子どもたちの表情や反応を見ながら、瞬時により一層工夫を重ねながら話を進めていかれるようです。だからこそ、「素直な表情や反応」を出す子どもとそれを感じ取れる「おはなしの森」のみなさんとの人間関係がとても重要となってくるとおっしゃっていました。
 5、6枚目の写真は、4年生の社会でのごみ処理についての学習の様子です。「ゴミは臭くて汚いのに、ごみを処理する人はどんな気持ちで仕事をされているのだろうか」という自分たちでつくった問いについて考えていました。人の役立つことをしているから、地球環境を守る大切な仕事だからという「予想」を立てていました。その後、そうした大切な仕事をしていただくごみ処理をする人に対して「お礼として」できることは何かを考えていました。ごみを少なくする、リサイクルをするなどの「案」が出ました。ここで終わらないのが、この子たちの良い所で、「わかったような気がしているけれど、何にもわかっていないな。もっと詳しく知る必要がある。」という「結論」を出したようです。早速「今日の自学は、これを調べるぞ。」と言っていたようです。「わかった。これはね、~だよ。」「〇〇すればよい。」という「予想」や「案」を素直に出せ、加えて「結局わかってないんだよね。」と結論付けて、次の学びへとつなげることができる人間関係があるからこその姿だと思います。これもストーリーテリングで大切にしておいでである「人間関係」に通じるものを感じます。
 6枚目の写真は、6時間目のクラブ後の様子です。地域の方に教わって革製の「ミニランドセルのキーホルダー」を作ったようです。それを友だちに見せていました。ほかにも、職員室にきて「先生、見てください。私が作りました。先生にはあげません。」と「報告」してくれる子がたくさんいました。世界に一つしかないキーホルダーを作った喜びを素直に表すことができること、温かい人間関係の基盤であると思います。さらに、それが「深い・広い」学びの原点だということをストーリーテリングから学びました。

子どもたちの切磋琢磨

2023-06-26 18:06:54
 6月15日までは体育館から音楽会の練習の様子から活気を感じられていましたが、それが終わった途端、2年生のピンと張りつめた大きな声が体育館に響くようになりました。(1枚目の写真が練習の様子ですが、様子がわかってしまうと、当日のお楽しみがなくなりますので、極力小さくしました。)明後日の28日に実施する学年発表の練習のために体育館を利用しているようです。練習後は、「私の大きな声が聞こえましたか。」「昨日よりうまくなったことがわかりましたか。」と質問攻めにあうくらいの「本気度」が伝わってくる毎日です。2枚目の写真は、よりよい学年発表にするために、「声」と「練習」、「家」という3つの視点のめあてをを考えた思考ツールのクラゲチャートです。一人ひとりが今までの練習をもとにどんなことをこだわるとよいのかを考え、発表をしていました。3枚目の写真は、それぞれの発表を黒板にまとめて書いていました。ある子は、「水曜日が楽しみ。どんどんいい発表になっているから。」と笑顔で言っていました。運動会から続く、自分で考え、みんなで創る発表会にしようという気持ちが伝わってきます。4枚目の写真は、2年生の廊下の様子です。高学年では「当たり前」の帽子の白い所が見えるようにかけることが、2年生で見られるようになりました。本校ならではですが、自分たちで考えて行動しようとする意欲が高くなると、全員の帽子の白い所がみえるようになります。一人ひとりの表情も「大人」になってきました。
 5、6枚目の写真は、先日の3年生の算数の続きです。教室の横の長さを正確に測るという課題に取り組む様子です。最初は、「メジャー持って」「はい、教室の端っこまで行って」と結構簡単にしようとしていました。しかし、担任の「先週はうまくいかなかったんだよね。どうすればよいのかな。」という声がけで、表情が変わりました。「ちょっと、ぴんと張って。」「そうまっすぐに。」「線(板と板の間)にそって。」などという会話が聞こえてきました。
 大人の「ちゃんとやって」という声よりも、数百倍の威力があるのが、子ども同士の「よりよくなりたい」という気持ちでの切磋琢磨だということを教えてくれた、2、3年生の取組でした。

自分なりに考える 意味を解釈する大切さ

2023-06-22 17:00:00
 今日の3時間目に図工室をのぞくと、1年生が長い紙にとても楽しそうな絵を描いていました。長い紙をみて、自分が描きたいものをイメージを膨らませて描いていったようです。たった6人ですが、びっくりするくらいのアイディアが出ていました。1枚目の写真は、「カラフルのはしごを私と猫とネズミががんばって登っている」様子を表したようです。真っすぐな線を長く引くだけでも大変なのに、はしごを描き、そこから自分なりのストーリーを創り出していくところがとても素敵です。2枚目の写真は、「リュウグウノツカイ」を表したようです。実は、この机にはおさまらいほどの「大きくて長い」ものになっています。この子は、そのほかにもロケットなど5枚描いています。その中でこの長い「リュウグウノツカイ」を飽きることなく、ずっと赤で塗り続けています。粘り強く塗りたいという願いをしっかり持ち続けることができたことが素晴らしいと思います。3枚目の写真は、「跳び箱をとんだ〇〇さん(自分の名前)」という題の作品です。一つ一つの段の色を変えて塗ることにも工夫をしていますが、とても高い跳び箱なのに跳べた喜びを表しているところがこの子らしいところだと感心しました。4枚目の写真は、相互評価の様子です。こんなに、一人ひとりが思いをもって取り組んでいたので、友だちの作品のよさもしっかり見つけられたようです。よい所を褒められた子は非常にうれしそうな顔をしていました。
 6年生の教室に行くと、「割る数が分数の時の計算の仕方を考えよう」という算数の活動をしていました。小学校で一番納得がいかない、「割る数の分数の分子と分母をひっくり返してかける」という「難問」に挑戦していました。5枚目の写真は、ある子が「わかった!」と言って立ち上がった瞬間です。「計算の仕方」を理解するということではなく、なぜ「分母と分子をひっくり返してかけるのか」という意味を解釈することが大切です。この「わかった!」が、計算の仕方なのか、その意味の解釈ができたのかがわかりません。算数ではとかく、計算ができるようになることが目標のようにとらえられがちですが、こうした意味を解釈することが算数の醍醐味です。
 6枚目の写真は、3年生の算数の様子です。「長いものの測り方を考えよう」という活動でした。メジャーを使って教室の縦と横の長さをはかったようです。同じ横の長さをはかったのに、2グループが同じ長さになっていないということが判明したようです。「どちらかが測り方が違うのか、それとも2つとも違うのか」を次の時間に考えるようです。ここでも、メジャーのめもりを適切に読むことができるようになることが最終目的のように考えられがちです。先程の割り算も同じですが、この子たちが大人になるころはAIの台頭で、そんな技能はひょっとして人間には必要ないもの、日常生活では使わないものになっているかもしれません。それよりも、長い距離を測るときには、〇〇という道具を使う、始点と終点を結ぶ直線が、測る長さと平行であることなどの「測る際の考え方」が重要になってきます。図らずも2つのグループの数値が違ったことで、こうした「測る際の考え方」にたどり着きそうです。

「自学」のすすめ

2023-06-21 18:22:49
 今日5年生の教室に入ると「チャレンジ自学ノート」という「楽しそうな」話をしていました。夏休みに向けて自学ノートのバージョンアップをしてこうという試みのようです。帰宅前に学校で、何をするのか、何時から何時まで自学ノートに取り組むのかをまず決めていました。「6時から12時間やるぞ」などという熱い決意も聞かれましたが、だんだんと冷静になってきました。1週間、自分たちで目標を決めて振り返りを毎日行うようです。自分の学ぶべきことや学びたいことを決めて、自分の想定した時間内にできるように計画し、自分の取組を自分で評価していくことが、できるようになることが「自学」です。与えられたことを「いやいやながらでも」やることは、勉強としては成立しますが、「自学」ではありません。「自学」は生涯にわたる「学び」につながる大切な取り組みです。5年生ばかりではなく、他の学年も夏休みに向けてバージョンアップしていくことでしょう。
 3、4枚目の写真は、4年生の国語「新聞を作ろう」の活動の様子です。一人ひとりが知らせたい記事を、3ないし4人のグループで新聞を作ります。音楽会のことなど、自分がこだわっていたことを紹介したいという願いをもっていますが、紙面は限られています。ただ単に書きたいことを紹介するのでは新聞にならないこともすでに学習済みですので、グループでの「編集会議」も真剣になっていきます。恐らく、担任は締め切りを決めていると思われます。時間内に、正確に、わかりやすい新聞を作成する過程を通して、自分たちで見通しをもって計画的に取り組む力を培っていくと思われます。
 5枚目の写真は、1年生の書き取りの様子です。子ども同士で問題を出し合っていました。今まで習ったことをもとに、五十音の表を見ながら書いていました。書けるひらがなが増えているところをみて、1年生の子たちの「たくさんの字を書きたい」という願いを感じました。そのあと1年生教室をのぞくと、硬筆書写コンクールの練習を始めていました。「ひらがなが書けるようになってうれしい」という願いから、「お手本の字のような字を書きたい」という新しい願いに発展していく過程です。しかし、生涯にわたって必要なことは、自分の考えを整理したり、表現したりできるために、自分自身で字を書き続けようとすることです。これも、ひらがなにかかわる「自学」です。得てして、今の状態を見て一喜一憂してしまいがちですが、将来を見据えた取り組みになることを期待します。

「確認」が自分と他者の命を守る 交通安全教室

2023-06-20 18:50:16
 今日の3、4時間目に、交通安全教室に3年生以上が参加しました。駐在所から2名来校いただき、主に自転車の乗り方について指導していただきました。2枚目の写真のようは、ヘルメットの大切さを知ってもらうために豆腐を用意されたデモンストレーションの様子です。ヘルメットに入れた豆腐と、ビニール袋のみの豆腐を同じ高さから落として、豆腐の形の変化を見ました。ヘルメットがない豆腐は当然ぐじゃぐじゃになってしまいました。担任の1人が「これが脳だったら」と言った時の子どもたちの表情はとても険しいものでした。今後必ずヘルメットを着用して自転車を運転すると決意したと思います。
 そのあと、十字路での安全確認の仕方や8の字や等間隔に置いたコーンの間をゆっくり走る練習をしました。必ず左から乗りはじめ、後方を確認して出発することはいつでも行わなければならないことを中心に練習を重ねました。終わりの会の時に、「今日は校庭だから、左右の確認を簡単にしたかもしれないけれど、道路ではもっとしっかりしないと命は守れない。」という評価をいただきました。練習のための練習になっていたことは、今後の生活の反省点として心に刻む必要があります。5枚目の写真のように、交通安全教室前に、35人分の自転車の安全点検をしていただきました。毎年、お忙しいところお時間をつくっていただき、丁寧に点検をしていただいています。そうしたことを踏まえ、担当教員が終わりのあいさつで「結局、自分と人の大切な命を守るためには、『確認』を忘れないことが大切です。」と言いました。交通安全教室ではそれぞれの専門の方の「確認」へのチェックがありますが、日常生活では自分自身が「確認」をしなければいけません。今日の2時間を今後につなげるよう、ご家庭でもご指導いただくと喜びます。
 明日から、元気アップウィークです。これからの熱くて蒸し暑い日々から自分を守るためにも、自分事として取り組んでくれることを期待します。