阿用小学校


突然の終業式

2022-12-22 16:35:32
 今日ある学級をのぞいてみると、こっそり担任の先生へのお礼の手紙を書いていました。日頃感じていることを鉛筆から煙が出るくらいの速さで書いていました。しかし、先生に思いを伝えるために自分が思う1番の丁寧さで書いていました。書写の学習でしたが、やはり相手意識や課題意識を持っていくと、こちらが指導しなくても、「よりよくしていこう」という姿勢で取り組むことがよくわかりました。
 2学期が終わるにあたって、各学級が様々な「終わり方」をしていました。2学期の振り返りをしているところ、学級を丁寧に掃除しているところ、自分たちが考えた「ゲーム」をみんなで楽しんでいるところ、仲良しになりたい学年を招待して「大運動会」を開催しているところ、家庭科を利用して自分たちで調理をしているところなどでした。
 どの学級の担任も、「明日は、2学期の頑張りを共有して、今後取り組んでほしいことを明確にしよう」という思いで、午前中の学校生活を送っておりました。
 その後の天気予報や、町内の小学校の状況、そして本校の子どもたちの健康状態を考えると明日は臨時休校にすべきだと判断することとしました。
 そこで、少し計画を短縮しながら、明日行うつもりだったことを伝えていました。5時間目終了後に終業式をリモートで行いました。子どもたちは、落ち着いて、自分たちの取り組んできた2学期について振り返り、3学期以降に何をすればよいのかを考えていこうという気持ちになっていったと思います。
 教職員全員は、こうした突然の変更によって、子どもたちが「うきうき」「はらはら」せずにしっとりと冬休みを迎えてほしいという願いを持って午後からの活動に臨みました。子どもたちは、しっかりと私たちの思いに応えてくれたのではないかと、下校の様子を見て思っております。
 保護者、地域の皆様、2学期も大変お世話になりました。冬休み中も、どうぞ子どもたちのことをよろしくお願いいたします。

読書をしてもらいたい という願いで

2022-12-20 18:00:00
 20日の昼休みに「図書館わくわくタイム」として、文化委員会が集会を開きました。初めのあいさつで「最近は、図書館に行く人が決まってきました。もっとたくさんの人が来るようになるためにどうすればよいかを考えました。」という願いを発表しました。そのために、大きな絵本を用意して読み語りをすることにしたようです。何週間にもわたり業間や昼休みを削って練習を重ねた成果を、聞き手である全校児童の反応を見ながらしっかり読んでいました。中には、ほとんど文章を覚えていて、聞き手に語り掛けるように読んでいる子もいました。読んだ後にはクイズや振り返りなどの本の内容に迫れるような活動を取り入れる工夫をしていました。
 次の日、つまり今日、2年生と4年生の国語の授業で本の紹介をする活動をしていました。2年生は、今までも学級文庫にある本で、自分が気に入ったページに「〇〇のところがおもしろいよ」などといったコメントを付箋に書いて貼るようにしてきました。その中の、ベストを選んで今日は紹介していこうとする活動でした。紹介したい本の内容にあった形に切った台紙を用意して、本の題名、作者とともに今まで書いたコメントの付箋を貼っていました。「これもおもしろかったんだよなぁ。」「これは、〇〇のところがね。」などとつぶやきながら取り組んでいました。
 4年生は、友達に紹介したい本の「キャッチコピー」と「あらすじ」を1枚の「パンフレット」にする活動でした。担任は、「みんなが『読みたい』という気持ちになるように書かないとね。」と相手意識を持たせながら、子どもたちに見通しをもたせていました。しかしながら、「あらすじ」を短く適切に書くことさえ難しいことがだんだんとわかっていきます。「主人公の〇〇は、まず初めに…」と書き出すと、1枚のパンフレットでは収まり切りません。「キャッチコピー」はなおさらです。横から「全校児童が涙。感動の主人公の旅。」とか「あなたにとって〇〇とはなんですか?」といった、映画でのキャッチコピーを紹介しますが、なかなかしっくりこないようで、不採用となってしまいました。少しずつ自分なりのものが見つかって、とてもうれしそうにしている子が増えてきました。その子たちは、やはり何度も読み返している子たちでした。
 「少し長くてわかりにくいけれど、ちょっと挑戦してみようかな。」というような軽い気持ちで構いません。こうした、委員会や学級での取り組みで紹介された本を読んでみてはどうでしょうか。

よく来たね! 楽しんでね

2022-12-19 17:00:00
 昨日からの雪で校庭は真っ白になりました。玄関や駐車場の雪かきのため写真はありませんが、そんな中でもいつも通り、いいえそれ以上に大きな声であいさつをしながら登校してきました。長靴やジャンパーが濡れている子もいましたので、2枚目の写真のようにストーブ近くに干している教室がたくさんありました。ご家庭のご支援により、替えの靴下などをしっかり用意してもらっていますので、次の活動にスムーズに入ることができました。
 新雪をどの学年が最初に踏み入れるのか、楽しみにしていましたところ、4年生以上の子どもたちが真っ先に校庭に入っていきました。今回の雪は水分があまりなく、なかなか固まらなかったようですが、雪合戦や雪だるまを作って遊んでいました。雪玉を作っていくと、毛糸状の手袋はだんだんと濡れていきますが、お構いなしに硬い玉、大きな玉、数多くの玉と思い思いの雪玉を作っては友達に投げていました。ある子は、黙々と雪だるまを作っていました。5枚目の写真は2体作ったうちの一つです。児童玄関の前に笑顔で「鎮座」されています。
 6枚目の写真は、「もう暑い!」と言ってジャンパーを脱いだ瞬間の様子です。「大丈夫なの」と友達に心配されていますが、本人は顔を真っ赤にして雪合戦に没頭していました。この頃、新型コロナウイルス感染症ばかりではなく、インフルエンザや他のウイルスも流行っているようですし、咳やのどが痛い子も多いです。毎日、朝の大きな声のあいさつを聞くと、「今日もよく来たね。」ととてもうれしくなります。「寒くて布団から出るのが嫌だな。」「まだ暗いなぁ。天気が悪そうだな。」などというマイナスの気持ちを持ちながらも登校している子もいるかと思いますので、「やっぱり、学校に来ると楽しいね。だって友達や先生がいるんだもん。」と「やっぱりみんなでわかったりできたりするために、考えたり話し合ったりするのはいいね。」と思ってもらいたいです。みんなで作る雪だるまや雪合戦も同じです。きっと、何十年後に「お父さんが小さいころな。校庭で友達とな…。あんまり暑くて体操服になって…」と自慢する日が来ると思います。

一人ひとりにあった「学び」

2022-12-16 17:00:00
 今日の1時間目の3年生の教室をのぞくと国語の教科書の冒頭にある、まどみちおさんの「ぼくがここに」という詩の暗唱に挑戦していました。三木露風さんの「赤とんぼ」や俳句など「五・七」調の文は、リズムがあり、覚えやすいことを発見した3年生は「赤とんぼ」の詩の暗唱の挑戦をした後の姿です。「赤とんぼ」を数分でここに覚える活動をした後に、クラス全体で発表する「チャレンジ」をしたようです。中には覚えられた子がいたようですが、まずは「できなくてもチャレンジしてみようよ」と働きかける子ども、それに応えてチャレンジする子どもがいました。そこで、できてもできなくても「チャレンジ」することに楽しさを味わった3年生たちは、まどみちおさんの「ぼくがここに」の詩を挑戦することとしたわけです。
 1枚目の写真は、クラスの中で一番多い、声に出して読んで覚えるタイプです。2枚目の写真は、1回読んで、2回目は目をつぶって覚えている分だけそらんじて、わからなくなったら目を開けて教科書を見る、その繰り返しで覚えるタイプです。3枚目は、2枚目のタイプと似ていて、目をつぶることの代わりに教科書を裏返す方法でした。4枚目は、ペアやグループになって「テスト」して覚えるタイプです。5枚目は、ひたすら鉛筆で文字を追いながら黙読して覚えるタイプです。6枚目は、座ったり立ったりして姿勢を変えながら覚えるタイプです。姿勢を変えることで、読んでいるときの字の大きさや位置を変える(無意識かもしれませんが)ことで覚える方法です。こうした一人一人が違った方法で覚えていることが素敵です。耳を使って(1枚目)、クイズやスリルを味わって少しずつ覚える量を増やす(2~4枚目)、字をカメラに映すようにして画像を頭に入れていく(5枚目)、時にはダンスなどの振りも加えるなどの体を使う(6枚目)など、様々な覚え方があります。昨日の「覚えたけれど…」ではないですが、その後に生かすためには様々な覚え方を知っておく必要があります。
 「いつかきっと覚えられる。いや覚えたい。」という詩の暗唱をしていこうと向かっていく姿勢があることが大前提ですし、覚えられなかったら「×」「だめ」ではなく挑戦することが「◎」ということがクラス全体の雰囲気としてあることが重要です。先日、ある幼稚園の園長さんから、サンタさんへのお手紙を必死に書こうとしている子どもの様子を聞きました。サンタさんに伝えるために様々な方法で「文字」を探しては書いていくそうです。「きっと伝えられる。いや伝えたい。」という思いで書いた手紙の「サンタさんえ」。これを「え」に×をするのは、生涯にわたって学び続けようとする姿勢をだめにする気がします。個々の願い、願い実現のための方法、大切にしていきたいものです。
 

次につなげること、生かすことが「学び」

2022-12-15 17:00:00
 1枚目の写真は、4年生の国語の授業の際の黒板です。私たち大人も1度は経験した思いが書いてありました。「漢字は覚えているけれど、テストになると…」という言葉です。大人になると、「学校で覚えたけれど、実生活になると…」というように変化するかもしれません。子どもたちは、この吹き出しの思いを少しでも解消するために熟語を使って漢字の広がりを理解しようとしていました。
 2枚目の写真は、2年生の算数「かけ算」の活動です。ずいぶん「九九」を学んできましたので、問題を解いていました。例えば、「8mのリボンが7本あります。そのうち5本をつなぎました。つないだリボンは何m、でしょう。」という問題がありました。九九を学んだ子どもたちは「なぁんだ!簡単!」とは、なかなかいきません。数字が「8」「7」「5」の3つあるからです。九九は2つの数字なのに問題には3つの数字があります。加えて大きな壁として立ちはだかっているのが「何を聞かれているんだろうか」ということです。「九九は覚えているけれど…」です。これからたくさんの場面でかけ算を使ってみることで慣れてくるかと思います。
 3枚目は1、2年生の体育の縄跳びの活動です。4枚目は4年生の書写「書初めに挑戦しよう」です。どちらも、冬休みの練習を通して、より一層うまくなるためには何を、どのようにすればよいのかを考えるための大切な時間です。ここで、「冬休みには〇〇を~時間くらいしよう」という見通しが持てることが大切な「学び」だと思います。
 5枚目は、5、6年生の総合的な学習の時間「平和学習で学んだことを発表しよう」です。4月から修学旅行等で「出逢った」、「ひと・もの・こと」から平和について、現在の状況について、これから平和な社会を築くために自分がすべきことについて発表していました。残念なことに、現在、ウクライナ侵攻や東アジアの緊迫した情勢など、毎日のニュースで「平和」への危機感を子どもでも感じさせられる状況です。当たり前の生活ができることが平和だということを5、6年生が平然と言っていることに少し胸が痛くなりました。今後も、生涯学び続けるべき内容に真摯に向き合ってきた成果が見られました。
 6枚目の写真は、1年生の子どもたちの様子です。先日、テスト終了後に数字やひらがなを順に追って線を結んでいって図を完成させるというプリントに取り組みました。1学期にも行ったのですが、少しバージョンアップして130までの数字を1からずっと追いながら線を引いたり、ひらがなを「あ、い、う…」と追いながら線を引いていきました。最終的にはクリスマスツリーなどが完成しました。今日、教室に行ってみると、自分たちで問題を作っていました。「ぼくが作ったのは難しいよ。〇〇ちゃん、後からやってみて」。こうした、「楽しい体験」を「自分のもの」にして、次に「つなげようとする」ことが冒頭の「覚えているけれど…」の解決の一つかと思います。
 さて、冬休み。2学期での「学び」をどうすれば、「覚えたけれど…」にならないでしょうか。