阿用小学校


あたりまえだと思うことのこわさ  睡眠・メディアと生活習慣病

2022-12-08 16:20:06
 今日の5時間目に、5、6年生は「眠り・メディアと生活習慣病」という題名で、「専門家・専門医による指導事業(県教育委員会保健体育課)」として、出雲市の嘉村医院の嘉村正徳先生にお越しいただきました。今回で3回目の来校ですが、毎回、本校の子どもの実態を事前にアンケートで把握してくださり、それに応じたお話をしていただきます。まず、生活習慣病の糖尿病などの症状やその原因を説明されました。「糖尿病になった40歳代の方が、夕飯の後にアイスクリームとジュースを飲むのは、あたりまえですか?」と問われます。子どもたちは、失笑気味に「それはあたりまえではないですよ。」と答えます。先生は畳みかけるように、「そうだよね。でもこの方、ダメだってわかってもやめられなくて、より一層アイスを食べるようになってしまうんだよね。」と説明されます。すると、子どもたちは「それはだめ、ダメに決まってるよ。」と40歳代の方に対して諭すように反応します。
 そうした生活習慣病についてお話をされた後、「テレビやスマホを3時間利用するのは、あたりまえ?」と聞かれます。それまで、「だめだよ。」とたしなめるように答えていた子どもたちの様子が変わっていきました。加えて、本校の利用についてのデータを示されますし、その上、2年前の本校の子どもたちの利用状況に比べて悪くなっている事実を示されます。子どもたちは、それまでの「ひとごと」から一転し、自分の生活を見直し始めます。その後、テレビ、ゲーム、スマホなどのメディアに長い時間接することによって、特に睡眠と朝食の時間が少なくなり、脳への悪い影響が出ることを説明されました。学んだことを覚えられなくなる、感情をコントロールできづらくなる、イライラしてしまうなどの脳と心が正常に起動しないことが分かってきたので、ますます子どもたちの表情は険しくなっていきました。
 最後は、24時間をうまく利活用するには、何を大切にしていくのかを決めて実行する必要があるという話をされました。子どもたちは「寝ることだな」と言いながら、睡眠を確保するためには何を削るのかを考えていきました。歯と口の健康づくりで経験した「学び」を生かしていけそうですが、我々大人にとってもなかなか難しい課題でした。
 ある調査によると、ここ2、3年間で、0~2歳のスマホでの動画等の視聴時間が急激に増加していると聞きます。子どもの機嫌を損ねないためにスマホ、子どもの遊び相手のためにスマホと、スマートフォンなどが子どもにとって身近になる一方、メディア依存による睡眠障害などの生活習慣病、キレる子ども、熟慮しない子どもにしてしまっていることが問題とされています。本日の子どもたちの「これは大変だ。どうにかしないと」という深刻な課題意識。依存傾向になる前に保護者を含めた我々、子どもを取り巻く大人がもつ必要性を強く感じました。

人権集会を開催しました

2022-12-07 20:12:41
今日の5時間目に、人権集会を開催しました。集会には、人権擁護委員の高木さんと蓮岡さん、ろうあ者の竹下さんと手話通訳の三澤さんに来ていただき、それぞれの立場から子どもたちにお話をしていただきました。まず、人権擁護委員のお2人から、「なかよし」をキーワードにしたお話と手品をしていただきました。手品を交えながら、自分のことだけ考えず、相手の気持ちを考えて生活すると「なかよし」になれることや、お互いのことを考えて勉強したり遊んだりするとたくさんの人と「なかよし」になれることを話されました。
次に、ろうあ者の竹下さんと子どもたちとの交流タイムを行いました。はじめに、竹下さんから、事前にお伝えした子どもたちの質問をもとにしたお話を聞きました。聞こえる人との会話の方法や、テレビや電話など生活の様々な方法、ご自身の趣味などを丁寧に教えてくださいました。困ることがあってもそれを克服したり工夫したりしながら、いきいきと生活しておられる竹下さんのことがとてもよく伝わってきました。そして、出会ったときに使える手話を竹下さんからも教わりました。子どもたちは朝昼晩のあいさつを教わりとても嬉しそうに竹下さんに見せていました。お話の最後に、竹下さんから子どもたちに「耳が聞こえない人がいる時には、その人をおいてけぼりにしないで、みんなと一緒にお話しできるように、いろんな方法を使って関わってほしい」と話されました。このお話を真剣に聞いていた子どもたちは、この後、なかよし班で「これからろうあ者の方に出あったとき、自分たちができそうなこと」を話し合いました。そして、全体の場で次のようなことをしたいと発言しました。「出会ったら手話であいさつをしたい。」、「手話などいろいろな方法でお話をしたり、かかわりたい。」「手話ができなくても、行動や身ぶりで伝えていきたい。」「伝言ゲームなど、一緒に楽しめることをしたい」「手話等でかかわって、たくさんの人を笑顔にしたい。」、「耳が聞こえない人がその場におられたら、気づいて、周りの人にも教えて一緒にできるようにしたい。」子どもたちの発言からは、何かしてあげるのではなく、相手の立場を理解しながら、一緒に歩みたい、一緒に楽しみたいと考えていることがよく分かりました。子どもたちの発言を聞いた竹下さんは、「みんながいろんな人がいることを考えて暮らそうとしていることや、いろんな人がいることを理解して、一緒にできることを考えてくれていて、とても安心しました。」と、笑顔で話してくださいました。今日学んだ、「よりよいくらしをしようとする気持ちや努力することの大切さ」や「様々な立場の人を理解して、一緒に歩むことの大切さ」を今後のくらしの中で大切にしてほしいです。

「らしさ」ってなんだろう 人権・同和教育に関する授業公開・研修会

2022-12-03 16:48:28
 本日は、午後から人権・同和教育に関する授業公開と研修会を実施しました。1年生は「すきないろはなあに」、2年生は「たん生日って なあに」、3年生は「『らしさ』について考えよう」、4年生は「いろいろな性」、5・6年生は「ちがいのちがい」という題材での活動を行いました。本校をはじめ同じ大東町内の小学校は、「性の多様性」に関する学習を行っています。担任は、本日の授業に向けて現在の子どもの実態をふまえ、子どもたちが自分のこととして考えるにはどうすればよいのかを検討してきました。「みんなちがってみんないい」というフレーズが表面的な理解にならないようにするにはどうすればよいのかを検討していくにつれ、各学年ごとに自分の生活を振り返り、気づき、新しい目標を設定して実現するという、本校の求める「学び」を何度も繰り返すことが重要だということに尽きると思います。
 自分らしさについて理解することと、他者の良さを認めることは相互に密接にかかわってくることだと思います。本日の授業をみても、子どもたちが友だちの意見をじっくり聞いたり、自分の意見を臆せず言ったりする姿がたくさん見られました。一方で、友達がみている「自分」と自分が思っている「自分」は異なります。その異なりが、恥ずかしかったり嫌われるのが怖かったりすることが原因だと、「自分」が嫌いになってしまうと思います。そんなことにならないように、「ありのままの自分」を受け止めてもらえる「心の基地」をもった保護者、教職員、友達が必要だと思います。
 阿用地区振興協議会、本校PTAとの共催で雲南市教育委員会の佐藤指導主事に講演をしていただきました。佐藤先生が子どもから学ばれた「性的マイノリティ」を視点にした誰もが幸せを追究する社会の実現のために何をすべきかを考える機会をいただきました。10人に1人は、性的マイノリティであるという統計を考えると、誰もが「らしさ」をうまく言えるような「心の基地」を周りの大人が持っている必要があると改めて感じました。

楽しんでもらってよかったです

2022-12-01 16:02:41
 先日、2年生が1年生を迎えて「まつり」を開きましたが、今日はその「お礼」として、1年生が2年生をおむかえした「1ねんせい あきまつり」を開催しました。2枚目の写真は、最後のあたりの様子ですが、それぞれのお店で1、2位の人に表彰をする場面でした。それぞれのお店が、2年生に喜んでもらえるようなメダルを作っていましたので、渡した瞬間に2年生が嬉しそうな表情をしているのをみて自分たちもうれしそうにしていました。これは、きっとこの前、自分たちが2年生にしてもらってうれしかった経験があるからこそ、実感できることだと思います。3枚目は、2年生の感想を聞いているときの姿です。どんなことに喜んでもらえたのかな、ぼく・私のお店のことを言ってくれるのかな、と「真剣な」気持ちで聞いていました。2年生が、お店で工夫していることや今まで準備してきたことをほめてくれるのでとてもうれしそうでした。4枚目の写真は、活動が終わった後の1年生の様子です。「あぁ、〇〇ちゃんが~で一緒に遊んでくれたし、喜んでくれたからよかったわ。」「あぁ、よかった。」と言いながら片づけをしていました。また、「あぁ、またやりたいなぁ。」という声もありました。これは、ただ楽しむだけではなく、「この次は~というところをもっと工夫したい。」とか、「友だちのつくったゲームを楽しみたい。」「もっと他の人に楽しんでもらいたい」という願いにつながっていったことだと思います。我々学校は、「将来、社会のために貢献しようとする」ことができる人材を育てることが究極の目的です。こうした、1年生、2年生のような活動は、おそらく保育園でも実施していたと思いますが、これがやがて、学級全員が楽しむため、よりよい生活を送れるようになるためにどうすればよいかを考え、実行する活動につながっていきますし、学校、地域へと対象が広がっていくと思います。生活科、学級活動、委員会活動、総合的な学習の時間と様々な教科などで行いますが、大切な「学び」の一つとして、我々は大切にしていきたいと思っております。
 今日から本校は人権週間です。図書館前、職員室前にも掲示があります。日ごろ、子どもたちがお互いを大切にしている、しようとしていることを、じっくりと学校全体、そして保護者、地域の皆様と考える週間にしたいと思います。人権を大切にする基盤は、先の1、2年生の活動のような「喜んでもらうことを喜ぶ」ことだと思います。

ありがとうといいましょう

2022-11-30 16:15:58
 今日の昼休みのフレンド集会で4年生が学年発表を行いました。午前中まで入念な練習やリハーサルを行っていました。音楽担当とも最終練習を行い、1枚目の写真にあるように、これまでの「御礼」とこれから一緒に頑張っていきたいという「儀式」を行っていました。
 さて前半は、総合的な学習の時間で学んだ「川と遊び 川に学ぶ」の発表でした。本校前を流れる阿用川の源流から赤川に合流するまでのこと、水道水のこと、大東町内へ水を送っていること、村のために命をなげうって堤防づくりを行った人のことなどを紹介しました。一人ひとりが語りかけるように阿用川と阿用の人たちが「人のために行ってきたこと」を話していきますので、全校の子どもたち、教職員は吸い込まれていくように話の中に入っていきました。人前で声を出すことが得意ではないですが、一人ひとり熱い思いを持っていてもなかなか表せないという状況を打破しようとこれまで頑張ってきましたので、全員が大きな声で訴えかけている姿自体が心に響いてきました。加えて、この学年のテーマでもある、「誰かのために」ということを自分たちの学びを生かして話している姿が、凛々しくもあり、たくましくもありました。
 後半は合奏での音楽発表でした。残念ながら市の音楽会が開催されなかったので、全校のみんなに聞いてもらいたいという思いで練習をしてきました。「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は、まず音符通りに弾く、たたくことができるようにすることが難しい曲です。さらに、できるようになるとどんどんテンポが速くなっていくように作られているのではないかと思われるような曲です。ずいぶん前から練習してきましたが、音符通りにできるようになるために必死に練習していけばいくほど、みんなで合わせるのが難しくなっていきます。自分の担当の楽器がうまくできたと喜ぶ子がいれば、全体ではできていないと不満を持つ子もいました。ですから、業間も昼休みも練習したい子、もう音楽からいったん離れたい子がいました。そうしたことを乗り越えて、今日の演奏を行いました。
 本校恒例の全校での振り返りでも、4年生の一生懸命練習してきた「努力」をほめたり、憧れたりする感想がたくさん出ました。また、阿用川、阿用の地域が改めて好きになったという感想もありました。4年生の子どもたちは、総合的な学習の時間や音楽で学んだことを発表することを通して、「人のために何かすることは大切」「努力することのよさ」「恥ずかしくても難しくてもみんなで頑張れば乗り越えられる」といった社会人になって重要なことを訴えたと思います。