阿用小学校


トライ & エラー は大切

2022-09-16 15:47:25
 先般、近隣の幼児教育施設で年長クラスの活動を見させていただきました。男子対女子の綱引きです。何度やっても男子が勝てませんでした。「なんでだ!」「心をもっと合わせればよいのではないか」「足に力をもっと入れなくては」「練習しなくては」「綱引きのことが書いてある絵本にヒントがあるのではないか」など、たくさんアイディアを出しながら挑戦していました。そんな時「負けることもあるんだよ。泣いていたってだめなんだ。作戦を考えていこうよ」とある男の子がみんなに訴えました。
 さて、1枚目の写真は4年生の算数「わり算」の様子です。2353÷35といったわり算に取り組んでいます。商の見当を立てることを、毎日練習してきました。なかなか難しくて、「あぁ」とため息や「やった、見つかった」という歓声が入り交じった算数の時間をくり返していました。算数が苦手だと思うポイントが何度かありますが、この商の見当を立てるという内容で苦手になる可能性があります。「2400÷40として6をたててみて」というコツもありますが、瞬間的に「だいたいこれくらいの数かな」と数字が思い浮かぶようになると、「私はひょっとしてわり算名人かもしれない」と思えるようになります。試行錯誤、つまり「トライ&エラー」の積み重ねでできるようにするという「力」が必要です。
 こうした「トライ&エラー」の積み重ねができると、様々なことが楽しく活動できるようになります。例えば、5、6年生の家庭科「ミシンを使おう」でも必要です。電動自動ミシンですので、思うとおりにはなかなか進んでくれませんし、うまいところで自動で止まってもくれません。失敗しながら、友だちと相談してミシンを使いこなそうとしていました。
 4枚目の写真は、2年生の係活動の様子です。みんなが楽しめるためにはどんな方法、ルールがよいのかを考えれば考えるほど、意見が食い違っていきます。なかなか話が進まない状況が続きます。ひとつ解決しては、また意見の食い違いという繰り返しで形になっていきました。
 5枚目は、先日行った稲刈りのはでです。今週になって、イノシシが米を狙っていることがわかり、1段目にかけていた穂を上に上げる作業を地域の方と4年生で行いました。長年地域の方をはじめ農業に携わる方々の生活をかけた被害が大きくならないための試行錯誤の積み重ねの結果のうちのひとつの取組です。その貴重なことを、4年生は体感できたと思います。
 「トライ&エラー」を続けることができる力は、恐らく生涯にわたって必要なものだといえるでしょう。前段の年長さんのように入学前からしっかりと経験されてきたものを、小学校でも大切に培って、将来につなげていきたいと思います。
 最後の写真は、1年生の子どもたちが「私たちだけで帰るから、しっかり前を向いて」と整列して下校している様子です。前段の年長さんの様子と重なり、微笑ましくなりました。

ねえねえ見て見て 2年生のプレゼン挑戦  児童集会

2022-09-14 17:08:28
 今日2年生の教室では、生活科の学習で自分が今まで育てた野菜の生長をまとめていました。保護者の方にも知ってほしいという願いで、なんと学習用タブレットのプレゼンソフトを使ってまとめていました。タブレットで今まで撮ってきた写真をうまく利用して、野菜が大きくなってきた様子をうまく伝えるように考えていました。恐らく初めてのことだと思いますが、「うーん、これはどうすればいいんだろう」「よし、うまくいった」と試行錯誤を繰り返しながら自分にしかできないプレゼン資料をつくっていました。写真の中で一番見てほしいところは何か、どんなことを伝えるとよいのか、文章をどの位置に置くとよいのかなど、「よりわかりやすく伝えたい」という思いをもって取り組んでいる姿がとても微笑ましいと同時に、子どもたちのパソコンソフトを使いこなすことができるスピードに驚きました。「保護者の方に、自分の言葉で発表できるようになるとより素敵だね。」という担任の願い、きっと子どもたちに届くと思います。
 午後、全校で行う「フレンド集会」で運営委員会が発表をしました。本校が大切にしている「あいさつ」がより身近に、気軽にできるようにしたいという願いをもって会を開きました。全校の子どもがあいさつを交わしながら、じゃんけんをして負けた人は勝った人の後ろにつくと言う「貨物列車」というゲームを全校で行いました。最初は、同じ学年同士でのあいさつとじゃんけんする姿が多かったのですが、4枚目の写真のように、子どもも教職員も関係なく、じゃんけんの結果に一喜一憂する「一体感」が生まれました。本校恒例の活動のふり返りでは、こういう楽しい雰囲気ができるためには「あいさつ」が大切だと言うことを教えてくれた運営委員会を感謝する意見がたくさん出ました。4月から運営委員会が大切にしてきた「あいさつ」について全校の子どもたちの心の中に入っていったことがとてもうれしく思います。
 最後の写真は、3年生の外国語活動での一こまです。自分が思い描く「虹」を英語で友だちに紹介する活動でした。一言に「虹」といっても、様々な形と色があることに気づいた子どもたちは、自分の「虹」を紹介すると共に、自分と違う「虹」に出逢うことの喜びを感じていました。
 やはり学校は、「ねえねえ見て見て」と自分の願いや思いをもって表現したり関わり合ったりすることができるというところが醍醐味だと改めて感じました。

今日から陸上練習

2022-09-13 18:10:03
 今年度市内の陸上大会が10月初めに開催される予定です。その大会に向けて、5、6年生が放課後練習を始めました。昨日までのところで、大会までの練習を含めた取組の姿勢を個々に決めたようです。それぞれが目標をもってその実現に向けて練習を行い、次の日に振り返るという「学び」を陸上大会でも行うこととしています。今日は初日だったこともあり、「疲れたぁ」「これは大変だ」「終わったらお母さんが迎えに来ているってことはないよね」などとやり切ったという満足感とともに聞こえてきました。スポーツでも音楽でも「ゾーンを越える」という瞬間があります。陸上大会を終えたとき一人ひとりの「ゾーンを越えた」満足感を味わえることを願っています。
 1年生の教室をのぞくと、学年発表の練習をしていました。「練習中だから見ないでください。楽しみにしてもらいたいのに。」とよりよいものを見てもらいたいという願いを強くもっていることがうかがえました。テレビスクリーンにセリフが示されていて、自分や友だちが、いつ何を、どのように言ったり動いたりするのかを見通しを立てながら練習をしていました。どんな「ゾーンを越える」のか、楽しみです。
 6校時のクラブ活動で、地域の方にお越しいただいてコースターづくりに取り組んでいました。思い思いの色を選び、きれいに並べたり切ったりして作っていました。なかなか素材が硬くて、思い通りに切れなかったりくっつかなかったりしていましたが、あきらめることなく黙々と取り組んでいました。クラブが終わったときに、「見て見て、私これを作ったよ。すごいでしょ。」と満面の笑みで紹介している子がいました。できなくても、思い通りにいかなくても、頑張って取り組んだことがうれしかったのだと思います。
 きっと、こうしたことの積み重ねで「ゾーンを越える」ことができるのだと思います。

被爆体験伝承講話 なぜ学ばなくてはいけないのか

2022-09-09 15:51:40
 今日5、6年生は、3、4校時に総合的な学習の時間で被爆体験伝承者の講話を聞きました。これは、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の事業で、被爆された方の体験されたことをより多くの人たちに聞いてもらいたいという願いのもと、日本ばかりではなく海外に出向いて、被爆者の代わりに被爆体験を伝えられる制度です。
 今回本校にお越しいただいた方は、広島県在住で、広島市観光ボランティアガイド協会で平和記念公園のガイド等もしておいでです。その活動で出逢われた被爆者の方の願いを叶えたいという思いで、一念発起して伝承者になられたようです。広島に原爆が投下される背景や被害状況を聞いた後、被爆体験についてお話をいただきました。子どもたちと同じ年齢で被爆されたこともあり、子どもたちは自分のことのように聞き入っていました。戦争により最低限の生活まで奪われていったこと、加えて被爆したことでご苦労、ご心痛なさったことを伝えてもらいました。その後、子どもたちはペアで感想を言い合い、全体で発表しました。伝承者の方は、発表する子ども一人ひとりのもとに行き、じっくりと発表を聞いた後に、ゆっくりとていねいな言葉で説明や感想をおっしゃいました。
 伝承者の方は、「今度サミットが広島であるようなので、英語を勉強することにしました。パソコンもこの仕事をするようになってから習いましたが、まだまだです。」と話されました。さらに、「被爆体験を私がうまく伝えられるのだろうか。」といつも自問自答していて、何か参考になると思うことは調べたり教えてもらったりしているそうです。そして、「結局、知らないことがあるというのは一番いけないことだと思います。知らないから、平和が大切だ、戦争はいけないということが自分のこととして考えられないのだと思います。」と自分の経験を交えて話されました。
 平和は身近な生活の積み重ねだと言います。なぜ学ばなくてはいけないのかについて、本校にお越しいただいた伝承者の方の生き方を通じて教わりました。

稲刈り体験 地域の皆様お世話になりました

2022-09-08 17:18:14
 今日の3、4校時は全校で稲刈り体験を行いました。5月6日に田植え以来、子どもたちは初めて田に向かいました。地域の皆様がこの125日間、史上まれに見る(近年ずっと言われている)天候の中、水の管理や害虫、病気に気を配っていただいたおかげでしっかりと稲が育ちました。こうした地域の皆様の「米への愛情」にしっかり応えるために、今年度から①鎌で刈る、②より縄で結ぶ、③はで場まで運ぶ、④はでに並べる地域の方に稲の束を投げるの4つの役割分担を、学年関係なく自己選択制にしました。そのことで、縦割り班で責任を持って協力しながら取り組む姿がより多く見られるのではないかと考えました。低学年が鎌を使うのは危険度が増すことかもしれません。しかし、「やってみたい」という願いをもつことは非常に大切なことです。加えて、「危険」だからこそ、高学年や地域の方の言うことをしっかり聞かないと願いが叶えられないという経験ができるのではないかと想定しました。
 3、4枚目の写真のように、子どもたちは自分たちに任された分担を責任を持って行うために、異学年の友だちや地域の方に積極的に聞いていました。しかし、やはり「やりたい」が勝ってしまい、作業が雑になってしまう瞬間がありました。その機会を捉えて、作業の途中で、地域の方が「刈り残しと地面に落ちている穂が非常に多くて悲しい。せっかく愛情を持って育ててきたのに、命を大切にしてほしい」と子どもたち全員を集めておっしゃいました。子どもたちはすっと心に響いたようで、その後5枚目の写真のように落ち穂拾いをしていました。役割分担を自分で決めたからには、責任を持って取り組まなければならない、やりたいだけでは許されないということを教えていただきました。活動後、縦割り班でふり返りをした際に高学年の子どもたちが「やりたいと思っていることができるようにうまく教えてあげればよかった」「もっとうまく指示を出せばよかった」「仕事がない人がいないかなどを広く見てあげればよかった」と言っていました。子どもたちに役割分担を任せた意味をしっかりと捉えている高学年がいることをとてもうれしく思います。
 最後の写真は、テレビの撮影風景です。3社から受けました。「ぼく映っているかな」「私インタビュー受けたよ」という会話が最後は聞こえました。