阿用小学校


磨きあい

2023-02-10 17:00:00
 今日4年生の教室の前を通ると、「センチセンチ」「はい、ぼくが!」という声が響き渡っていました。教室に入ると、算数の授業で、「たて200㎝、よこ4mの面積は何㎠でしょう」という問題の解き方を学級全体で考えていました。㎝の単位にそろえて計算すべきだということは学級全体の総意のようですが、担任は「なぜなの?」と問います。「だって200㎝を2mにして、2×4にしたとしても、後で㎠に変えるとなると『面倒』だから」という説明をします。その発表が終わるや否や、「ぼくが説明する!」といって発表をし始めました。「求められている答えがセンチ」「センチじゃなくて平方センチメートルでしょ」「そう、その㎠だから、かける数字の単位は㎝でないといけないと思います。」と説明していました。そのやり取りを、ほかの子どもたちは、時に笑ったり、時にうなづいたりして「自分事」として聴いていました。発表者が言いたいことを先読みしながら、「きっと〇〇さんは、こういいたいのではないか」ということを想定して聞いていることがよくわかります。より分かりやすく説明したい、友達と違った見方や考え方を説明したい、と思える人間関係が築けていることがとてもうれしくなる一コマでした。
 3年生教室に入ると、ちょうど「はい」という声とともに、かるたをとる音がしました。4枚目の写真です。ある2人が同時にかるたに手をやったようです。どちらの札になるのか、緊張の一瞬です。2人は、「自分が先だった」といわんばかりに、札から手を放しません。その代わりにメンバーの表情を見て、目でアピールしています。担任が「どちらかわからない場合はじゃんけん」とアドバイスを送ります。双方見つめあいながら、無言での主張が続いていました。ちょっと視線を外したうちに、新しい札に移っていました。どうももめることなく解決したようです。かるたは、逃さず聞く、聴いた一番はじめの言葉を探すために札を見渡す、一番はじめの文字を覚える、手を出す、とかなり多くの作業をいっぺんにする活動です。ですので、できない自分に腹が立つことが多いですし、とれたと思ったら友達がとっていたというのはなおさらかっとなることです。その状況で、2人で折り合いをつけたところがとても素敵だと思いました。ほかの友達もさらりとその状況を切り抜けたところも素晴らしいと思います。
 2年生は、1年間の成長したことを発表、録画していました。成長したたくさんのことの中から、どれを保護者のみなさんに伝えたいのかを話し合い、その後練習に練習を重ねてきました。私は、ちょうど「なわとび」「ダンス」「お笑い」の部分をみました。どの子も、練習してきたことが発揮できている実感がわいていくようで、だんだんと表情が明るくなり、自信が芽生えはじめました。その後の下校では、「『おれたち 私たちの』発表会」といって自分たちの頑張りについて話していました。何かを、学級全体でやり遂げること、よりよくするためにお互いにがんばっていくこと、こうした姿が先の3年生、4年生のようなしっかりとした人間関係の中での「学び」につながると思います。

本校は2月13日で150歳

2023-02-09 17:00:00
 昨日の昼休みのフレンド集会で、「阿用小学校の誕生日」の話をしました。令和、平成、昭和、大正、明治と5つの時代をまたいた、150歳で、大東町内で1番古い学校であることを知りました。子どもたちの気づきや疑問を取り上げながら、本校の歴史について話していきました。3枚目にあるように、服装、子どもの数などが違っていることを知りました。また、4枚目の写真のように、学校生活でどのようなことをしていたのかも知りました。特に、戦争中には「大人」扱いをされ、訓練や労働、軍服など、今の学校では想定できないようなことに驚きを感じていました。また、「田植え」や「蓮花寺登山マラソン」など今でも続いている行事での姿を見ると、自分と比べている様子がよくわかりました。1年生を送る会、6年生を送る会など、仲間を大切にした行事や「あいさつ運動」など、現在の子どもたちも大切にしていることがずっとつながっていることにも気づいたのだと思います。
 この話の最後には、昨日の山陰中央新報で紹介されていた「ロボコン大会 大東中全国1位」について話しました。3人のうちの1人が本校の卒業生で、ロボコン大会出場を夢見ていたことを知り、自分たちの先輩の活躍ぶりを感じていました。加えて、先日の「島根県学校歯科保健優良学校」表彰について紹介し、自分たちも阿用小学校の歴史の中に素晴らしい功績を残したことも話しました。
 6枚目の写真は、1年生が来年度入学する子たちを迎える会で使ったプログラムです。これを見ながら「校長先生、このうちどれが私が書いたでしょうか」という問題を出す1年生の子がいました。一人1枚ずつ書いたということです。こうした積み重ねで歴史が作られていることを感じさせてくれる、「問題」を出してくれました。
 150年間、1809名の卒業生がいます。その一人一人が歴史を築いてきたことをかみしめる時間でした。

島根県学校歯科保健優良学校に表彰されました

2023-02-07 17:17:18
 今日の14時から、松江市にある県教育委員会で「島根県体育・健康優良学校等表彰式」がありました。5校(小学校4校、高等学校1校)のうちの1つが本校でした。これは、昨年度から本校が取り組んでいる「歯と口の健康づくり」に対して、島根県教育委員会がよい取組として認め、表彰する会でした。昨年度の6年生とその保護者の方、旧教職員を含め、「自分で健康な心と体をつくっていこう」という目標をもって、努力・協力していったことを認めていただいたということとなります。本校が、歯科検診をはじめ歯と口や食育などの授業を打ち上げ花火のように「単発的」な活動としないで、粘り強く自分事として取り組めるように考えていったことについて、県教育長から県全体に広げていってほしいというコメントをいただきました。保護者の皆様、学校歯科医、歯科衛生士、雲南市役所担当課の皆様、ご協力ありがとうございました。そして、今後ともどうぞよろしくお願いします。
 4枚目の写真は、1、2年生の体育での「体育コーディネーター派遣事業(ダンス)」の様子です。4つのグループが、拍を数えながら少しずつずらして、同じふりをする、ウェーブのようなふりを練習していました。個々のグループの練習ではわからなかったのですが、全員で踊ると全体像が見えてきて、思わずガッツポーズをしている子がいました。1、2年生にとって、「右腕上げて、次左」という掛け声によって体を動かすのは至難の業のようです。段々と練習を重ねるうちに、自分の脳に「右腕上げて…」と指令を出した通りに体が動くようになるのですが、その瞬間に「できた」という素敵な笑顔を見せるそうです。「できない」といってふてくされたりふざけたりするという選択肢もある中で、もう少し練習すればできるようになると信じて粘り強く取り組む姿はとても素敵でした。
 5枚目の写真は、5年生の社会科の「テレビニュースができるまで」の学習の様子です。ニュースをつくることに対して自分たちで出していった疑問を調べ活動によって解決していく途中です。一旦、教科書や資料集、学習用タブレットなどで調べたのですが、書いてあることを丸写ししたため、結局最初に出した疑問の解決につながらないようです。調べたことを書いた付箋に集まり、自分の言葉で「これって、こういうことだと思うんだ」と「自分語」に翻訳する作業をしていました。それが段々と、「学級語」となり、「あぁ、わかった。こういうことね」と学級全体で納得する答えになるようです。息の長い、しかし非常に大切な「学び」を粘り強く取り組んでいます。
 最後の写真は、4年生の音楽の様子です。これまで、学年発表で見事な合奏を披露した4年生ですが、今回挑戦する曲は非常に難しいようです。楽譜自体が難しいのに、指使いも難しいようです。私が見た限り、この子たちが1学期の時は、「あぁ、もうやめた」「・・・(無言でリコーダーから手を放す)」などといった姿が見られたと思います。しかし、果敢に挑戦しています。くじけそうになっても、粘り強く練習を続けています。
 こうした粘り強さの姿が、今回いただいた「表彰状」といった別の形であらわされたのだと、子どもたちの表情を見て強く感じました。

自分事にして 実感する

2023-02-06 17:51:41
 今日2年生の教室に入ると、1枚目の写真に書いてある算数の問題を解こうとしていました。それぞれの長さの単位は、mm、cm、mのいずれかを見当をつける問題でした。算数は、問題をノートで解けるようになることが目的ではなく、生活の様々な場面で数や量、図形等を使って、合理的に物事を処理することができるようになることだと考えます。したがって、実際の生活の中にある「モノ」がどれくらいの長さなのかという感覚がもてることはとても重要だと言えるでしょう。2枚目の写真のように、予想を立てる前に問題①の学校にあるコップの長さを測りだしていましたが、どの単位のものさしで測ればよいのかが実感として身についていることがわかります。先日は、横になった私を、子どもたちの自家製「3メートルメジャー」で測っていました。こうした経験を重ね、長さを体感することは重要であると思います。
 昼休みに1年生は、8の字跳びに挑戦しました。目標は40回です。掛け声をみんなで出し合って、縄をしっかり見て跳んでいました。ひっかかる子、疲れて跳びにくくなった子、集中力がだんだんとなくなってきた子など様々でした。自己新記録を出すことができましたが、結果として目標には達することができませんでした。その後の振り返りで、「保育園の時に比べて、力を合わせてみんなで跳べるようになったので、成長したなと思いました。」といった子がいました。長縄がうまく跳べるようになることを目標として取り組んできましたが、それ以外の「自分(たち)を客観的に振り返ることができる」力も身についたと思い、うれしくなりました。
 5時間目に3年教室に入ると、「シーン」としていました。「今度の学習公開日に『ぼくたちが1年間で成長したこと』をおうちの人に発表するんだ」とこっそり教えてくれました。「悩むんだよな。あれも、これも伝えたいしな」「授業でできるようになったことばかりじゃないんだよな」「(〇〇さんに対して)何もないっていうことはないよ。とにかく一つ書いてみたら。いっぱい出てくるから」などといったつぶやきが小さく聞こえますが、ほとんどは鉛筆の音でした。5、6年生の教室に入ると、5年生が理科のテストをしていました。先日自分たちの疑問を自ら調べ、考えた単元のテストでした。「自分たちが調べたからよくわかる?」と聞くと「はい」と力強く、当然のような表情でうなづきました。
 自分で考えて解決したり、成長していったりしていく過程は子ども自身を強くすると痛感させられる3つのエピソードでした。

異学年でのかかわり  感謝の念を生み出すもの

2023-02-03 17:00:56
 今日の午後、1日入学を行いました。1年生は、新入生が来てくれるためにずっと準備をしていました。2枚目の写真は、「教室をピカピカに整頓して、新入生に気持ちよく教室に入ってもらいたい」という願いをもって掃除をしていた様子です。真ん中で正座している子は、最終点検をするために教室の後ろ中央から見渡してチェックしている様子です。「よし、気持ちよく来てもらえそうだね」という声が聞こえてきました。3枚目の写真は、算数遊びがうまくできた新入生に「すごい!できたね」と自分のことのように喜ぶ1年生の姿です。どの子も、教えたり話しかけたりするときに、目線を新入生にあわせていました。担任がいつもしていることを当たり前のようにしていました。まさに「ミニ先生」でした。そうした和やかな雰囲気もあり、4枚目の写真のように、新入生の子が最後の感想を言ってくれました。本校で1番幼い1年生が、「片づけ方を教えるよ」などと言っている姿がとても微笑ましく思えました。
 先週から体育コーディネーター派遣事業として、ダンスをコーディネーターに教えていただく活動を体育で行っています。コーディネーターの先生は、偶数学年は「下級生が見ているから、うまくしなくては」「下級生から聞かれたときに答えられるように」という緊張感をもって取り組んでいると言われました。下級生は「上級生を見て、真似て、チャレンジしよう」という気持ちで取り組んでいるとも言われました。そして、最近の子どもは、「同学年で、大人の先回りの範囲内で、同一の遊びしかしていない」からもったいないという話をされました。私も同感です。たった1学年上でも、下学年には「あこがれ」をもってもらいたいと、緊張感をもって取り組み、尊敬されるようにわかりやすく教えるという経験は、とても重要な「学び」であると思います。さらに、1~6年生の異年齢でのかかわりの中で、「将来、〇〇のようにできるようになりたい」や「今はできなくても、いつかはできるようになる」といった、長期での「できる・できない」を理解することもできるようになるということも話されました。そういった意味で、本校の体育の雰囲気は、非常に成長を促す良い学びができるものであるとほめていただきました。
 6年生を送る会の実行委員が、6枚目の写真のスローガンを掲示しました。「感謝の気持ち」は、そうした異年齢、特に6年生の「緊張感」をもちながら下級生に接してきてくれたことを理解する必要があります。あと2か月、同学年でではなく、異学年で、子ども同士で「遊びを創り出して」いくことで、緊張感や憧れのあるかかわりを感じてもらいたいと思います。