阿用小学校


1年生 新しい「学び」の始まり

2022-07-07 16:25:25
 今日3校時目に、1年生はタブレット端末授与式を行いました。タブレット利用の先輩である5、6年生に教えてもらいながら、タブレット端末の利用をはじめ、情報教育のスタートを切る活動として位置づけました。まず、市の教育長のメッセージの動画をみて、本校のICT担当の教員と担任、校長とともに雲南市としてタブレット端末をどのように使ってほしいのかを学びました。鉛筆やペンのように、学習に使う道具として、ていねいにどんどん使ってほしいということを、5、6年生も含めて学びました。
 その後、校長から一人ひとり手渡しでタブレット端末をもらいました。いつもは、笑顔で大きな声で「ありがとうございます」と言える子どもたちですが、あまりの緊張に、小さな声になってしまう子もいました。それくらい、子どもたちにとっては、新しい「学び」の道具は神聖なものだと感じました。手元に渡ると、開いてさっと使いたくなるのが人間の性ですが、5、6年生が「タブレットは、青い円がぐるぐる回っているときは、『待て』ということだよ。がまんだよ。」と優しく諭すので、1年生の子どもたちはじっと、じっと待っていました。開いてみると、5、6年生のお兄さん、お姉さんの画面は思い思いのかっこいい、かわいい写真が壁紙になっていることをICT担当の教員は紹介し、「みんなもこれくらい使いこなせるようになったらできるようになるよ」と1年生に伝えていました。すると、1年生の子どもたちは改めて[5、6年生はすごいんだなぁ」という尊敬の眼差しを送っていました。
 さて、使ってみたくなった1年生は、「チームス」を使ってみることになりました。早く自分でできるようになりたいという気持ちと、自分ではできないから5、6年生にしてもらいたいという気持ちとが複雑に絡み合っていました。同様に、5、6年生も、1年生に楽しんでもらいたいために、全てやってあげたいという気持ちと1年生が自分でできるようになるためにできるだけ1年生にさせるようにしなくてはいけないという気持ちの葛藤がみられました。
 スタンプを選び、1年生のメンバーに送っていきました。すると、ICT担当の教員は、1年生がスタンプに慣れて(だれて)き出す頃合いをみて、下品な内容のスタンプを送ってみました。「先生、それは嫌だな」と5、6年生も含めて何人かの子どもが言いました。「どうして」「私のことをそう思っているんじゃないかなって思ってしまうから」なとという発言が聞かれました。すかさず、こうしたスタンプを送ることは「ていねいに」使うことではないということを5、6年生がしっかりと1年生に伝え始めました。
 私たちの世代にとっては、ICT利活用となると禁止事項をたくさん言ってしまいがちですが、今後はうまくつきあっていくための資質が必要ですので、何でも「だめです」の一点張りではいけません。5枚目の写真を見ていただくと、1年生にとっては初めての利用ですので、指が「つり」そうなくらいの緊張感があります。
 しかし、子どもたちの順応性は非常に早いです。6枚目の写真は、今日の8時過ぎの1年生教室の様子です。汗だくで登校した後、アサガオなどに水やりを行った後に、さっと着替えをして、当たり前のように読書をしていました。つい、数か月前まではと考えると、成長の早さを感じます。きっと、タブレット端末の利用も、あっという間にうまくなっていくでしょう。

11個も咲いちゃった 育てることの楽しさ

2022-07-05 17:10:49
 今朝、1年生の男の子が困り顔で職員室に入り、こんなことを言いました。「11個も咲いちゃって、たいへんだよ」。1年生担任から聞いていましたので、ピンときました。2枚目の写真のように、1年生が植えたアサガオが非常によく育っていました。(私ごとですが、私は小学校1年生から中学校3年生まで、こういった栽培活動においてずっと芽が出たことがありません。)入学して間もなくから毎朝、登校してすぐにアサガオに水をやっていました。最初の頃は、「ランドセルが歩いている」と思われるくらいに小さな身体の1年生がアサガオに水をやっている姿や、水をやるのを忘れている子や教室にあがらないでずっとアサガオを見ている子を担任の先生や支援員の先生が声がけしている姿が見られました。しかし、この頃は、何年も前から本校で水やりをしているくらいの貫禄で水やりをして、その後、教室で着替えなどを時間通りにできるようになってきました。
 アサガオの健やかな成長は子どもの自信につながりますので、担任にとっては重要な出来事です。「良かったです。こんなにきれいな花がたくさん咲くなんてなかなかないですよね。1年生はとても喜んでいますよ。」ととても安心して、うれしそうな表情で担任は報告してくれました。その次の日の「11個も・・・」ですから、この子の本当の気持ちが良くわかりました。
 5年生は、理科で顕微鏡を使って「小石」を見ていました。「ただの白だと思ったら、筋が入っている」「大きく見えるだけだけどな」「もっとちゃんとみてごらん。いつもと違うようにみえるよ!」という会話が聞こえました。子どもたちは、様々な活動を通して「いつもと違う」知識を得たり、経験したり、見方を変えたりしています。そうした活動での驚きや喜びが「学び」の原動力となっています。
 2年生は、道徳で「さかあがりができたよ」という題材を使って、できないことができるまでのプロセスでの心の動きについて考えました。「この前、妹ができるまでずっと練習していたよ」「(できるまで毎日毎日練習している主人公について)やばっ」「『やばっ』ていうのは、すごいなぁ、私はできんなぁということだよ」という会話がされていました。先日、2年生は自分で問題をつくって解くという自学ノートの取り組み方を学習していました。今までも、学年発表等、こつこつと努力していった2年生。今回の道徳で、改めて「努力」のよさや素晴らしさを知ったと思います。

様々なかたちでの「わかった!」

2022-07-04 13:50:01
 今日、1年生は算数で「答えが3になるひきざんを見つけよう」という活動を行っていました。思い思いに式をつくっていました。1年生の子どもは、「前に勉強した「1と9で10」「2と8で10」っていう、10をつくるのを思い出してやったよ」「わたしは、3になる式を思いついたよ。9-6はどうかな」「〇をかいてやってみたよ」などと様々なアプローチで式をつくっていました。
 3年生はあまりのあるわり算を学習していました。黒板には、3枚目のような様々なとき方が黒板に書いてありました。私が近づくと「あっ!なるほど。〇を16個かいて、3つずつ箱に入れてやればいいんだ。簡単だ!」といって、突然ノートに書き始めた子どもがいました。学級を見渡すと、「やっぱり図をかくか、実際に配ってみるのが分かりやすいよね」といって、友だちと教え合っている子どもたちがたくさんいました。3年生の子どもたちにとって、16という数を頭の中に浮かばせて、3ずつ分けることや、16÷3の答えを頭の中で見立てていくなどと言うのは難しいことに決まっています。もし、これを担任が「図はかいてはいけません。」などといったら、3年生の子どもたちは「かん」で答えるか、「答えを見るか」しかなくなるかと思います。
 2年生では、3けた-2けたのひきざんを簡単にできるための方法を考えていました。110ー50を「10」が11個と5個で考えれば、「11ー5」と今まで習った式でできるということを明らかにしました。これで簡単になったという子どもたちがたくさんいました。実は、ここで重要なことがあります。「11ー5」が案外難しいということです。いわゆる「繰り下がり」の計算です。1年生のはじめの引き算の学習では10本の指でできたので簡単だったのでしょう。それが、10より大きな数は右と左の指だけでは追いつかなくなってしまっているのです。
 そこで、様々なアプローチで解いていくことになります。1つ目は、ドリルや計算カードをたくさんこなし、歌を覚えるように体にしみこませる方法です。2つ目は、図をかいて解く方法です。3つ目は、10より大きな数を10といくつかに分けて計算する方法です。どれも、引き算が計算できるようになるよい方法です。しかし、やはり子どもそれぞれの発達や経験に沿ったとき方があります。歌のように体にしみこむ方法しか算数の解き方として認められないのなら、先ほどの1年生、3年生のような「やった!」「わかった!」という喜びは感じられないでしょう。
 子どもはそれぞれの解き方で算数の「わかった喜び」を感じて、次の難しい課題に挑戦していきます。夏休みが近づいています。友だちと一緒に学べるのも後数週間です。いろいろな考え方を知り、自分のやり方と比べて、学ぶ楽しさをより味わっていってほしいです。

自分の健康を考える時間 ~保護者のみなさまに見ていただきたかった~

2022-07-01 18:44:42
 今日の5校時は、本来であれば保護者のみなさまにお越しいただいて、いっしょに「健康づくり」について考えてもらう活動を考えておりましたが、今週のコロナウイルス感染症拡大のため、急遽子どもだけでの活動となりました。1年生は、「元気な歯になるコツ」について、養護教諭も交えて考える活動を行っていました。自分の口の中をしっかり見たことがないという子どももいる中で、どのように歯を磨くとよいのかを考えました。2年生は、栄養教諭を交えて「おやつの取り方」について考えました。ジュースに入っている砂糖を実際に見せてもらいながら、おやつは子どもにとって「第4の食事」とも言われるくらい重要な栄養補給ですが、大切な歯を守るためにはおやつをしっかり自分で選択する必要があることを考えていました。
 3年生は、健康について考えていましたが、担任の「どんな生活をすると健康をくずすのか」という質問に、「24時間ゲームをすればよい」「お菓子をたくさん食べる」など、子どもは自分がしたいなぁと思うことを思い思いに楽しそうに発表していました。すかさず、「ならゲームはどれくらいやるのがよいの」という担任の質問に、子どもたちはぴりっとした表情になり、真剣に健康について考えていきました。4年生は、先日行った「しっかりかんで食べる」ことについての一人ひとりの目標ができているのかどうかを考えました。「やるぞ」と決心しても、そう簡単にはできないのが現実です。「ただがんばるでは、来週も」と担任が言うと、子どもたちが「できない」と自らの今後の取組の見通しを立てた応えをしました。またここでも「ならどうする?」という質問により、自分たちで今後の取り組み方について考えていきました。
 5、6年生は、「楽しい夏休みを元気に迎える方法」を考えていました。高学年らしく、どのようなときにどんな病気になったのか、その原因をウイルスや身体の働きなどから明らかにしていきました。そこで得た知識を活用しながら、どのように過ごせば「楽しい夏休み」となるのかを一人ひとりが考えていきました。
 本校は、健康づくりを通して、自分で課題を発見して、自分はもちろん友だちなどと協働しながら解決していける力を育てていきたいと考えています。「できるできない」のことではなく、やろうとすることが大切、できなかったら他のやり方を見つけたり、助けを求めたりしていくことが大切なんだということを健康づくりを考えることでわかってもらいたいです。きっと、ご家庭に帰って、今日の話をしていると思います。どうぞいっしょに考えてやってください。
 6枚目の写真は、1年生の「硬筆書写コンクール」の取組の様子です。つい3か月前まで、ひらがなを書くことができなかった子どもたちが、よりよい字を書こうとしてこんなに背筋を伸ばして書いています。この姿を見ると、保育園でよりうまくなろうとかもっと楽しくしようといった「よりよくしよう」と粘り強くがんばる姿勢を育ててもらってよかったなぁとつくづく思います。もし、入学前までにひらがなを書けるようにするために、「特訓させて」字を書くことが苦手だと思ったり、嫌になったりしていれば、自分のめざす「作品」を完成させようとがんばることはできないと思います。

本物を学ぶ 本物で学ぶ

2022-06-30 16:55:54
 2年生は、6月8日と22日に小学校周辺の「町たんけん」をしました。近くにある看板製作会社、神社、美容院、郵便局、工事現場、寺院に行かせてもらいました。それぞれのところで、専門の方に「ここだけの秘密」として、仕事などに込められた思いや願い、仕事の仕方を教えてもらいました。子どもたち(教職員も)にとって初めて知ることばかりなので、驚きを感じながら聞いていました。実物を見て、触って、においをかいで、音を聞いて、お話を聞きますので、教室では味わえない驚きや新たな発見をたくさん見つけました。
 学校に帰ると、口々に「大人になったら、〇〇になる。」「先生、知っていますか?」「先生は知らないと思うけど、阿用ってすごいんですよ。」などとうれしそうな表情で小さな探検家たちは報告してくれました。その後、それぞれの発見を共有し、必ずお礼の手紙を書きます。たくさんの思いがあるので、なかなか整理できないところもありますが、これだけはお礼を言いたいということに絞って書いていました。どの手紙も、「~してくださって」「ぼく(私)たちのために」という言葉を添えて、感謝の気持ちを伝えていました。
 2年生の子どもたちは、「町たんけん」先から帰ると、行った先々の職業に就きたいと言います。これを、思いつきで言っているとか、浅い考えだとかというように大人たちは思うかもしれませんが、どれも子どもたちにとっては、本当であり、真剣な発言です。なぜ、それまでに子どもたちが「〇〇の仕事に就きたい」と思うのかと言えば、それぞれの体験先の方々の、「仕事」に対する姿勢が子どもの心にしっかり入り込むからです。恐らく、2年生にとって難しい言葉もたくさんあったかと思いますが、みなさんの「地域・社会のためになることを、さまざまな工夫や努力しながら行っている」というプライドが子どもに伝わってきたからだと思います。そうした、プライドをもって仕事をしておいでの方々に出逢うことが、行く先々でなりたい職業が増えていくにつれ、「阿用って素晴らしい」という考えにつながっていくのだと思います。
 学校では学ぶことができない、本物に出逢うことで学ぶことがたくさんありますが、その中でも重要なことは「人としての生き方」ではないか、と小さな探検家たちのお礼の手紙を読みながら感じています。