阿用小学校


11個も咲いちゃった 育てることの楽しさ

2022-07-05 17:10:49
 今朝、1年生の男の子が困り顔で職員室に入り、こんなことを言いました。「11個も咲いちゃって、たいへんだよ」。1年生担任から聞いていましたので、ピンときました。2枚目の写真のように、1年生が植えたアサガオが非常によく育っていました。(私ごとですが、私は小学校1年生から中学校3年生まで、こういった栽培活動においてずっと芽が出たことがありません。)入学して間もなくから毎朝、登校してすぐにアサガオに水をやっていました。最初の頃は、「ランドセルが歩いている」と思われるくらいに小さな身体の1年生がアサガオに水をやっている姿や、水をやるのを忘れている子や教室にあがらないでずっとアサガオを見ている子を担任の先生や支援員の先生が声がけしている姿が見られました。しかし、この頃は、何年も前から本校で水やりをしているくらいの貫禄で水やりをして、その後、教室で着替えなどを時間通りにできるようになってきました。
 アサガオの健やかな成長は子どもの自信につながりますので、担任にとっては重要な出来事です。「良かったです。こんなにきれいな花がたくさん咲くなんてなかなかないですよね。1年生はとても喜んでいますよ。」ととても安心して、うれしそうな表情で担任は報告してくれました。その次の日の「11個も・・・」ですから、この子の本当の気持ちが良くわかりました。
 5年生は、理科で顕微鏡を使って「小石」を見ていました。「ただの白だと思ったら、筋が入っている」「大きく見えるだけだけどな」「もっとちゃんとみてごらん。いつもと違うようにみえるよ!」という会話が聞こえました。子どもたちは、様々な活動を通して「いつもと違う」知識を得たり、経験したり、見方を変えたりしています。そうした活動での驚きや喜びが「学び」の原動力となっています。
 2年生は、道徳で「さかあがりができたよ」という題材を使って、できないことができるまでのプロセスでの心の動きについて考えました。「この前、妹ができるまでずっと練習していたよ」「(できるまで毎日毎日練習している主人公について)やばっ」「『やばっ』ていうのは、すごいなぁ、私はできんなぁということだよ」という会話がされていました。先日、2年生は自分で問題をつくって解くという自学ノートの取り組み方を学習していました。今までも、学年発表等、こつこつと努力していった2年生。今回の道徳で、改めて「努力」のよさや素晴らしさを知ったと思います。

様々なかたちでの「わかった!」

2022-07-04 13:50:01
 今日、1年生は算数で「答えが3になるひきざんを見つけよう」という活動を行っていました。思い思いに式をつくっていました。1年生の子どもは、「前に勉強した「1と9で10」「2と8で10」っていう、10をつくるのを思い出してやったよ」「わたしは、3になる式を思いついたよ。9-6はどうかな」「〇をかいてやってみたよ」などと様々なアプローチで式をつくっていました。
 3年生はあまりのあるわり算を学習していました。黒板には、3枚目のような様々なとき方が黒板に書いてありました。私が近づくと「あっ!なるほど。〇を16個かいて、3つずつ箱に入れてやればいいんだ。簡単だ!」といって、突然ノートに書き始めた子どもがいました。学級を見渡すと、「やっぱり図をかくか、実際に配ってみるのが分かりやすいよね」といって、友だちと教え合っている子どもたちがたくさんいました。3年生の子どもたちにとって、16という数を頭の中に浮かばせて、3ずつ分けることや、16÷3の答えを頭の中で見立てていくなどと言うのは難しいことに決まっています。もし、これを担任が「図はかいてはいけません。」などといったら、3年生の子どもたちは「かん」で答えるか、「答えを見るか」しかなくなるかと思います。
 2年生では、3けた-2けたのひきざんを簡単にできるための方法を考えていました。110ー50を「10」が11個と5個で考えれば、「11ー5」と今まで習った式でできるということを明らかにしました。これで簡単になったという子どもたちがたくさんいました。実は、ここで重要なことがあります。「11ー5」が案外難しいということです。いわゆる「繰り下がり」の計算です。1年生のはじめの引き算の学習では10本の指でできたので簡単だったのでしょう。それが、10より大きな数は右と左の指だけでは追いつかなくなってしまっているのです。
 そこで、様々なアプローチで解いていくことになります。1つ目は、ドリルや計算カードをたくさんこなし、歌を覚えるように体にしみこませる方法です。2つ目は、図をかいて解く方法です。3つ目は、10より大きな数を10といくつかに分けて計算する方法です。どれも、引き算が計算できるようになるよい方法です。しかし、やはり子どもそれぞれの発達や経験に沿ったとき方があります。歌のように体にしみこむ方法しか算数の解き方として認められないのなら、先ほどの1年生、3年生のような「やった!」「わかった!」という喜びは感じられないでしょう。
 子どもはそれぞれの解き方で算数の「わかった喜び」を感じて、次の難しい課題に挑戦していきます。夏休みが近づいています。友だちと一緒に学べるのも後数週間です。いろいろな考え方を知り、自分のやり方と比べて、学ぶ楽しさをより味わっていってほしいです。

自分の健康を考える時間 ~保護者のみなさまに見ていただきたかった~

2022-07-01 18:44:42
 今日の5校時は、本来であれば保護者のみなさまにお越しいただいて、いっしょに「健康づくり」について考えてもらう活動を考えておりましたが、今週のコロナウイルス感染症拡大のため、急遽子どもだけでの活動となりました。1年生は、「元気な歯になるコツ」について、養護教諭も交えて考える活動を行っていました。自分の口の中をしっかり見たことがないという子どももいる中で、どのように歯を磨くとよいのかを考えました。2年生は、栄養教諭を交えて「おやつの取り方」について考えました。ジュースに入っている砂糖を実際に見せてもらいながら、おやつは子どもにとって「第4の食事」とも言われるくらい重要な栄養補給ですが、大切な歯を守るためにはおやつをしっかり自分で選択する必要があることを考えていました。
 3年生は、健康について考えていましたが、担任の「どんな生活をすると健康をくずすのか」という質問に、「24時間ゲームをすればよい」「お菓子をたくさん食べる」など、子どもは自分がしたいなぁと思うことを思い思いに楽しそうに発表していました。すかさず、「ならゲームはどれくらいやるのがよいの」という担任の質問に、子どもたちはぴりっとした表情になり、真剣に健康について考えていきました。4年生は、先日行った「しっかりかんで食べる」ことについての一人ひとりの目標ができているのかどうかを考えました。「やるぞ」と決心しても、そう簡単にはできないのが現実です。「ただがんばるでは、来週も」と担任が言うと、子どもたちが「できない」と自らの今後の取組の見通しを立てた応えをしました。またここでも「ならどうする?」という質問により、自分たちで今後の取り組み方について考えていきました。
 5、6年生は、「楽しい夏休みを元気に迎える方法」を考えていました。高学年らしく、どのようなときにどんな病気になったのか、その原因をウイルスや身体の働きなどから明らかにしていきました。そこで得た知識を活用しながら、どのように過ごせば「楽しい夏休み」となるのかを一人ひとりが考えていきました。
 本校は、健康づくりを通して、自分で課題を発見して、自分はもちろん友だちなどと協働しながら解決していける力を育てていきたいと考えています。「できるできない」のことではなく、やろうとすることが大切、できなかったら他のやり方を見つけたり、助けを求めたりしていくことが大切なんだということを健康づくりを考えることでわかってもらいたいです。きっと、ご家庭に帰って、今日の話をしていると思います。どうぞいっしょに考えてやってください。
 6枚目の写真は、1年生の「硬筆書写コンクール」の取組の様子です。つい3か月前まで、ひらがなを書くことができなかった子どもたちが、よりよい字を書こうとしてこんなに背筋を伸ばして書いています。この姿を見ると、保育園でよりうまくなろうとかもっと楽しくしようといった「よりよくしよう」と粘り強くがんばる姿勢を育ててもらってよかったなぁとつくづく思います。もし、入学前までにひらがなを書けるようにするために、「特訓させて」字を書くことが苦手だと思ったり、嫌になったりしていれば、自分のめざす「作品」を完成させようとがんばることはできないと思います。

本物を学ぶ 本物で学ぶ

2022-06-30 16:55:54
 2年生は、6月8日と22日に小学校周辺の「町たんけん」をしました。近くにある看板製作会社、神社、美容院、郵便局、工事現場、寺院に行かせてもらいました。それぞれのところで、専門の方に「ここだけの秘密」として、仕事などに込められた思いや願い、仕事の仕方を教えてもらいました。子どもたち(教職員も)にとって初めて知ることばかりなので、驚きを感じながら聞いていました。実物を見て、触って、においをかいで、音を聞いて、お話を聞きますので、教室では味わえない驚きや新たな発見をたくさん見つけました。
 学校に帰ると、口々に「大人になったら、〇〇になる。」「先生、知っていますか?」「先生は知らないと思うけど、阿用ってすごいんですよ。」などとうれしそうな表情で小さな探検家たちは報告してくれました。その後、それぞれの発見を共有し、必ずお礼の手紙を書きます。たくさんの思いがあるので、なかなか整理できないところもありますが、これだけはお礼を言いたいということに絞って書いていました。どの手紙も、「~してくださって」「ぼく(私)たちのために」という言葉を添えて、感謝の気持ちを伝えていました。
 2年生の子どもたちは、「町たんけん」先から帰ると、行った先々の職業に就きたいと言います。これを、思いつきで言っているとか、浅い考えだとかというように大人たちは思うかもしれませんが、どれも子どもたちにとっては、本当であり、真剣な発言です。なぜ、それまでに子どもたちが「〇〇の仕事に就きたい」と思うのかと言えば、それぞれの体験先の方々の、「仕事」に対する姿勢が子どもの心にしっかり入り込むからです。恐らく、2年生にとって難しい言葉もたくさんあったかと思いますが、みなさんの「地域・社会のためになることを、さまざまな工夫や努力しながら行っている」というプライドが子どもに伝わってきたからだと思います。そうした、プライドをもって仕事をしておいでの方々に出逢うことが、行く先々でなりたい職業が増えていくにつれ、「阿用って素晴らしい」という考えにつながっていくのだと思います。
 学校では学ぶことができない、本物に出逢うことで学ぶことがたくさんありますが、その中でも重要なことは「人としての生き方」ではないか、と小さな探検家たちのお礼の手紙を読みながら感じています。

意気に感じる エプロンシアターの発表と「おべんとう ごちそうさまでした」

2022-06-29 14:44:17
 昨日の夕方の突然の変更により、本日はお弁当を保護者の皆様にご準備いただきました。子どもたちは、「〇〇が入っているよ。」「フルーツはこれ!」などと思い思いの報告をしてくれました。驚いたことに、「自分で全てお弁当をつくった」「おかずをつくった」「作ってもらったおかずをお弁当に詰めた」などと、お手伝いをした子どもがたくさんいました。2枚目の写真は、2年生の男の子の自慢の「そぼろご飯」です。その際、2年生の子どもたちには「先生はつくりましたか」と鋭い質問をされました。昨晩のお忙しいところで急にお弁当をつくっていただくことになったこと、そんな状態で早朝からお弁当をつくっていただいたことを子どもたちはしっかりと感謝しているようで、「今日帰ったらどうする?」と聞くと、『おいしかった』って言います」と子どもたちは即答しました。
 その後、文化委員会がエプロンシアターの発表をしました。4~6年生の9人の子どもたちは、3つのグループに分かれて、「あかずきん」「3びきのこぶた」「オオカミと七匹のやぎ」をエプロンを使いながら発表しました。昼休みに遊びたい気持ちを押して練習をしようとする子、遊びに行ってしまう子と様々な葛藤も抱えて、練習を随分重ねたようですが、緊張してなかなかうまくいかないところもあったのかもしれません。
 その後、本校恒例の子どもたちによる振り返りがありました。今日は、1年生も2名、勇気を振り絞って発表しました。6枚目の写真のように、今日も多くの子どもたちが感想を発表しました。エプロンシアターを初めて体験したこと、発表での工夫、全校児童のために練習を重ねてきたこと、エプロンシアターの後にクイズコーナーを設けたこと、文化委員会として本を読んでほしいという願いが伝わったこと、こうしたがんばりを自分たちも真似したいことなどを発表しました。そうした発表を聞くたびに、文化委員会のメンバーはうれしそうな顔を見せていました。エプロンシアター、そして振り返りの時間、とても温かく、ゆったりとした時間が流れました。文化委員会の発表を見て、他の委員会のメンバーばかりではなく、係活動を一生懸命取り組んでいる3年生をはじめ、1、2年生も「誰かに楽しんでもらいたい」という思いをもったと思います。
 何かをしてもらい、素直に「ありがとう」と言い、その後「自分も何か役立ちたい」と「意気に感じる」ことができる子どもたちを目の当たりにして、幸せな気持ちになりました。