阿用小学校


「やっているつもりだけれど」から日常化へ

2022-06-28 15:27:52
 先日の6月22日に、4年生は「かむこと」について考える活動を行いました。まず、「おうちの方に『よくかんで食べなさい』って言われない?」という担任の質問から授業が始まりました。「そうそう」「いっつも言われる」などというつぶやきが聞かれました。すかさず、「なんで?なぜよくかんで食べないといけないの」と担任はたたみかけます。「消化がよい」「栄養になる」という発言の中、ふと「よく考えてなかったなぁ」という本音が出てきました。また、「保育園の時に魚の骨を飲み込んだ友だちがいた際に先生からなぜかまなくてはいけないのかを話してもらった」などというエピソードも聞かれました。そこで、子どもたちの予想や今までに聞いたことを確かめるために、全員で少し冷えてかたいご飯を食べることにしました。「こんなに考えながら食べるの初めてだなぁ」「たくさんの先生に見られながら食べると緊張するなぁ(県教育委員会から2人、県歯科医師会から1人、そして本校教職員が見ていました。)」などとつぶやきながら食べました。体験後、味や体の変化についてたくさんの意見が出ました。つばが出ること、あごを使うこと、味をしっかり感じられることなどを発見しました。そうした、体験によって得た気付きを養護教諭が専門的な知識と関連させながら話していきました。「消化がよくなること」「むし歯や病気をなくそうとすること」「脳の働きが活発になること、集中力が増すこと」がかむことの重要性としてわかってきました。
 「かむことは大切」「自分のかみ方」への意識が高まってきた子どもたちに、一人ひとりの給食中のかむ様子の動画がタブレットに用意されていることが紹介されます。子どもたちは、自分たちのかむ様子に唖然としてしまいます。今後、どのようにしていくと「よくかんで食べる」ことができるのかを友だちと共に考えました。姿勢をよくする、〇〇回かんで食べる、だまって食べる、つくって(育てて)くださった方々に感謝して食べるなど、今晩から気をつけることを一人ひとりが考えました。
 担任は、毎日の給食中に一人ひとりが考えた「宣言」を黒板に貼り、誰がどんなことにこだわって食べているのかをクラスで共有しながら、一人ひとりが「かむこと」を意識して食べています。自然と、「〇〇ちゃん、姿勢が」などと、友だち同士でアドバイスをしながら食べているようです。
 この授業は、本校が研究として取り組んでいる「歯と口の健康づくり」の一貫ですが、全ての教育活動で大切にしていくことではないかという考えが教職員から芽生え出しました。「やっているつもりだけれど」「わかっているつもりだけれど」「あれ?」という課題意識から、その課題を友だちと共に解決していく、さらに解決の過程で試行錯誤を重ねて修正していくことを通して、日常生活にいかしていくといったプロセスを子どもが経験することが重要で、そうした「学び」を子どもがつくっていけるような授業、活動を今後、我々教職員は求めていく必要があると改めて感じました。

違うところ 同じところ

2022-06-27 18:14:17
 今日の2・3校時に、1、2年生は雲南市による「小中学校における多文化共生推進に関する授業・研修等への専門家派遣事業」の一貫として、アメリカ出身のポールさんにきていただきました。はじめに、出身地のアメリカのインディアナ州ウェストフィールド市の説明を聞きました。大東にある野球場が14面もあるアメリカで1番大きな運動公園の話を聞いて、「大谷選手はきていますか」などの質問をしていました。その後、ホットドッグやハンバーガーを食べること、日本と同じように四季があることなどを聞きました。すると、「日本と」「同じ」「違う」などの感想を口々に言っていました。1枚目の写真の中央にある、豚肉のカツをはさんだハンバーガーが1人前であることに2年生はびっくりしていました。「ぼくたちだったら5人前だ!」
 自己紹介が終わった後には、アメリカでバーベキューをするときに行うゲームを体験しました。2メートルくらい離れたところから斜めになった板に向かって、小豆などが入ったお手玉に似た正方形のものを投げてポイントを競います。単純な遊びですが、子どもたち(実は教員も)は熱狂していました。ポールさんに、本校の子どもは本気でやるので悔しくて泣くかもしれないといっていましたので、「泣くかもしれないけど」と何度もおっしゃっていました。
 2学年の活動が終わり、ポールさんは「楽しかったです。」と何度も言っていただきました。
 食や風景の違いはありますが、ゲームを楽しむことは同じだなと、こどもが気づいてくれると良いなと思います。

校外とのつながり 生きて働く学校教育

2022-06-26 10:31:55
 6月24日に学校評議員会と阿用教育後援会評議委員会及び総会を開催しました。学校評議員会では、各クラスの授業を見ていただきました。1年生は国語、2年生は音楽、3年生と5、6年成は算数、4年生は総合的な学習の時間の授業でした。それぞれ、担任と子ども達の個性あふれる授業で、評議員の皆様に「元気がよい」「声が大きく、反応がよい」「担任との関係がよい」「学年があがるにつれて落ち着いて考えたり取り組んだりしている」といった感想をいただきました。
 学校評議員会は、ともすると独りよがりになってしまいがちな学校教育について、よりよい学校になるよう、地域の皆様からご意見をいただくために開催しております。評議員の皆様には、おいそがしい中、毎月の校報等を読んでいただいたり、平素の学校教育のご支援をいただいたりしながら、本校の教育についてご理解いただきながら、子どもの様子や教職員の業務についてご検討をいただいています。我々教職員は、こうしたホームページばかりではなく、日常の保護者のみなさんとの連絡帳等を通じた密な連携などにより、本校の学校教育野方針や願い、子どもの成長についてできるだけわかりやすくお伝えすることに心がけていかなければならないとあらためて強く感じました。
 夕方からは、本校の教育推進のための阿用教育後援会の評議員会及び総会を開きました。日頃の本校の学校教育、特に子ども、教職員の取組について温かい評価をいただき、今後もご支援、ご協力をいただくことをお約束いただきました。特に、毎年各戸より貴重な会費をいただき、本校の教育推進に活用させていただいていること、今年度も引き続きご支援いただけることを大変感謝しております。
 こうした、本校の教職員と子どもだけでなく、様々な方々のご意見、ご協力とご支援をいただくことで、本校の教育活動がより一層「生きて働く」教育になると考えます。このような、様様な立場の方に来校していただく機会を今後とも大切にしていきたいと考えております。
 なお、6枚目の写真は6月23日に実施しました租税教室の一こまです。この租税教室は雲南法人会のご協力により、毎回市内企業等の代表取締役などの役職の方に実際に授業をしていただきます。子どもたちは、「本物」に触れることで、税の重要性について理解することができました。
 実は、先週はこうした、学校外の方に来ていただいて本校の教育活動についてご意見をいただく機会、子どもたちが「本物」に出逢い学習する機会が非常にたくさんありました。それにつきましては、今後掲載していきます。
 

暑くなってきましたが プールに入って疲れていますが

2022-06-21 19:05:01
 今日は、1、2年生がプールに入りました。昨日、1年生教室では「明日は雨だって」「だったらプールは入れないよっ」「いやだ。絶対に入る。」という会話が聞こえていましたので、天気の神様が雨を降らせるのを少し待ったのかもしれません。プールに入る際のきまりを聞いているので、先生が笛を鳴らせるとピタッと動きを止めていました。大きなプールに入るのが初めての1年生もいたと思いますが、とても楽しそうにしていました。
  昨日からプールが始まったとともに、急激に気温も上がりました。恐らく子どもたちは、毎日寝苦しい夜を送っていることだと思います。表情を見ると、疲れがたまっているような子どももいます。しかし、朝から大きな声を出してあいさつをする登校班がほとんどです。班長や副班長、又は高学年の子どもたちが大きな声であいさつをしているのは、4月からずっと変わりません。少しずつですが、3、4年生の子どもたちが意識的に大きな声を出している様子がうかがえます。きっと、より大きなあいさつをする学校にしていこうとしている高学年の願いを察して取り組んでいるのだと思います。そうした姿を朝から見られることがとても幸せです。
 このように、体力的に疲れが蓄積しているのですが、3枚目以降の写真のように、掃除や給食、学習に「暑いけれど」「疲れているけれど」努力している子どもたちは、がんばることの心地よさや他の友だちもがんばっているからといった思いやる気持ちをもっているのでしょう。
 ご家庭が心と体の「基地」として支えてくださっているからこそできることだと感謝しています。子どもたちは「家に帰ったらだらーっとして、思い切り甘えるぞ」という気持ちを胸に学校でがんばっています。どうか、いつも以上に褒めて、ハグして、心と体のエネルギー充電をしてくださることを望みます。

生きて働く知識・技能の育成のためには

2022-06-17 15:48:44
 1枚目の写真は、5年生の算数での子どものノート(タブレット)です。「0.4mのリボンは120円。1mでは?」という問題でした。写真にある図を使って説明していました。式は120÷0.4=300ですので、答えは300円ですが、ある子は「1より0.4が大きいのはおかしいじゃないかな」とつぶやいていました。確かに、この図ですと、1mより0.4mが大きくなり、答えは120円より少ないことになってしまうことが言いたかったのだと思います。2枚目の写真は、6年生の授業でのノートです。「3/8mのホースの重さは4/7kg。1mの重さは?」という問題でした。式は「4/7÷3/8=4/7×8/3」となるはずです。なぜ、わる数を逆数にしてかけるのかということを理解することも含め、この図が理解してかけるようになることは大変重要なことです。1枚目の図と、見方・考え方は同じです。つまり、1枚目の写真の図を見て「おかしいじゃないかな」と気付き、つぶやいた子は素敵なことに気付き、これから深い学びへと進むチャンスを生んだと言えます。
 こうした見方・考え方は、保育園などでの「泥団子1個、2個・・・」と数えたり、「お母さんには2個あげる。お父さんには1個。」などと分けたりする遊びが非常に重要な経験と言われています。その経験を、足し算や引き算に活かしていくはずです。はじめは、「3+5=」を右指3本、左指5本出して8本という作業から始めていきます。これを数字で覚えるだけですと、恐らくこうした1、2枚目の写真のような図はうまく書けないと思います。
 はじめは、指や実物を使って計算していくことを経ていかないと、結局その子が「やってみよう」という気持ちになって解いていくことにはつながりません。3枚目の写真は、3年生の総合的な学習の時間の様子です。「ローマ字表」を使いながら、インターネットでの調べ活動をしていました。ローマ字をしっかり覚えておかないといけないという考えもありますが、こうした子どもの必要感のなかで、子ども自身が面倒くさくても一字一字、表とにらめっこしながら入力していくことが大切だと考えます。
 4枚目の写真は、5年生の理科ですが、全員が頭とつきあわせて「メダカ」を探していました。どんなことにも意欲的に取り組む学年ですが、この時間は特に目の色が変わっていました。教科書やタブレットで「メダカ」について学ぶことも考えられますが、やはり実物にこだわる姿勢が素晴らしいと思います。4年生は、総合的な学習の時間で「川」についてイメージするワードを関連づけて図に表していました。生まれてから身に付けてきた多くの雑然とした「川」の知識を、自分なりに図で整理することで生活と学習が結びついていくと思います。一見、時間がかかっている、面倒くさい、前の学年の学習のようで簡単のように見えることが、学びには非常に大事であると再認識させられる1日でした。
 最後の写真は、1年生の5時間目の道徳の様子です。絵から譲り合いについて考える授業でしたが、9名全員が背筋をぴんと伸ばして授業に取り組んでいました。たった2か月ですが、給食が終わっても、こんなに姿勢よく取り組める体力がついたことに喜びを感じました。